実行委員 五十嵐徹 からのメッセージ

五十嵐 徹(いがらし とおる) 産経新聞社 副論説委員長

昭和25年生まれ。早稲田大学フランス文学科卒後、産経新聞東京本社入社。横浜総局を振り出しに本社経済部で金融、国際経済分野などを担当。平成2年から1年半のパリ留学を経て、同8年までブリュッセルで特派員として欧州で勤務。帰国後、政治部、外信部でデスク。その後、ニュースサイトの編集・運営に関わり、電子メディア部長、デジタルメディア局次長を歴任。平成14年、論説委員に転じ、平成19年4月より論説副委員長。

まず自分たちの足元である地域をよく見つめてほしい。

 ICTと聞くだけで拒絶反応を示してきた世代の一人だが、いまではケータイもEメールも手放せなくなっている。
 それでも、今の若い人たちが苦もなくパソコンを操り、ブログだ、ツイッターだ、と器用にICTと付き合っている姿は、やはり驚きとしかいいようがない。
 ただ一つ、オジサン世代のやっかみととられてもいいが、心に留めてほしいのは、ICTはあくまでツール(道具)にすぎないということだ。
 肝心なのは、ICTでいったい何を表現するのかであり、いくらICTの使い方が達者でも、それで何を伝えたいたいのかがはっきりしなければ、意味がない。いかに立派な絵の具と画用紙をそろえたところで、作品に訴えかける力がなければ、相手に感動は伝わらないように、である。
 私たち実行委員が、応募作品に期待するのもその点だ。専門家顔負けの立派なwebサイトも結構だが、デジカメとワープロソフトによる素朴な作りで構わない。キラリと光る独創性、作者の心の豊かさが反映された作品を見てみたい。
 そのためには、まず自分たちの足元である地域をよく見つめてほしい。作品作りもそこから始めたらどうだろうか。このコンクールが、皆さんにとって、そうした「自分探し」の第一歩になることを切に願っている。

(2010.11.29/めるまが M・A・P Vol.19 掲載)
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