2.テーマ「生徒による自主的な情報交換(高校教育における生徒の自律的情報交換に関する実践研究)」の実施

2.1  計画立案
2.1.1  ねらい
      将来的にインターネットが、広域ネットワークにおける学習支援環境を
    実現するとしても、その根底において必要とされるのは人間同志の信頼関
    係である。そういった人間関係をどう構築していくかが、これからの情報
    化社会に必要とされる教育であろう。
      この観点に立って本企画では、それぞれの高等学校でのインターネット
    活用の実践を基盤とし、それらが全国的に交流していくことでどの様なコ
    ミュニケーションが展開されるかに焦点を当てる。

    (1)インターネットを補助的な手段として全国の高校生がコミュニケー
          ションをもとうとするときに、生徒たちの内面や行動にどんな変化
          が生じて来るのだろうか。

    (2)高校生という自律性が高まる時期にあって、メーリングリストの運
          営などに係わり、生徒たちがどの様にして自主的・自律的な運営を
          行っていくのだろうか。

    (3)各学校においても、学年制度による従来の横割りの交流から、新た
          に人間性を主軸においた人間関係の形成が期待できるかもしれない。

    (4)周囲の教師などからの支援が必要であるとしたら、どの様な場面に
          おいて、どの程度の働きかけが適当であるのか。

      以上の視点を持ち、インターネットが「インターラクティブなコミュニ
    ケーションを支援する環境」であるという立場から、その総合的な活用方
    法を探り実践し、効果を検証する。


2.1.2  方針
      本企画は段階的に実施することで、実践におけるねらいの拡散を防ぐと
    同時に、生徒のコミュニケーションが自律的に無理なく発展を遂げるよう
    考慮する。また、発展の進行状況によってはその運営を柔軟に考えること
    とし、生徒を無理に方向付けるような行為は厳重に慎むように留意する。
      交流の対象校をしぼり、情報交換の主旨の徹底や方法手段の定着を図る。
    参加校については、研究グループが運営にあたっての細やかな眼が行き届
    くように配慮する。また、特定地域に集中しないよう全国的な散らばり具
    合を考慮する。普通科・工業科・商業科などの校種も重要な配慮こと項であ
    る。
      対象校の生徒たちがインターネットにおけるコミュニケーションに慣れ、
    コミュニティとしてある程度成熟してきた段階で、自由な参加へと展開す
    る。ここで期待されるのは、コミュニケーションがいままで生徒が経験し
    たことのない広い範囲にまで外に向かって拡張して行くことであり、逆に
    問題意識が個人のものとしてしっかり内側に向かって自覚され始めること
    である。
    
2.1.3  実施計画の概要

  1)  ネットワーク上での交流

    (1)情報交換の手段
        メーリングリスト(以下MLと略す)を用いた電子メールの利用を基
      本とする。手紙や電話・ファックス・ポケットベルなどに次ぐメディア
      としての電子メールは、生徒たちにどの様に意識されるのであろうか。
      電子メールの使い方はもちろんであるが、コミュニケーションの道具と
      なったときの利便性や危険性についても、充分に体得させる必要がある。
        必要に応じて、インターネット上のその他の手段(CU-SeeMeなど)
      や、非電子ネットワーク的手段(電話・オフラインミーティングなど)
      を活用することも考慮する。

    (2)情報交換の運用体制
        対象校の教員と生徒から、それぞれコア(核)になるメンバーを選出
      しMLを作る(コア教師MLとコア生徒ML)。一般の教員と生徒に対
      しても、それぞれML(一般教師MLと一般生徒ML)を作成し、互い
      の働きかけによってスムーズな全体の運営を目指す。ここでは、一般の
      MLはコアのMLを包含した形となっている。
        本企画の具体的運用内容をコア教師が検討し、一般教師やコア生徒へ
      の周知を図る。一般教師は各自の学校において一般生徒を援助し、コア
      生徒はMLにおいて一般生徒が活動しやすいような交通整理をして行く
      のである。本研究の主題は、この一般生徒のMLがどのように運営され
      て行くかにあるが、これは原則としてコア生徒によって行われるもので
      あり、このことで自律的な情報交換の促進が図られる。

    (3)情報交換の運用方針
        生徒により自主的に考えられた様々なテーマについてのプレゼンテー
      ション・交流・討議・共同学習などが想定される。MLの交流の中から
      これらのテーマや具体的な行動が出てくることが期待されるが、あまり
      にもその動きが見られない場合には、教師の側からの援助が必要となろ
      う。その場合の教員の姿勢は、基本的に生徒のコミュニケーションに直
      接口を出すことはせず、コア生徒へのヒント・アドバイス程度にとどめ
      る。
        生徒間のコミュニケーションは、原則としてML上で行うもの(個人
      間のコミュニケーションを禁止するものではない。)とし、教師は常に
      状況を把握できるように留意する。

  2)  直接会っての交流 

      仮想コミュニティとしてのMLでの交流ばかりではなく、現実に顔と顔
    を付き合わした形でのコミュニケーションは生徒にどの様な影響を与える
    であろうか。それらを別のものとしての論じるのではなく、互いの相互作
    用としてどの様なものがあり、相対的にコミュニケーションの場にどんな
    効果を及ぼすのであろうか。
      これらのねらいを達成すべく、非電子ネットワーク的手段としてネット
    ワーク・リーダーズ・キャンプを開催する。
      内容としては、最新情報機器の見学や実習、インターネットの先端で活
    躍される有識者の講義、生徒達による討論や提言などが考えられる。雑誌
    やテレビなどで見るだけではなく、実際にものに触れたり、現場に立ったり、
    人間と会ったりすることがどんな感動を与えるのであろうか。

  3)  指導上の留意点

      ネットワークでの交流にあたって次のようなこと項に考慮しながら生徒の
    活動を支援・指導していく。
 
      主に導入時に関わること ‥‥‥‥‥‥(導入)
      主に運営面に関わること ‥‥‥‥‥‥(運営)
      主に生徒の情報活用に関わること ‥‥(活用)
      主に生徒の表現能力に関わること ‥‥(表現)

    ・個々の生徒がネットワークにおける交流に積極的に参加できるか。
      (導入)
    ・ネットワーク上での発言が積極的に行なえるか。(導入)(運営)
    ・発言内容に責任をもっているか。(運営)
    ・理論的な考え方を意識できるか、また身につけることができるか。
      (活用)
    ・交流相手に対して正確に自分の考えを伝えることができたか。(表現)
    ・自己の考えと異なる意見に対して感情的にならずに対応・交流ができる
      か。(運営)(活用)(表現)
    ・相手の意見を聞くことができるか、また相手の立場を尊重できるか。
     (運営)
    ・発言内容が人に見られていることを意識して発言しているか。
      (運営)(活用)
    ・自己や相手の意見に対して客観的に発言内容を分析することができるか。
      (活用)
    ・必要とする情報を的確に収集することができるか。(活用)
    ・入手した情報について整理、分類、加工ができるか。(活用)
    ・ネットワーク上の参加者で情報を共有することができるか。
      (運営)(活用)
    ・参加者がネットワーク上の課題に対して協力して解決を図れるか。
      (運営)(活用)
    ・問題意識をもつことができるか。(活用)
    ・自己の表現力・説明能力(プレゼンテーション能力)が向上したか。
      (活用)(表現)
    ・ネットワークを基にして仲間意識を育てることができるか。
      (活用)(運営)
    ・他のこと象に対して正しく評価することができるか。(活用)
    ・ネットワーク上で既存の参加者が、新規参加者に対して適切な助言を行
      なえるか(活用)(運営)
  
 
 2.2  実施
  
    1)  参加校における生徒の取り組み(平成8年2月24日現在)
      
        これは、ネットワーク・リーダーズ・キャンプ 第1日目の「自己紹
      介・活動報告」(司会 川崎市立川崎総合科学高等学校 豊田領子さん)
      よりまとめたもの。

      (1)北海道旭川凌雲高等学校
         a)現在までの取り組み
           ・1・2年生で約60名の生徒がメールアドレスをもっており、
             海外と交流している生徒もいる。
           ・CU−SeeMeを京都府立工業高等学校や川崎市立川崎総合
             科学高等学校と行った。
           ・見学旅行記を作成した。
           ・家庭科の授業で、東京大学の栄養診断のWebサーバを利用し
             た。
           ・物理の授業で、物理学会のWebサーバから情報を取り出し、
             英語を訳して資料として利用した。
         b)所感
           ・CU−SeeMeは、顔を見ながらできておもしろかった。
           ・見学旅行記の作成は、キーボードからの打ち込み作業があり面
             倒であった。

      (2)埼玉県立越谷総合技術高等学校
         a)現在までの取り組み
           ・10周年を記念して、ホームページをたちあげ、アンケートをと
             るなどして今後のホームページの作成に役立てる。
           ・LANの構築などの情報をインターネットを使って集めた。
           ・インターネットの利用法をメールのやり取りから探っている。
           ・文化祭で広島の原爆の関連記ことを使って展示した。
           ・課題研究で、インターネットを使って何をしたいかアンケート
             をとり、まとめて発表した。
           ・他の人のためにWindowsのヘルプファイルで、インター
             ネットの説明を作った。作ったWindowsのヘルプのジャ
             ンプの数は285。
           ・課題研究は、週7〜8時間と放課後を利用している。単位は2
             単位、後期に集中している。

      (3)川崎市立川崎総合科学高等学校
         a)現在までの取り組み
           ・電子メールを利用して内外の高校と交流した。
           ・CU−SeeMeを利用して交流した。
           ・情報工学科が文化祭で東京大学とCU−SeeMeしたり、
             ホームページを見せたりしていた。
         b)所感
           ・インターネットで、英語のホームページを見て世界につながっ
             ているんだということを実感した。企業とか学校とか関係なく
             交流できる点が良い。
           ・海外と積極的に交流しているのがインターネットらしく、英語
             をもっと勉強しようと思った。
           ・estontaというのはエスペラント語で、estonta
             krucigo(未来交差点)ということである。インターネットは世界
             の交差点のような気がした。交流が未来につながるといいなと
             いうことで名前をつけた。
         c)今後の計画
           ・ホームページを充実させるためにHTMLを勉強している。
               高校を卒業しても継続しようと思う。
           ・MLが動きだしたので、いろいろと活動したい。

      (4)川崎市立商業高等学校
         a)現在までの取り組み
           ・主に、英語の授業(LL)でインターネットを利用している。
           ・課題研究(週2時間と放課後)が活動時間。
           ・中国・カナダ・ドイツ・アメリカと英語でメールをやりとりし
             た。英語が苦手な人はできる人に助けてもらいながらやり取り
             する。ハワイの相手が日本語で書いてくるので一部日本語も交
             えている。
           ・もうすぐオーストラリアの姉妹校とインターネットで交流を開
             始する予定。
           ・アメリカのテネシーから来ている留学生が、アメリカの大学に
             いるお兄さんとメールのやり取りを行っている。
           ・課題研究は、「国際パソコン」いわゆる「インターネット」の
             研究。
           ・海外のメール相手は、先生が「K-12」(ニュース)で募集した。
             メールは検閲していない。生徒のモラルにまかせている。

      (5)愛知県私立滝高等学校
         a)現在までの取り組み
           ・長月祭でアンケートと平和宣言を各国に送った(3年生中心)。
           ・海外の高校生と電子メールでの交流(2年生中心)。
           ・長月祭でインターネットの紹介した。どの企画も盛況だった。
             (新聞にも取り上げられた。)
           ・「IECC」と「Kid's Link」に平和宣言と一緒にアンケート
             を流した。返信は71通。そのあとも個人的にメールの交換を
             している人がいる。
           ・フィンランドの人と「もんじゅ」の話をした。
           ・メンバーは栗本先生が個人的に声をかけて集めた人が中心で、
             15名くらい。
         b)所感
           ・自分の発言に世界中からすぐにたくさんの反応が返ってくるの
             にビックリした。
           ・いろいろな情報が簡単に手に入り、情報交換にもとても便利。
           ・見ず知らずの人と話ができるのが良い。
           ・フィンランドの人と「もんじゅ」の話を時、日本では、大
             ニュースだが、世界的にはそうではないことに驚いた。

      (6)京都府立工業高等学校
         a)現在の状況
           ・情報システム科の3年生が中心になって課題研究で利用してい
             る。活動者5〜6名、しかも活動時間が週2時間しかなく、放
             課後残らない人が多いので、なかなか進まない。他のやりたい
             人と一緒に10名くらいで利用している。

         b)現在までの取り組み
           ・ホームページを開設した。個人のページに人気が集中している。
             (女の子の写真があるページへのアクセスが特に多い。)料理
             コーナーや自分が読んだ本の書評があったり、自分の好きな
             アーティストのDBを作ったりしている。
           ・CU−SeeMeを使って交流し、新聞で紹介された。
           ・メールは、している人はしているが、あまり活発ではない。
             海外と一番活発に交流しているのは校長先生。
           ・スウェーデンからの留学生がいて、メールがきたり、スウェー
             デンからホームページにアクセスがあったりしている。
           ・後輩ヘの指導は、「本を読んでわからなかったら聞いて」とい
             う感じで特別ではない。
         c)所感
           ・以前パソコン通信をしていた頃は、読むのが中心だったが、今
             は、メールを活発に書くようになった。文を書くのも楽しいし、
             ホームページなどでクリエイティブなことができて楽しい。こ
             の楽しさは、「自分がやった」という達成感から来る楽しさで
             ある。見ているだけなら、他人ことで終わっていたと思う。
           ・ホームページの作成などは、クリエイティブな作業であり、パ
             ソコン自体の仕組みを知らなくてもできる。
         d)今後の計画
           ・ホームページに観光地の紹介をいれているが、この英語版を作
             りたい。
           ・UNIXで古いMosaicを使っているので、地味なページ
             しかつくれないのが問題だが、人に見てもらえるページを充実
             させていきたい。(来年の3年生に期待している。)

      (7)熊本県立小川工業高等学校
         a)現在までの取り組み
           ・活用しているのは電子メールと、Webブラウザを使っての情
             報収集である。
           ・ホームページは先輩が既に作っていたが、自分達なりに、HT
             MLを覚えたり、見易くする工夫をした。
           ・発表する機会があるが、口で説明するのは難しい。直接見せた
             方が良いと思った。
           ・生徒研究発表会や熊本県産業教育フェアに参加、インターネッ
             トを展示し活動の発表を行った。実際にインターネットに接続
             して説明したときの方が分かってもらえた。また、新聞やTV
             に取り上げられたりもした。
           ・ALTの人やニュージーランド、ハワイの人とメールのやりと
             りをしている。英語の先生にもプロジェクトに入ってもらって
             いる。
         b)所感
           ・インターネットをやってよかったと思ったことは、新聞に出られ
             たことと企業のホームページをみたり、就職先の人と電子メール
             で質問ができたりと就職に役立ったこと。
         c)今後の計画
           ・英語のホームページも作成したい。

    2)  メーリングリストでの活動記録(OOPS)

      活動記録中での氏名は、イニシャルで表示する。     

        1996年2月5日(月)、ほぼ参加各校のコア生徒の準備が整ったという
      ことで、川崎市立川崎総合科学高等学校の宮澤先生のご尽力で、とうと
      うコア生徒用メーリングリスト(以下MLと略す)『OOPS』がスタート
      した。

     <ML oops>
        [oops 1] ML oops has started.
        初めての人もいるでしょう。簡単な自己紹介からでも、どうぞ!自己
        紹介をしてくれることで、このMLがその人に繋がったという認識を
        しますので、是非忘れずに。
        この後、一般生徒のMLがスタートします。極力君たちに任せますの
        で、よろしくお願いします。決めることは決め、相談することはして、
        思う存分やって下さい。始まってから、トッチラカッてしまわないよ
        うにね、お願い!
        #日程的なことなど、私が口を出すこともありましょうが、仲良くし
        てね。(^_^)
--<筆者コメント>----------------------------------------------------
同日、『OOPS』用の電子掲示板として「PLAZA」を立ち上げた。
[oops 2] BBS system
どんな使い方をするかもコア生徒に任せようと投げかけた。結果としてこの
「PLAZA」は、コア生徒の一人が若干の提言を行ってはくれたものの、コア生
徒がネットワーク・リーダーズ・キャンプ(以下 NLCと略す)への準備で忙し
かったために、有効な活用方法を見出せないままになっている。
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     <ML oops>
        [oops 4]祝
        YS@川崎総合科学高校です。
        神奈川県の川崎市立川崎総合科学高校デザイン科3年に在籍していま
        す。デザインといっても絵画やイラストは苦手で、課題がなかなか進
        まなくて困っています。(^^;自分の得意分野は、写真です。写真の専
        門学校に合格しました。(^_^)
       (何度か同じこと書いたような………まいっか!!!)
        このMLの中の3年生の皆さんはもう決まりましたでしょうか。2年生
        の皆さんもそろそろ進路を考えだしているのでしょうか?もしよろけ
        れば、教えてください。
      (編集者注:以下略す)
--<筆者コメント>----------------------------------------------------
MLの行く先を考えた、非常に心暖かい発言だと思われる。
コア生徒の半数以上は3年生であったため、進路の話から入る場合が多かった
ように感じる。コア生徒はこれからの自律的意見交換を支えていく生徒である
から、学年のバランス等も考慮されれば良かったのであろうが、100校プロ
ジェクトが本格的に動き出した時期を考えれば、仕方のなかったことなのかも
しれない。
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     <ML oops>
        [oops 6]はじめまして
        TY@小川工業高校です。
        皆さんの中で一番南に住んでいる熊本県立小川工業高校  情報電子科
        3年のTYです。では、自己紹介をしたいと思います。
        情報電子科ですが、あまりコンピュータに詳しくはありません。かと
        いって、全く知らない訳じゃないですよ!資格も結構取れたし、イン
        ターネットも出来たのでその辺(熊本の中で)の情報科に比べたら大
        変いい経験ができたので基本的なことは知っていると思います。
        進路は?といいますと、研究所に研修生として行くことになりました。
        どんな研究所かといいますと(学校+企業)/2したようなところで
        す。多分理解できないと思います。だって、私自身あまりはっきりと
        分からないからです。(笑)
        だから、説明できません。もし興味があったら、研究所のホームペー
        ジを見てはどうですか?そちらのほうがわかり易いですよ!
--<筆者コメント>----------------------------------------------------
同じく進路に関した発言だが、不安と希望が入り交じった雰囲気が伝わって来
る。自分の進路の理解を得るために研究所のホームページを見るようにとは、
このような企画らしくて面白い。
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     <ML oops>
        [oops 9]ごめんね>HHくん
        こんにちは、SS@京都です
        >HHさん [oops 7]
        >ぼくは、2/13から五泊六日で修学旅行にいきます。長野と京都に
        >いきます。
        >長野には、スキーをしにいきます。もちろんはじめてです。京都に
        >は、2/16 19:00 につく予定です。17日には、自由行動の時間が
        >あって金閣寺や映画村とかにいく予定です。京都に行くので京都府
        >立工業高校のSSさんよろしくおねがいします。

        実はこのメール受け取ったときは既に2月13日でした。と言うわけ
        でメール出来ませんでした。すいません  m(__)mそれと、うちのガッ
        コは「京都」と言いながらかなり府北部なのでそんなに詳しくなかっ
        たりする(^^;  (家は中部区域なんだけど)
--<筆者コメント>----------------------------------------------------
うまくメールのやり取りが出来ていたら、九州の生徒が京都の生徒と修学旅行
で出会えたかもしれない。今度は周到な準備をしたいものである。相手の気持
ちを気遣いながら、地域性が良く現れている。
----------------------------------------------------------------------

     <ML oops>
       (引き続き、同じメールから)
        奥村  先生  前回に引き続きお願いです(^^;
        2つのMLに、「XXXXX@niftyserve.or.jp」を加えて貰えませんか?
        と言うのも僕はUNIX環境でメールの送受信が非常に苦手なんです。
        (特にエディタ。何故viなんだよぉ(;_;)。)で、一番使いやすい自
        分のPCで書きたい、と。そうしないと、発言率がどんどん下がって
        しまいます(^^;よろしくお願いします。
        24、5日(編集者注:NLCの日程)のこと  >  ALL
        あのぉ、24、5日って何着ていけばいいんでしょう?やっぱり制服
        ですか?
        (ダサダサだぞ>うちの制服)一応確認したいんで誰か教えて下さい。
        あと、特別に必要な持ち物とかってありましたっけ?
--<筆者コメント>----------------------------------------------------
積極的な発言である。自分のおかれている環境を自ら変えて良くしていこうと
する姿勢が見えるし、NLCでの自分をイメージして周到な準備をしようと考え
ているようだ。
2月16日、NLCを目前にして参加生徒へ自律的参加を促した。内容としては、
生徒が活躍する場面の確認。
  1  各高校における活動状況の報告
  2  インターネットの可能性についての討論
  3  新しくインターネットを始める高校生へのガイダンス
  4  その他

日程・時間割の確認と、今後の議論への布石として補足を行った。
  1  文字どおり、簡単に報告してもらって、具体的な疑問点を明らかにして
      おく。
  2  一般的なインターネットの可能性はともかくとして、高校生がどのよう
      な活用方法を探っていけばよいか。どの様な導き方をしたらよいのか。
      (精神面・システム面)
  4  夕食後の懇親ミーティングをどうしたら楽しく過ごせるか。まさかゲー
      ム大会にはならないと思うけれど‥‥。(^_^;

あわせて次のようなコメントも付け加えた。
#制服の件が話題に上がっていると思いますが、君たちが反応しないとどうに
#もなんない!
#特に、2年生の皆さん。あなた方の時代です!!
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     <ML oops>
        [oops 12] Re: IMPORTANT!
        RT@川崎総合科学です。

        ついでに、土日の話も忘れていた‥‥‥。(21日から24日ま
        で千葉県の幕張メッセで『MAC WORLD EXPO TOKYO 96』 があって、
        心がそっちに行っていました‥‥。)では‥‥早速意見します。
        about:『項目:1〜3』
        まず項目の話ですが、『1』と『3』については同一の項目にしても
        いいのではないかと思います。(あるいは2つの項目をいっしょくた
        に討論するとか‥‥‥。)

        (編集者注:以下を略し、項目のみを挙げる)

        about:『項目:その他』
        about:『服装』
        about:『持ち物』
        about:『リーダー』
--<筆者コメント>----------------------------------------------------
MAC WORLDに心が行っていたとは‥‥‥泣かせる。項目を挙げて整理された形
で記述する、というのは『OOPS』の準備段階でコア生徒が言い出した申し合わ
せである。きちんと項目を洗い出して、その一つ一つに検討を加えていくとい
うのは高度な議論の方法ではないだろうか。
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     <ML oops>
        [oops 13] Re: IMPORTANT!
        MT@滝高校です。
        たくさんメールを打つといってから約一週間。今日、やっとメールを
        打ちます。
        RTさんの意見読みました。服装のことなど参考になりました。(う
        ちの制服は地元でもダサイと評判なので、私は私服を着ていこうと思
        います。)
        >about:『項目:その他』
        >  これは‥‥‥改めて自己紹介でもして、せっかくいろんな地域
        >から集まったのだから『お国自慢』でもしますか?(笑)
        「お国自慢」‥‥‥‥名古屋人が好きな言葉です。
        もし、「お国自慢」をするのなら、地元の銘菓なんかを持ち寄りませ
        んか?自由時間にでもみんなでわいわい言いながらお菓子をつまむの
        も楽しいんじゃないかと思います。もちろん強制的にというわけでは
        なく、持ってくることができる人だけでも持ってくるというのはいか
        がでしょうか。

        (編集者注:以下略す)
--<筆者コメント>----------------------------------------------------
リプライでの引用も適量を心得始めている。お菓子を持ち寄るという発想も、
大それた企画に参加するといった気負いも感じられず、さすが現代っ子といっ
たリラックスした雰囲気を感じる。
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     <ML oops>
        [oops 18]服装の件など
        TY@小川工業高校です。
        もうすぐですね。ネットワーク・リーダーズ・キャンプまで。今は、
        そのための準備と自動車学校で忙しいです。(でも、そんなに忙しく
        ないけど)
         今日メールを出した理由は「その他」の件と「銘菓」の件と「服装」
         の件です。これはどうなったのですか?「その他」は結局何をする
         んですか?(お国自慢?)
        「銘菓」の方は、持ってきたい人だけ持ってくればいいのですか?
        「服装」の方は、「私服」の意見が多いみたいですがどうするんです
        か?
        今回は質問だけですみませんがよろしくお願いします。
--<筆者コメント>----------------------------------------------------
人に問題解決を任せてしまうのではなく、自分の問題として捉えようとする自
覚が見受けられる。問題点を整理し、自分の考えを付け加えるというのは、議
論の仕方としては大変レベルの高いものであろう。
生徒達が「服装」「銘菓」「その他」の件で、最終的な判断をどうやら教師に
求めているらしいので、22日になってその確認「君たちの議論している内容で
結構」を出す。自律的であることを求められているコア生徒であるので、言い
出しにくい点があったのかもしれない。また、コア生徒の中に特にリーダーを
教師の側から作ることはしていないので、その影響も考えられる。MLや NLCな
どを通してリーダーが育ってきてくれることを望んでいるのだが、全国的な集
まりでは遠慮も働くのかもしれない。
----------------------------------------------------------------------

     <ML oops>
        [oops 23] Re:服装の件など
        NK@凌雲高校です。
        こちらからは、KUくんと、NKが参加します。銘菓も持って行くつ
        もり。服装は私服。だよね?    
        あと、活動状況などを発表するのに使う資料はまだ作ってないです。
        とりあえず、「今、何をやっているか」程度のことが書いてあるプリ
        ントを用意する予定です。
--<筆者コメント>----------------------------------------------------
プレゼンテーションをしなくてはいけないことの重大さが分かってきたようだ。
受け身で参加するのではなく、積極的に何かをつかみに参加する姿勢が見られ
るようになってきた。プレゼンテーションについては、準備時間の制約などが
あったにしろ、あまりにも各学校に任せすぎたきらいもある。方法の選択肢や
内容の程度など、具体的なイメージが湧くような指示があっても良かったと反
省している。
----------------------------------------------------------------------

     <ML oops>
        [oops 25] Members of list
        YS@川崎総合科学高校です。
        『ネットワークリーダーズキャンプ』に参加された皆様お疲れさまで
        ございました!!!特に『朝まで生討論』をして、はじけた先生方
        (笑)大変お疲れさまでした‥‥(^^;
        訳分からなくても(‥‥俺だけか(^^;)皆さん楽しかったのではな
        いかと思います。(お国自慢は、楽しく、笑わせてもらいました。)
        もっと楽しくなるのはこれから‥‥かな?(^^;(^^;(^^;
        ところで、話はかわりますが‥‥
        遅ればせながら皆さんが、気にしていたアドレスのリストをお送りし
        ます。ML以外での個人的な話もあるでしょうから(^_^)(^_^)
        (今回は、キャンプに参加した方だけです。)
        (編集者注:以下略す)
--<筆者コメント>----------------------------------------------------
教師がねぎらいの言葉をかける前に、生徒にかけられてしまった。NLCの成果
としてメール・アドレスを配布するなど、仲間意識が育ってきているようだ。
今後の交流をまとめ束ね、高めていこうとする意識が良く現れていて、大変好
感が持てる。今後のコア生徒の取り組みに、大きな期待が持てることを確信さ
せる。
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\newpage
\begin{verbatim}

    3)  ネットワーク・リーダーズ・キャンプ

      (1)日程および参加者

         ・開催月日  平成8年2月24日(土)〜2月25日(日)
         ・会    場  2月24日  情報基盤センター
                               (慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス内)
                                 パシフィック東京ホテル
                     2月25日  富士通大井町ビル
                               (富士通株式会社)
         ・内    容
           <2月24日 >
                   〔情報基盤センター/パシフィック東京ホテル〕

                〜12:40  集合(情報基盤センター:
                                     3階コンファレンスルーム)
           12:45〜13:45  昼食
           13:45〜14:00  オリエンテーション
           14:00〜15:00  施設見学
                         ONYX
                         (人体ウォークスルー・幾何公園)デモ
             −15分−    休憩
           15:15〜17:00  自己紹介/活動報告( 5〜10分/校)/
                         Q&A
           17:00〜18:30  移動
           19:00〜21:00  夕食/交歓会(パシフィック東京ホテル)

           <2月25日 >  〔富士通大井町ビル〕
                〜 8:30  集合(富士通大井町ビル:3階303)
            8:30〜 9:30  生徒による討論会(第1部)
            9:30〜10:30  講演 (後藤 滋樹氏:日本電信電話株式会社 
                                   広域コンピューティング研究部長)
             −15分−    休憩
           10:45〜11:45  生徒による討論会(第2部)
                          −後藤 滋樹氏をまじえて−
           11:45〜12:00  閉講式
           12:00〜          昼食(昼食後随時解散)



         ・講演者
             後藤  滋樹(日本電信電話株式会社 
                              広域コンピューティング研究部長)

         ・参加校
             北海道旭川凌雲高等学校
                 奥村    稔  (教諭)
                 早乙女  浩子(教諭)
                 紙谷  奈美  (普通科2年)
                 梅津  健一  (普通科2年)

             埼玉県立越谷総合技術高等学校
                 灘波  正佐治(教諭)
                 白井  智也  (教諭)
                 田中  秀明  (情報技術科3年)
                 末木  しおり(情報処理科2年)

             川崎市立川崎総合科学高等学校
                 宮澤  賀津雄(教諭)
                 豊田  領子  (デザイン科3年)
                 斉藤  義彦  (デザイン科3年)

             川崎市立商業高等学校
                 吉野    勉  (教諭)
                 高田  藍子  (国際ビジネス科2年)
                 牧岡  由香  (国際ビジネス科2年)

             愛知県私立滝高等学校
                 栗本  直人  (教諭)
                 田中  美穂  (普通科3年)
                 光井  能麻  (普通科3年)

             京都府立工業高等学校
                 野村  善之  (教諭)
                 松本    哲  (情報システム科3年)

            熊本県立小川工業高等学校
                 岩永  久幸  (教諭)
                 米    智治  (情報電子科3年)
                 本田  久三  (情報電子科2年)
         ・来場者
             通商産業省  機械情報産業局
                 澤田  米宏 (情報処理振興課  技術・調査係長)

             財団法人  コンピュータ教育開発センター  (CEC)
                 國重  誠之(ネットワーク利用促進部  部長)
                 澤木  宏文(ネットワーク利用促進部  企画課長)

             University of Brighton
                 Karamjit S Gill

             藤田保健衛生大学
                 伊藤    渉

             横浜国立大学
                 高橋    純(大学院)    

             慶応義塾大学
                 山根    健(大学院)
                 原    孝成(大学院)    

             日本電信電話株式会社      
                 岡    敦子(広域コンピューティング研究部  研究主任)
                 野島  久雄(情報科学研究部  
                             メンタルプロセス研究グループ主任研究員)

             株式会社三菱総合研究所
                 久保田  広(経営システム研究センター  
                                   情報技術開発部メディアシステム室)

             東京都立国際高等学校
                 藤田真理子

         ・報道
             北海道新聞社
                 中村  公美
             朝日新聞社
                 魚住ゆかり

      (2)内容
          a)生徒による討論会(第1部)

            「生徒が考えるインターネットの活用法・利用法」
                司会:京都府立工業高等学校  松本哲君
 
            (以下、発言は、発言者の学校名をつける。
              各学校名は、次のように表す。
                  凌雲    :北海道旭川凌雲高等学校
                  越谷    :埼玉県立越谷総合技術高等学校
                  川崎総合:川崎市立川崎総合科学高等学校
                  川崎商業:川崎市立商業高等学校
                  滝      :愛知県私立滝高等学校
                  京都    :京都府立工業高等学校
                  小川    :熊本県立小川工業高等学校)

       (川崎総合)  一部の人しか使っていないようだが、せっかく線がひい
                  てあるのだから、もっと多くの人に使って欲しい。使って
                  みるとインターネットがどういうものか分かる。
          (京都)  物理的に接続台数が少なくて触れないのか、環境がある
                  のに触らないのか。

          <学校内の他の人に、どうやったら活発に使ってもらえるか、アイ
            デアはあるか?(京都)>

          (越谷)  「授業でこういうことができる」ととりあげる必要があ
                  る。生徒からでは難しい。
          (京都)  物理や英語で使うという学校もあるので、その教科で使
                  えば良い。
      (川崎総合)  TVで、アメリカの小学生が資料をインターネットで集
                  めている様子をやっていたが、(補足:ジェイソンプロ
                  ジェクト:http://seawifs.gsfc.nasa.gov/JASON/HTML/
                  JASON=HOME.html)それと同じように、インターネットで
                  資料を集めたり、専門家に聞いたりできればもっと身近に
                  感じるのではないか。授業の方向を考えなくてはダメなの
                  ではないか。
      (川崎商業)  教科書から与えられるよりは、資料を自分で探して、入
                  手した方が身につく。「パソコンは操作が難しい」という
                  イメージをどのくらいぶち壊せるかが問題。文化祭などの
                  イベントで「簡単にできる」という感じに紹介して、その
                  後環境が整っていれば状況は変わって来るように思う。
                    興味を持った人のすぐそばに、教えてくれる人がいると
                  触れるようになるのでは?


          <当校では、先生が詳しいので良いが、他はどうですか?
                                                      (川崎商業)>

          (京都)  詳しい先生がネットワークの管理をしてくれている。
                    情報処理科でも触ろうとする人は少ない。
                    クラスメートに聞かれたら、教えてあげるが、言葉が難
                  しいからか、なかなかわかってもらえないこともある。「い
                  つでも使わせてもらえるので気楽に来て」とは言っている。
      (川崎商業)  インターネットではなく「国際パソコン」(パソコンで
                  世界の人と交流をしよう)ということで集めたので、か
                  えってそれがよかったのではないか。
          (越谷)  先生より生徒で詳しい人がいたりすると、他の生徒はオ
                  タクっぽいと思って近寄ってこない。生徒からではどうし
                  ようもない。先生にもっと詳しくなってほしい。
            (滝)  インターネットをやるというより、海外とのメールがで
                  きるからやっている。パソコンはオタクというイメージが
                  ある。パソコンをやりたいという人は多いが、目的が無い
                  ようだ。だから、パソコンの説明をしている本を読んでも、
                  内部のことを解説されると難しくてよくわからなくなって
                  しまう。初めのほうを読んだだけでいやになってしまう。
                    概念は知っていた方が良いが、どういう操作というのは、
                  使ってる人に聞けばいい。初心者向けに「メールの送り方」
                  などの利用法を説明したものがほしい。
          (京都)  パソコンの内部がどうのというのは使うだけなら関係な
                  い。初心者向けの説明書は、ハードやソフトが違うと一概
                  には書けない。一人ずつ個別に教えのはとても効率が悪い。
          (凌雲)  先生が昼休みや放課後に、使わせてくれる。メールアド
                  レスも欲しい人はもらえる。
          (小川)  展示や発表会をしても、言葉で説明してもわからないこと
                  が多い。デモをしてもみんなのってこない。

          <文化祭などで展示した時の反応は?(小川)>

          (京都)  「わからない」といって触るのをいやがる人が多い。P
                  TAにも説明会をしたが、「ニュースとかで聞くけど分か
                  らない」と言われる。
      (川崎総合)  機器のセッティングやメンテナンスは先生にやってもら
                  い、一通り習い、後は自由に使った。
                    触っているうちに慣れてきて、勝手に頭に入ってきて、
                  気がつくと使えるようになっている。エラーなどがでると
                  その都度聞いて、進んで行く。本とかを読んでもわからな
                  い。口や手で教えてもらったほうが頭に入ると思う。
                    人にすすめるときは、興味のある人を連れていって、そ
                  の人が興味を持っている分野を見せ、「これがインター
                  ネットっていうんだよ、聞いたことある?」という風に説
                  明していくと良い。はじめから「インターネット」という
                  ので誘うと入りにくいのではないか。
                    普通の人は、TVや雑誌などに必要な情報がいっぱいあ
                  る。インターネットをしなくてもいい。「やって得をする
                  人がやればいい」のではないか。「パソコン」というだけ
                  で「嫌だ」という人もいる。そういう人にむりやりやって
                  もらう必要はないのではないか。
            (滝)  私が誘われたのも今の話のような形だった。地震や大学
                  のホームページを見てみる?っていう感じだった。自分が
                  操作を知らなくても、初めは教えてもらえるという環境が
                  大切だと思う。
      (川崎総合)  「インターネットをやってみない?」だと、それなりに
                  インターネットを説明しないといけないので難しい。「見
                  てみない?」という形で誘う方がやりやすい。
          (京都)  見るだけならいいが、自分で作りたいというのになると、
                  元から文を書くのが好きというような人がよくやってくれ
                  る。
      (川崎総合)  「やりたいひと・必要な人ができる環境」が大こと。自分
                  がやりたいことだと自然に頭に入っていき、知識になる。
          (京都)  あくまでパソコンは道具の一つ。
                  ホームページなどが作れて、その上メールがきたらすごく
                  うれしい。
      (川崎総合)  インターネットの環境が普及していないので、興味のあ
                  る人をみつける方法としては口コミが一番よい。でも、文
                  化祭などで紹介して大勢の人が反応したら逆に困る。やり
                  たい人は家でやっていたりする。「やりたいけど家には環
                  境がない」という人に環境を提供するのが良い。
      (川崎商業)  興味のある人もいるが、授業の一貫というイメージがあ
                  るせいか、「選択科目をとっていないので‥‥‥」と遠慮
                  がちである。
      (川崎総合)  メールアドレスをつくる(登録する)のは大変だという
                  話を聞いたので、やってあげたくても気が重く、先生は忙
                  しそうなのでで、頼みにくい。頼める先生が限られている。
                  先生ももっと興味をもって、どの先生でもできるように
                  なって欲しい。
      (川崎商業)  「メールが届いているかな?」と思っても、先生がいな
                  くて使えない時がある。
                    テネシーからの留学生は、お兄さんとメールで細かなや
                  りとりをしている。電子メールのいいところは、距離を感
                  じさせないところ。場所は遠くてもすぐに悩みなども相談
                  することができるので、心強かったと思う。そういうこと
                  をみんながもっと理解できれば良いと思う。

          <放課後、自由にメールなどを使えるパソコンはどれくらいあるか
                                                            (滝)>

            (滝)  3年1台  2年1台
          (京都)  メール程度なら6台、最新のWebブラウザは1台
      (川崎商業)  40台あるが、自分のアクセスできるパソコンは1台だ
                  け。機械は先生に頼んで起動してもらう。
          (越谷)Webブラウザだけなら20台、全部できるのは  1台
          (凌雲)  20台すべて。(FDに環境があるため)
          (小川)  10台
      (川崎総合)  2台

         b)講演

          「インターネットは社会工学」 
              後藤滋樹氏 (日本電信電話株式会社 
                                広域コンピューティング研究部長)

          <講演内容>

            □ネットワークの「力」の根元 ‥‥‥本当は人をつなぎたい
              ・コンピータはただの箱
              ・ネットワークの両端には人間がいる
              ・ネットワークの電位差理論

            □ヒューマンネットワーク
              ・電子メールは感動を伝える(電子けんかもあるが)
              ・英語と日本語のまじった文は楽しい
              ・同じ釜の飯(同窓会)
              ・物理学会:研究ネットワーク連合委員会
              ・日本インターネット協会:教育部会

            □消えていく国境
              ・タイからマレーシアの電話
              ・香港から見た中国
              ・台湾から見た中国
              ・シンガポールからみたマレーシアへの旅
              ・ブルネイの人にとってのマレーシア
              隣の国と仲良くしよう。

            □日本語という障壁
              ・アジアにおいても国際語は英語
              ・英語の次に重要なのは中国語
              ・エスペラント語の概念は貴重である
              日本語はどこに。

            □変化をenjoyしよう
              ・アジアにおける多様性を活力に転化する
              ・コミュニケーションが直接的になる
              ・「快適な生活」を忘れないようにする
                (WWWは良いアイデア)

            □将来への展望
              ・人類にとっての大きな武器
              ・産業革命のやり直しともいえる  ‥‥‥知的分業
              ・市場経済が徹底するが
              ・また民主主義が問われる時代でもある
                       ‥‥‥自由に発言できるが責任も問われる  

            □WWWを超える発想
              ・WWWはハイパーテキスト
              ・ポインタが大切
              ・日本人の「器用さ」がアダになる

            □結論
              ・リーダ(「分かっている人」の社会的な役割は極めて重要)
              ・完璧主義(全員・無欠陥)を捨てる
              ・日本では、「言わなくてもわかる」「当たり前のことは言わ
                ない」という伝統?みたいなものがあるが、そのあたりが
                「日本人はコミュニケーションが下手」と言われる理由であ
                ろう。例えば、電子メールでも、メールを受け取ったら、
                「うけとった」と返ことを書くのが世界の常識である。

          c)生徒による討論会(第2部)−講師の後藤滋樹氏をまじえて−

            「生徒の目から見たインターネットの利点・危険性、そして課題」
            「アイディアや夢を語ろう」
                司会:京都府立工業高等学校 松本哲君

          <インターネット使ってこれはよかったと思うことは?(京都)>

            (滝)  自分が操作したのが情報として得られる喜び。
                    メールだとすぐに反応があるという驚き。
                    ホームページなど、無い物を作りだしていく喜び。
          (京都)  絵やデザインが自分でできてうれしかった。
            (滝)  癌に興味があって、国立癌センターの資料が欲しかった
                  が、図書館に行くと情報がたくさんありすぎて、思うよう
                  な検索ができなかった。国立癌センターのホームページを
                  みてみると、写真や最新の情報を見ることができ、今まで
                  思い描いていたイメージとだいぶ違うことが分かった。
          (京都)  検索するとすぐ情報が手に入る。
                    マイナーなアーティストのページがあったり、大学生の
                  個人のホームページがおもしろかったりする。ただしパソ
                  コンを使えないとダメ。表現できる場があるというのが良
                  い。
      (川崎総合)  パソコンは必ずしも使えなくてもお金を出せばやっても
                  らえる。
          (京都)  人にやってもらうと違ったものになってしまう。自分の
                  表現の場であるから、活用すべきである。

          <嫌なことやこれからの課題について>

          (京都)  絵が書けないといけないと思う。人に見せるものでもあ
                  るので。センスをみがくことと英語が課題。
      (川崎総合)  自分の心の中を表現すればいいんだから誰でもできる。
          (講師)  アメリカには「情報公開法」という法律があり、公のお
                  金(税金)を使って活動している団体、WGなどの情報は
                  公開しなくてはいけないことになっている(但し、軍こと機
                  密を除く)。日本では、「貴重な情報はただでは出せない」
                  というところがある。情報は皆が知っていると力になる。
                  力のもちぐされにならないようにする必要がある。
            (滝)  ホームページで美術部の展覧会をやっているのを見たが、
                  美術館の展示品をパンフレット的に入れて欲しい。著作権
                  などの問題もあるとは思うが、見たい時に拡大してみるこ
                  ともできる。さらに興味があれば、実際に行くだろうし、
                  視野や行動範囲が広がると思う。
          (講師)  ルーブルなどはやっている。フランスの文化省が、ある
                  大きさまでとか決めて、印刷しても美しくないというよう
                  な限度を考えて入れている。
                    古文書なども行われている。日本でも国立国会図書館が
                  やろうとしている。
          (小川)  普通の授業の中でもっとインターネットをつかってほし
                  い。歴史や美術や英語などでも使えるのではないか。
          (京都)  工業科は先生がやっているが、普通科の先生はやってい
                  ない。
          (小川)  本をよんでもわからないところが多いので、自分たちで
                  わかりやすいマニュアルを作ったりしたい。
      (川崎総合)  やさしい英語をつかった絵本のようなページがあるとい
                  い。電子メールの相手はやさしい表現を使ってくれるので、
                  やってみればそれなりの答えがある。
          (講師)  英語を話す人は、英語ができるのが常識だと思っている
                  所もある。アメリカ人は英語でしか電子メールはつかえな
                  いものだと思っていたりする。
                    英語圏以外の国で例えば、UNIXならアラビア語をは
                  じめとするいろいろな言語で読み書きできる「Mule」
                  というツールがあったり、また、Netscape などでも対応
                  している。韓国では、ハングルで書かれたホームページが
                  いっぱいある。
      (川崎商業)  みんな英語が好きで、「できる」という訳ではないが、
                  やりたいことがあるから辞書を引きつつメールを読んで返こと
                  を日本語で書いて、訳して、とがんばっている。
          (京都)  完璧を捨てることだと思う。英語をみて「ダメだ」と思
                  わないようにしたい。

<インターネットに危険性について>

            (滝)  操作していて訳がわからなくなって壊してしまわないか
                  心配になる。やっていても大丈夫という安心感があれば、
                  もっと使いやすい。
                    多くの人が使うようになったら、他人が自分のメールを
                  勝手に見れたりするなど、悪用する人もでるのではないか。
      (川崎総合)  顔の見えない人とやり取りを行っているから、デマが簡
                  単に流れる。 相手はどういう人か分からない。
            (滝)  個人が個人を中傷するのをどうふせいだらいいのか。
          (京都)  何千万人もユーザがいて、ネットワーク世界ができあ
                  がっているのだから問題がある程度おきることは、しかた
                  がないことではないか。現実の世界でも同じ様なことは、あ
                  る。使ってる人のモラルによる。自分のことしか見ること
                  ができない人もいる。
          (講師)  アメリカでは法律が改正されつつあったり、議論されつ
                  つある。メールでの中傷が裁判で証拠として採用されるこ
                  ともある。
                    インターネットは社会に似ているが、そのままあてはま
                  らないルールもある。これからどうするかは、使ってる人
                  が議論して決めていくだろう。
          (京都)(滝)
                    政府が規制をするのは、いい感じがしない。
            (滝)  自衛するしかない。
                    ネットワークでサリンゲームとか不幸なこと故をゲームに
                  してやっている人がいるがそういうのは誰がやっているか
                  調べないのか?
          (講師)  プロバイダのお試しIDでアクセスの場所も転々と変え
                  るようなのだと難しい。アメリカでは、CERTが調査を
                  している。被害は数千件にのぼる。
            (滝)  自由があるかわりに責任もあるという話があったが、責
                  任を持てるように、誰が出したかわかるようにすべきでは
                  ないか。分かってる人はそうしているだろうが、そういう
                  人が全部ではない。署名をつけるように義務づけられない
                  か。
          (講師)  規約書のようなものを書いてから、ネットを使い始める
                  ようにしようとするする動きが日本の大学ではじまってい
                  る。法律的なことなどを調べて、今インターネット協会など
                  ではじめたところである。
          (京都)  この件については、今日討論しきれない残りはMLで、
                  みんなで討論したい。
          (越谷)  さわっててうまく動かなくて、「怖いもの」という感じ
                  を持ってしまう。安心して使える環境が必要。メーカーに
                  頑張って欲しい。コミュニケーションもゲーム感覚ででき
                  るようにすると入りやすい。
                    「エアーウォリア」や「Habitat」のようなもの。
          (京都)  自分でキャラクタを作ったら、自分できっとウソをつく
                  と思う。
      (川崎総合)  だから面白い。お遊びの範囲なら、良いのでは。
          (凌雲)  パソコンはマニアックなイメージがある。インターネッ
                  トとかパソコンをもっとおしゃれにカジュアルにしたい。
                  インターネットカフェとかのように。
      (川崎総合)  校内にインターネットカフェをつくったらどうか。
          (小川)  みんながやりたい時にできる環境があることが大切。図
                  書館とか病院とか役場とかに置くようになれば良いと思う。
                  バーチャルリアリティがあっても良い。
      (川崎商業)  インターネットをやっているのは生の英語でやりとりで
                  きるのが楽しくてやってる。パソコンはわからない。
          (京都)  そういう人が多い。そういう人が触れる機会があるとよ
                  いと思う。
            (滝)  同窓会の案内を電子メールで出すといいという話があっ
                  たが、IDや機械を持ってない人にはできないし、もっと
                  機能は少なくてもいいので、家電みたいに気楽に出来る*
                  のが普及するといい。
          (越谷)  2〜3年後には、電話を使うかのようにインターネット
                  を使う日が来るかも知れない。きっと、分からない人でも
                  できるようになる。
            (滝)  できるためには、場所と教えてくれる人が必要。
      (川崎総合)  越谷の意見で、「だれでも簡単に緊張しないで使える」
                  というのは、良い面もあるが、電話と違って文章なので心
                  のなかまでは読めないし緊張感の持てる環境のままの方が
                  いいと思う。
            (滝)  相手がわからないままやるのもいいが、相手に会ってみ
                  て、相手が分かるようになって、通信手段としてつかう方
                  がいい。
          (京都)  誰でも簡単につかえるのはちょっとシャクだが、電話や
                  ポケベルみたいに普及した方がいい。インターネットと騒
                  がずに何気なく道具として使えるようになると良い。

          d)コメント(閉会にあたって)

            ・参加校教員
            (越谷)  楽しく聞きました。おじさんは情報の質として、TV
                    に慣れた人はTVから、雑誌に慣れた人は雑誌からとい
                    うふうに情報を得る。新しい価値感というのはさほど必
                    要としない。しかし、みんなには新しいものが必要だと
                    感じた。手段としてつかったり、楽しい目的だったり、
                    いろんなものが必要だと思った。やらされるのではなく、
                    主体的にやっていくことが大切。
        (川崎総合)  やはり教師としては「怖いな」というのが正直な気持
                    ち。古い人はすぐおいつかれる。帰ってみなさんが満足
                    してもらえる対策を考えたい。
        (川崎商業)  ここまで考えているとは驚き。ぜひ、これからも考え
                    続けていってほしい。
              (滝)  誰でもがいつでも触れる環境が良いと思うが、今みん
                    なが、がんばっている。しかし、ネットワークをささえ
                    る人材が不足している。君達のような優秀な人材が出て
                    くることが大切。校内でも、パワー不足。フォローしてく
                    れる人材がでてきてほしい。
            (京都)  松本君にとっても、こうして仲間の話が聞けたのはよ
                    かった。こういう「人のネットワーク」を大ことにしてく
                    ださい。
            (小川)  アートの問題というのがでていたが、確かに、そうい
                    うのがあると思う。
                      IDをつくったりするのが大変という話もあったが、
                    そういうところはメーカーのサポートを期待したい。
                      校内でも縦の関係を大ことにしようと思った。今回も1
                    年は結構使っているが、今日参加した生徒達はそれを知
                    らないというようなこともある。
            (凌雲)  話をしていく中でそれぞれみなさん触発されたと思う。
                    コミュニケーションをしたいためにインターネットを
                    使っていると言う話があったが、まさしく、テクノロ
                    ジーが人を支えているということである。
            ・来場者代表
                  今後もMLを通じて交流はつづけてほしい。
                  この交流も報告としてまとめて全国から見られるようにし
                たい。
                  インターネットは参加者一人一人が作っているものである。
                  いろいろな立場でインターネットを使っていって欲しい。

      (3)アンケート調査から
          a)アンケート項目
              ネットワーク・リーダーズ・キャンプ実施後に、参加校、来場
            者に対し、以下の内容についてアンケートを行なった。
              また、参加校には、本プロジェクト(自律的情報交換プロジェ
            クト)全体についてもアンケートを行なった。

            アンケート実施日:平成8年2月27日〜3月4日

            <参加校の生徒へアンケート>
              ・ネットワーク・リーダーズ・キャンプに参加して

            <参加校の教員へアンケート>
              ・ネットワーク・リーダーズ・キャンプについて
              ・自律的情報交換プロジェクト全体について
                −メーリングリストを通じて、生徒に見受けられた変化につ
                  いて
                −プロジェクト全体について

            <来場者へアンケート>
              ・ネットワーク・リーダーズ・キャンプについて
              ・高校生によるネットワークの活用について
              ・高校生のネットワーク利用における高校生の自律性を高める
                ために必要とされるものについて

          b)参加校の生徒へアンケート

            1. 今回の「ネットワーク・リーダーズ・キャンプ」全体のご意
                見・ご感想をお聞かせ下さい。

             (1)全体のご感想
                  期待通り‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  6
                  どちらとも言えない‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  1
                  期待はずれ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  0

              「期待通り」と回答された主な理由/印象:
                ・思った以上にいろいろな意見が出た。
                ・楽しかったし、勉強になった。
                ・実際に、会って親睦を深められて良かった。
              「どちらとの言えない」と回答された主な理由/印象:
                ・参加前はどの様なものかいまいちわかっていなかった。

             (2)開催期間について
                  ちょうど良い‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  5
                  短い‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  2
                  長い‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  0

              「短い」と回答された主な理由/印象:
                ・少し忙しかった。
                ・丸2日分くらいの時間は欲しかった。
       
             (3)開催日について
                  時期が悪い‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  5
                  ちょうど良い‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  2

              「時期が悪い」と回答された方は、いつ頃が良いでしょう?
                ・8月(夏休みなど長期の休み)
                ・10月
                ・2月頃

             (4)その他気付いた点を、自由に記述してください。
                ・キャンプに参加していない高校の意見も聞いてみたい。

            2. 今回のキャンプにおけるカリキュラム内容お聞かせ下さい。
                  参考になった‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  4
                  大変参考になった‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  3
                  あまり参考にならなかった‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  0

            3. 今回のキャンプで特に印象に残っているカリキュラムはどれ
                ですか?

             (1)また、どのような印象が残りましたか。
               (a)情報基盤センター施設見学(1日目)‥‥‥‥‥‥  3
                  ・設備が素晴らしい、そこを使って勉強したい。
                  ・すごい。
                  ・日本の最先端ていうのは伊達じゃないなぁ。

               (b)ONYX(人体ウォークスルー・幾何公園)デモ(1日目)
                                                         ‥‥  5
                  ・これを使えば、デザイン試作を作らなくてもいいと思う。
                  ・バーチャルリアリティみたいで興味を持った。
                  ・一般の家庭にも普及するといいと思う。
                  ・情報産業という新しい分野を知る上で、必要なものを感
                    じた。

               (c)自己紹介/活動報告(1日目)‥‥‥‥‥‥‥‥‥  4
                  ・みんなの性格が分かって良かった。
                  ・他校の活発な活動報告を聞いて尊敬した。
                  ・参考になった。緊張した。
                  ・各校の様子がうかがえて面白かった。

               (d)討論会(前半)(2日目)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  4
                  ・意見を出すだけで、それについての討議が無かった。
                  ・気楽に意見が言えて良かった。
                  ・話が良く展開していた。

               (e)講演(後藤滋樹氏)(2日目)‥‥‥‥‥‥‥‥‥  6
                  ・分かりやすかった。
                  ・インターネットはすごいと感動した。
                  ・キャンプの中で1番良かった。印象に残った。
                  ・自分の知らないPCの使い方を知った。
                  ・面白かった。いろいろ興味深い話も聞けたから。
                   (ポインタの思想か。とりあえず、人脈を作ろう)

               (f)討論会(後半)(2日目)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  4
                  ・いろいろな考えを知った。
                  ・もっと話をしたかった。
                  ・脱線ばかりで、盛り上がりに欠けた。
                  ・面白かった。

             (2)今回のキャンプで、特に印象に残った部分、参考になった部
                分、参考にならなかった部分、またその理由などについて、
                お聞かせ下さい。
    
                ・とにかく、討論会と講演会が良かった。インターネットが
                  より身近に感じられた。
                ・自分なりにインターネットの可能性が見えてきました。
                ・情報基盤センターの見学も印象に残ったけれど、一番印象
                  に残ったのは、後藤滋樹氏の講演が一番印象に残った。情
                  報関係の講話は、はじめて聞いた。ぼくは、インターネッ
                  ト(特に電子メール)をしはじめて一、二ヵ月間だったの
                  で、分からないこともあったけれどかなり勉強には、なっ
                  たです。講話の結論のところでリーダー(分かっている人)
                  のことについてあったが、私は、まだまだだけれどネット
                  ワーク・リーダーズ・キャンプなどでこれからいろんな経
                  験をつんで、分かっている人になりたいです。
                ・慶應大学湘南藤沢キャンパスの見学ではよく意見が分から
         なかった。(私が無知なため)また、大人が前に出ていた
         のでよく見えなかった。
                ・インターネットに対する考えや、接し方が似ていたので正
                  直なところ驚きました。
                ・研究課題としての利用がほとんどだったので、他校の活用
                  方法を知ることは非常に参考になりました。
                ・いろいろな人と会えて、大変楽しかった。
                ・自分自身を再確認できた。(かなりのマニアかなぁ)

            4. 今後のキャンプで、取り上げたら良いとお考えの内容があり
                ましたら、お聞かせ下さい。
  
                ・技術的な講座や、ネットワーク上でのグラフィックのお話
                  など
                ・インターネットのことには、あまりくわしくないから取り
                  上げたらいい内容ということはわからないが、今度あると
                  きには、外国の学生といしょに、やってみたい。ぼくが、
                  日本人だから、日本人のいうことは、だいたいわかるが、
                  外国の学生は、何を考えているのかわからないので、一緒
                  に討論とかをやってみたい。しかし、話せる言葉は、日本
                  語しか話せないのが欠点だ。
                ・高校生の意見だけではなく100校プロジェクトに参加し
                  ている小/中学校などの意見を聞いてみたいと考えていま
                  す。その他、インターネットにこだわらず、これからの
                  「マルチメディア」についても討論したいと思います。  
                ・いかにインターネットの有効性を伝えるか、又、情報産業
                  にどう参加すべきなのかといったテーマもあると参考にな
                  ると思います。

            5. その他ご意見・ご感想などがありましたら、お聞かせくださ
                い。  
          
                ・もっとこういう企画をやって欲しい。
                ・討論会を各一つのテーマにしぼって掘り下げた方が、脱線
                  しなかったのではないでしょうか。
                ・私はマッキントシュのユーザーなので、出すに出せない話
                  があった...かな?と思っています。
                  畑の違う(学科など)人たちの生の声を聞くことは、自分
                  がインターネットを他の人たちに教える為にも必要だと感
                  じました。
                  今の情報産業は開かれたシステムの様に聞こえますが、個
                  人単位ではまだ閉じられている様に感じます。そういった
                  面で、今回のイベントは非常に意味があったと思います。
                  また今回の様に全国レベルでなく、地域単位での交流会を
                  含め、生徒同士が参加できる機会が増えることを期待しま
                  す。
                  私は3年でもうすぐ高校を卒業ですが、今回のキャンプの
                  成果を後輩や先生達に伝えて、わが校のインターネットへ
                  の活発な参加に協力していこうと思います。

          c)参加校の教員へアンケート

          【1】ネットワーク・リーダーズ・キャンプについて

            1. 今回の「ネットワーク・リーダーズ・キャンプ」全体のご意
                見・ご感想をお聞かせ下さい。

             (1)全体のご感想
                  期待通り‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  6
                                            (うち3件が「期待以上」)
                  どちらとも言えない‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  1
                  期待はずれ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  0
              「期待通り」と回答された主な理由/印象:
                ・素人の生徒の意見を聞くこともできた。
                ・予想以上に生徒が発言していた。
              「どちらとも言えない」と回答された理由/印象:
                ・もう少し時間があれば、もっと内容が濃くなったと思う。

             (2)開催期間について
                  短い‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  6
                  ちょうど良い‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  1
                  長い‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  0
              「短い」と回答された主な理由/印象:
                ・2泊3日ぐらいの日程が良かった。
                ・移動の時間を考えると、短い。
              「ちょうど良い」と回答された理由/印象:
                ・長くなると話が尽きるので、ちょうど良い。
      
             (3)開催日について
                  時期が悪い‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  6
                  ちょうど良い‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  1
              「時期が悪い」と回答された方は、いつ頃が良いでしょう?
                ・時間がとれる夏休み、冬休み、又は連休等がよい(3年生
                  が主体で活動していると、進路の問題と重なるから。etc)
                ・2月頃

             (4)その他気付いた点を、自由に記述してください。
                ・招請状や保護者宛参加承諾書等の発送準備は遅くても、2
                  週間前にする必要がある。
                ・開催場所を持ち回りにすると面白いのでは。
                ・開催期間がもう少し長ければ、先生方の意見交換もできた。
                ・成果発表とリーダー育成を兼ねていると考えると、各学校
                  から2年生と3年生が参加できれば良かったと思う。
                ・MLの立ち上げが遅かったように思う。生徒の間で十分な
                  話し合いができなかった。個人間でのやりとりに終始して
                  いた。
                ・生徒の県外遠征は教育委員会への届け出が必要なため、公
                  文書の発送はせめて10日前にして欲しい。

            2. 今回のキャンプにおけるカリキュラム内容全般についてご意
                見・ご感想をお聞かせ下さい。
                  満足‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  7
                  非常に満足‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  0
                  不満‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  0

            3. 今回のキャンプにおけるカリキュラムそれぞれについては、
                いかがでしたか。また、どのような印象が残りましたか。

             (1)情報基盤センター施設見学(1日目)
                  良い‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  5
                  どちらとも言えない‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  2
                  良くない‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  0
              「良い」と回答された主な理由/印象:
                ・最新鋭の設備で、説明も良かった。
                ・生徒に最先端の設備を見せることができて良かった。何か
                  を感じてくれると思う。
              「どちらとも言えない」と回答された主な理由/印象:
                ・基盤センターは、創造していたものとはずれていた。
                ・ゆっくり見たかった。
                ・体験したい。

             (2)ONYX(人体ウォークスルー・幾何公園)デモ(1日目)
                  良い‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  6
                  どちらとも言えない‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  2
                  良くない‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  0
              「良い」と回答された主な理由/印象:
                ・興味を持って見ることができた。面白かった。
                ・グラフィックに興味のある生徒には、最高である。
                ・迫力のあるデモで、説明も良かった。
              「どちらとも言えない」と回答された主な理由/印象:
                ・実写に近い表現ができると思っていたので、残念。

             (3)自己紹介/活動報告(1日目)
                  良い‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  6
                  どちらとも言えない‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  1
                  良くない‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  0
              「良い」と回答された主な理由/印象:
                ・後半のきっかけとなり、良かった。
                ・みんな本音で話をして、良かった。
              「どちらとも言えない」と回答された主な理由/印象:
                ・基盤センターにではOHPよりは、WWWが見られる環
                  境があってもよかったのでは?
                ・活動報告は、先生の指導がもっと必要だった。

             (4)夕食後の交歓会(1日目)
                  良い‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  3
                  どちらとも言えない‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  2
                  良くない‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  2
              「良い」と回答された主な理由/印象:
                ・ホテルのリッチな食ことは、生徒にとっては良かったと思う。
                ・交流が深まったことで、翌日の討論に良い影響がでた。
                ・教師がいない環境で、話し合ったり雑談したりすることは、
                  交流を深める意味で、とても良い。
              「どちらとも言えない」と回答された主な理由/印象:
                ・もっと良い方法があるはず。生徒の交歓会は良く分からな
                  いが、先生の交歓会は、夜中に話した時の方が良かった。
                  (数名の先生と)
              「良くない」と回答された主な理由/印象:
                ・生徒の交歓会の場所と時間をしっかりと決めた方が良い。

             (5)討論会(前半)(2日目)
                  良い‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  7
                  どちらとも言えない‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  0
                  良くない‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  0
              「良い」と回答された主な理由/印象:
                ・司会の松本君が頑張った。
                ・活発に意見が出ていて、良かった。
                ・討議に柱を持たせたことで、生徒が重要に感じていること
                  が明確になった。

             (6)講演(後藤滋樹氏)(2日目)
                  良い‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  6
                  どちらとも言えない‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  1
                  良くない‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  0
              「良い」と回答された主な理由/印象:
                ・意義ある話で、とても良かった。
                ・子供のレベルに合わせた話題、提言で討論会の大きな参考
                  になっていると思う。
              「どちらとも言えない」と回答された主な理由/印象:
                ・話が抽象的すぎて難しかった。ネットの裏側の泥臭い具体
                  的な話が聞きたかった。

             (7)討論会(後半)(2日目)
                  良い‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  6
                  どちらとも言えない‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  1
                  良くない‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  0
              「良い」と回答した主な理由/印象:
                ・各校生徒の積極的で自由な意見交換は大変素晴しかった。
                  生徒の姿がたのもしく見えた。司会者の腕が光った。
                ・後藤先生の解説が分かりやすく、良い討論会だった。
                ・生徒が自主的に進めていた。
              「どちらとも言えない」と回答した主な理由/印象:
                ・話題が高級で、先生が求めているロジックに当てはめよう
                  として、議論が空回りしていた。

            4. 今回のキャンプで、特に印象に残った部分、参考になった部
                分、参考にならなかった部分、またその理由などについて、
                お聞かせ下さい。

              ・やはり「討論会」に尽きるのでは。初顔合わせにも関わらず、
                こんなに生徒達が躊躇せず討議ができるのかという驚き、的
                確な問題把握、優れた問題意識等々上げたらきりが無い。
              ・地域の交流をこのような形態で行えるという具体的なものを
                見せていただいたような気がいたしました。今回引率した生
                徒は比較的内気な子を連れていきましたが、あれだけ、発言
                などに参加できたことは驚くべきことと考えております。
              ・ONYXはめったに見れないものということで印象に残りました。
                あのスピードは驚異的でした。後藤先生の「ネットワークは
                社会工学」の講演はネットワークを教えているものにとって
                は大変参考になりました。

            5. 今後のキャンプで、取り上げたら良いとお考えの内容があり
                ましたら、お聞かせ下さい。

              ・次回(?)のキャンプでもやはり施設見学と講演は大きな意
                味合いをもつと思う。候補としては、例えばNTTの研究所
                見学や複数の専門家、関係者との意見交換講義などが考えら
                れる。
              ・(1) 具体的なテーマに関して、共同作業ができたら、おもし
                    ろそうです。たとえば、Science、水ロケットを共同作
                    成したら...どうでしょうか?
                (2) 国会議員を交えた政治討論会にしたら、どうでしょうか?
                (3) ノーベル賞候補クラスの学者さんとの交流を通した自分
                    の人生の方向付けというのは、どうでしょうか?
              ・MLを拡張していけば、NetNewsにつながっていくので、
                NetNewsの管理者のお話を聞かせたらおもしろいのでは、と
                思いました!
  

          【2】自律的情報交換プロジェクト全体について

            1. メーリングリストを通じて、生徒にどんな変化が見受けられ
                ましたか?
                具体的こと例があれば、それもご記入ください。

              ・大変大きな変化が見られた。
                1.生徒自身、大変積極的になったこと。
                2.問題意識をもてるようになったこと。
                (他人ごとで片付けなくなった、参加意識が増した)
                3.表現能力が豊富になった。
                4.論理的な思考を急激に身につけた。(ブラシュアップした)
                5.他人の意見を良く聞くようになった。
                (よく発言するようになった)
                6.人の立場に配慮するようになった。
                (他人の良い面、悪い面を参考にしている。)
                7.問題解決意識が育った。
                (僕もやらなければという意識ができた。)
              ・やはり、電子メールをもっと積極的に打とうという動き、そ
                して、将来にわたって、インターネットをいかに利用すべき
                かという動機付けができた思います。(具体的には、生徒2
                名の感想文に充分反映されているものと思われます。)
              ・estontaが始まり、積極的に外への交流を求める生徒が増え
                た。校内のメーリングリストは停滞気味でしたが、estonta
                宛の一通のメールにたくさんの返ことがくることによって、
                メールの楽しみが増え、自ら発言する(メールを書く)生徒
                が増えてきました。顔も知らない相手へメールを出すことで、
                メールのマナーを考える生徒。読みやすい書き方、スマイ
                リー、いきなりの突飛なジョーク、署名のつけ方、自分が受
                け取ったメールから、様々なことを学びメールを書いている
                ようです。
              ・NLCの前は何となく雰囲気がつかめずにいたようであるが、
                NLCを行ったことですんなりと仲間意識が芽生えたようで
                ある。
  
            2. プロジェクト全体について、ご意見・ご感想などがありまし
                たら、お聞かせください。  
          
              ・ともかく無ことに終わってよかった!!(ほっ)
                子ども達の適応能力の高さには閉口した。(お見こと!!)
                僕ら教員もしっかりしないとすぐに(ほんとに)追い越され
                る。
                ガンバロウ!!
              ・一言で言って、やってみてこのプロジェクトの価値が分かり
                ました。できれば今後、同様な企画が各地域、そして、定期
                的に行われることを、期待いたします。(というより、現在
                たちあげている東海の地域Communityでも、同様なことを試
                して、海外と同様な企画を考えていきたいものです。)
              ・まだまだ、可能性を秘めたプロジェクトだと思います。継続
                して取り組んで行きたいものです。ぜひ、第2回NLCを!
              ・全体に遅れが目だったものであったような気がします。やは
                りもう少し長い期間があれば変化もあったように思います。
                また、1、2年生の参加がもう少し多ければと思いました。
              ・どの時点でプロジェクトに参加するかで趣旨の理解度が異
                なっていくようです。同じことがMLでも言えます。まして
                や、生徒同士のMLのことですのでホームページを制作させ、
                趣旨を読ませ、理解させた上で、賛同する人にはそのページ
                からMLに参加させていく方法をとっていった方が良いかと
                思います。生徒によるホームページとMLの並進が効果的な
                運用になりそうな気がします。意識のずれが一番混乱の元に
                なりそうだと感じましたので。
              ・贅沢かもしれませんが、今後は地区ごとに同じようなNLC
                を開催し、もっと全国規模でMLの運用意識を高めさせてい
                く必要があると思いました。
              ・高規格機器の貸し出しなども考慮をして頂きたいと思いまし
                た。せめて、地域NOCあたりにでも置いてもらえれば有り
                難いかな!
              ・是非、今年の卒業生をOBとして継続してプロジェクトに参
                加できる方向での検討をお願いします。
              ・せめて年に1回は本NLCの企画が続いていったら良いです
                ね。
          d)来場者へアンケート

            1.ネットワーク・リーダーズ・キャンプという企画についての
                意見/感想をお聞かせ下さい。

              ・高校生が今後、活発にネットワークを活用する足場作りとい
                う感じ。
              ・こういった形で、プロジェクトのフィードバックできるチャ
                ンスを作るのは非常によいと思います。ものを作るといった
                形式ではないだけに、成果を表しにくいものです。生徒たち
                も張合いがあるのではないでしょうか。
              ・企画として大変意義深いと思います。ネットワークを使って
                コミュニケーションが促進されるのはこと実ですが、今回の
                face to faceの集会で交流が深まったのは確実です。
              ・大変素晴らしいことだと思います。いつもは、自分の地域の
                生徒同士くらいでしか交流がもてないのに、普段からメール
                で交流し、意見交換をした上で、直接会うことの意義は大き
                いと思います。
                将来的な話だとは思いますが、このような企画が、高校生が
                自主的に、大人がほとんど入らずにできたらなお素晴らしい
                と思います。
                金銭的なことなど問題は多いと思いますが。また、今回は学
                校にインターネットが入っていて、さらに限られた高校生し
                か参加できていなかったと思います。しかし、実際は、パソ
                コン通信その他でネットワークを活用している高校生も多い
                と思われるので、そのような高校生も参加できれば良いなと
                思います。
              ・All the students did a marvelous job.  I guess
                this was the very first meeting for high school
                students in Japan to get together and talk about 
                the use of the Internet. It was great to know the
                students' ideas about how to integrate the 
                functions of the Internet into classrooms.
              ・面白かったです。最初は、「ネットワークのリーダー」の
                キャンプと聞いて、名前がちょっとうさんくさいなあと思い
                ました。中身に関してはすでに話を聞いていましたから、心
                配しませんでしたけれど。実際、今後続ける場合、このまま
                の名称では誤解を招くのではないかと心配します。指導者と
                いうよりは、むしろ、結晶が大きく育つための核を集めたよ
                うなものであると考えた方がよいのかもしれない。
              ・学校というわくを超えて、何かが生まれるというパワーを感
                じました。地方の高校生にとって、慶応藤沢キャンパスのよ
                うな場所にいけるのはいい機会だったと思いますし、顔を会
                わせないコミュニケーションには限界もあるでしょうから。
                しかし、2日間というのは 少し短い気がするのです。金銭
                的なこともあるかもしれませんが、もう少し長かったらなあ、
                という気もしました。(最後の方、せっかくのってきたの
                に短いという感じで)
              ・優秀で自主性ある高校生を大人と対等の場でディスカッショ
                ンさせたことは、とかく保守的・閉鎖的な高校教育に風穴を
                あけたものと評価できる。但し、古い考えの先生の反発を買
                わないよう謙虚な根回しが必要。
              ・大人と違った発想が聞け、今後の製品開発の参考にしたい
                (メーカとして)。
              ・今回、初めての試みであり、実施にあたり、先生方および関
                係者の方に大変お世話になりました。企画段階において、正
                直不安もありましたが、生徒さんたちの活発な意見交換を聞
                いていて、今後教育現場において、インターネットを普及さ
                せるためには、このような生徒さん向けのセミナーを実施す
                る必要を強く感じました。
              ・情報ネットワークでのみの関係から更に充実したコミュニ
                ケーションを図ることができ意義が大きいと考える。オフラ
                インミーティングにより、オンラインネットワークのコミュ
                ニケーションもよりスムーズに推進できるようになると期待
                できる。
              ・これまで、電子ネットワークは人間同士のネットワークとし
                て発展してきたものであり、それなしにいきなり大海に放り
                出されると不自然なことが多く発生します。特に、高校生た
                ちには、このような電子ネットワークと実際のコミュニケー
                ションの違いを感じとることが大きな意味をもつことと思い
                ます。
              ・聞かせていただいた側から言わせていただくと、先生が活用
                についてお話されるのを聞く機会は比較的あるが、実際に
                使っている生徒さんから話を聞く機会はあまりないので、と
                ても興味深かったです。参加された生徒さんにとっても、
                メールなどのインターネット上での交流だけではなく、今回
                のように直接顔を合わせて一度話をしていれば、今後の交流
                をする上で話もしやすくなる良い機会だったのではと思いま
                す。今後、より深い交流が行われるといいなと思います。
              ・生徒たちが、ネットワークの中で会話をしているのと、ある
                場で顔を突き合わせて会話をすること(何らかの制約を受け
                ない場合と受ける場合)の違いを感じることができたなら、
                このようなキャンプの意味は十分にあると思う。(もしかし
                たら生徒たち(子供たち)にとって、制約などというものは、
                ないのかも)

            2. ネットワーク・リーダーズ・キャンプにおける生徒の討論に
                ついてどうお考えになりましたか。

              ・討論会には出ませんでしたが、一日目の感じでは、本音で話
                していておもしろく感じました。
              ・よくインターネットを使っていると思います。それぞれ目的
                は違っているところも興味深いです。私などは、インター
                ネットが研究対象であり、かつ、仕ことのための道具でもあり
                ます。生徒にとってコミュニケーションの道具であったり、
                自己表現の道具であったり(WWWなど)、しかも、お互いに
                それを理解し議論を進めていたと思います。
                ただ、彼らはインターネットの中にいて意見をいっている、
                使うためにどうしたらいいかという内側からの視点、同じ高
                さの目線でインターネットを見ていると思います。
                私たち大人は一歩ひいて見ているので、生徒がどこまで実力
                をつけているか、インターネットをどうとらえているかを客
                観的に評価し、まだインターネットを使っていない学校への
                提言としてまとめていく必要があると思います。
              ・一口でいえば、既に討論の内容がインターネットの世界で大
                人が国際的に問題としている点に到達していると思います。
                これは驚嘆すべきことでした。なお一つだけアドバイスがあ
                ります。熱心な生徒から「インターネットが大衆化するので
                誰でも使えるようになるが自分にとってはつまらなくなる」
                という趣旨の発言がありました。これに対しては、インター
                ネットというのは決して一つの宗教のように一様なものでは
                なく、種々雑多なネットワークが相互に接続されたものなの
                だ、ということを強調したいです。熱心な生徒が活躍する場
                はむしろ拡大するでしょう。これからは君達の時代だ。
              ・全体的には積極的な討論が行われたと思いますが、意見をい
                う人が限られていたり、まだ場の雰囲気や話し合いに慣れて
                いない気はしました。しかし、司会の高校生が場をうまくま
                とめ、皆さんの意見を引き出していたと思います。話し合い
                の内容については、SFC などで行われていた100校の担当
                の先生方の話し合いと、出てくる話題がとても似ていたと思
                います。先生方の話を高校生に当てはめたような話でした。
                高校生のネットワーク、コンピュータに対する考え方、取り
                組み方、などが先生方と同じようにいろいろあるのだなと感
                じました。ネットワークやコンピュータを知らなくてもメー
                ルは使っている生徒や、逆にコンピュータにも詳しく活用し
                ている生徒がいたりということが印象的でした。行政や企業
                などにも問題を投げかけてみたりと話題は多岐に及び、高校
                生の思いがひしひしと伝わってきました。
              ・Girls were far more powerful than boys.  
                Wake up, boys!
              ・時間が短かったので、十分に展開できないところもあったと
                は思いますが、おとなしそうな人たちがずいぶん活発に議論
                していたのにびっくりしました。一日目に残念ながら参加で
                きなかったので、どのように親しくなっていったのかはわか
                りませんが、ずいぶん親しそうにしていたので驚きました。
                議論の内容についても、私たち大人が今問題だと考えている
                点をちゃんと取り上げていること、また、一つの見方に固ま
                るのではなく複数の論点をわかっていたことなどに驚きまし
                た。メーリングリストでの議論を見ていないのですが、会わ
                ないときにも(メールだけで)同じように活発に議論できて
                いたのでしょうか。それとも、実際に会ったからこそ議論が
                活発になったのでしょうか。そこにも興味があります。
              ・高校生はネットワークというものを、理屈でなくて、体とい
                うか、自分の体験という中で確実にものにしているのだなあ
                と実感。たいしたもんだなーと、末恐ろしいまでに感じた。
                高校生に大学院生や先生方が真剣に質問しているのを見て、
                「インターネットの世界では、年齢や肩書きなどは関係ない」
                といつか聞いた言葉が、現実として目の前に広がっているこ
                とに感動した。
              ・生徒諸君の発言量に相当差があった。内容的には大変良いも
                のだったが、この差は本人達の資質なのか予め与えられた情
                報量の差かがちょっと気になった。
              ・パソコンはインターネットを行う道具と考えており、イン
                ターネットは情報交換の場と考えている様に思われた。生徒
                のユニークな発想(国際パソコン?)も聞けた。
              ・生徒さん同士の前向きな意見交換には、時には、辛辣な表現
                もありましたが、大人にはない斬新なアイディアが多く、非
                常に感心させられることが多かった。
              ・1)個人的な関心や、問題に終わらず、巾広く考えようとす
                    る態度に感心した。討論のテーマをコーディネータから
                    まず説明させてもよかったかなと思う。
                2)女子生徒上位(発言数など)なのは、時間が限られてい
                    たからかもしれない。
              ・それぞれが、異なる立場や視点から意見を述べ、またお互い
                それを尊重していたのが感じられて大変興味深く拝見しまし
                た。また、セキュリティの問題など重要な問題に本質的かつ
                素朴な疑問を出していたのが印象に残りました。
              ・生徒さんが、それぞれの立場で本音の話ができたのではない
                かと思います。一日目の活動報告では、表面的な話だったも
                のも、討論していくうちに具体的に、また、「かっこをつけ
                ない」話になっていった気がします。生徒さんが運営をすす
                めていく形式で、上手く意見交換が行われたのはすばらしい。
              ・生徒たちにとって、他校の生徒との交流することは、新しい
                刺激があり、大変よい企画だと思います。討議の中で、「海
                外の人とアクセスができる」などの利点、「初心者向けの環
                境、環境設定のできる管理者不足、プライバシーの侵害」な
                どの問題が挙がっていたが、ネットワーク利用で、大人も生
                徒(子供)も同じようなことを感じているんだなあと思った。

            3. 高校生にネットワークをどのように活用して欲しいか、期待
                するものは、何でしょうか。

              ・新しい道具として活用してほしい。これまでの情報収集とは
                範囲が格段に広がるように活用してほしい。時間と場所の制
                限を越えた人間交流をしてほしい。
              ・とにかく人とコミュニケーションがとれる道具であり、生活
                の一部であってほしいと思います。そして、人脈を得ていっ
                て豊かな人間関係をつくって欲しいと思います。海外主張し
                て友達になった人とメールのやりとりがあります。次に何か
                のチャンスに会う時まで、そのコネクションが途切れないと
                いうのは非常に重要です。
              ・ネットワークは人間の気持を伝えることが出来るものだ、と
                いうことを多くの高校生に理解して欲しい。
              ・先生の押しつけではなく、ネットワークが決して特別なもの
                ではなく、ふつうの道具として使えるようになって欲しいと
                思います。
              ・I hope through the use of the Internet high 
                schools students will be able to communicate with
                people inside and outside of Japan, broaden their
                perspectives, develop critical thinking, and
                think what they can do as a world citizen.
              ・小学校が自我を確立するまで、中学校で基本的な社会的スキ
                ルを身につける、と考えると、高校時代は、現在までのとこ
                ろ、その意味付けが一番わかりにくくなっているように思い
                ます。しいていえば、大学受験のための期間でしょうか。し
                かし、それはあまりにばからしい。今回の参加者の議論では、
                インターネットを使って自分の興味のあることを調べること
                ができたこと、そしてそれが趣味に留まらず、大学やその後
                の進路に関する情報を得ることができたことなどが話されて
                いました。このように、高校時代を未来につなげるための
                チャンネルとしてネットワーク使って欲しいと思います。も
                ちろん、コンピュータのネットワークだけでなく、人間の
                ネットワークもですが。
              ・彼らのような、リーダー的存在の高校生がさらに仲間を増や
                していくこと。(学内、学外問わず)閉ざされた学校という
                空間を飛び越え、活動することで教育を当こと者の学生達から
                活性化させてほしい
              ・優秀な生徒がより進んだ情報を収得し、かつ優秀な生徒間の
                学際交流。現在の高校教育はやや悪平等で一部の生徒に足を
                引っ張られ良い資質を伸ばし損なう危険がある。インター
                ネットが予防の一助になると良い。
              ・情報コミュニケーションの一手段として活用し、国や地域を
                越えた生の情報収集にしてほしい。
              ・パソコンに精通している生徒さんたちだけでなく、目的意識
                をもった生徒たちが、身近な道具として利用することを期待し
                ます。
              ・ネットワークはコミュニケーションの道具であり、世界規模
                での道具なので、よりグローバルな感覚を身につけられる活
                用を期待したい。
              ・例えば新しいコミュニケーションメディアとしてポケベルや
                FAXが受け入れられたように、自分たちなりの身近なメディ
                アとして活用をして欲しい。そのような中で誰も考え付かな
                かったような新しい利用形態を見つけ出してくれることを期
                待します。
              ・自己表現やコミュニケーションの便利な道具として使ってほ
                しい。生徒さんたちの討論の中にもありましたが、「イン
                ターネット」と特別視せずに、電話やポケベルのような存在
                になればいいですね。そういうのをうまく使って、人と人と
                の関係を豊かにしていってほしいと思います。
              ・まずは、自由に活用して欲しいと思う。ネットワークがもつ
                特徴であるインフォーマルな場で、情報の遣り取りを行い、
                色々なことを吸収して自己を成長させて欲しい。そして、期待
                というよりは、希望であるが、討議のなかで、「おばさんに
                インターネットを知ってもらう必要があるか?」という発言
        があった。これからの社会は、必要とする情報を的確な手段
        で入手できることが必要とされてくると思う。ネットワーク
        も情報を取得する一つの手段であり、生徒たち、全ての子供
        たちには、ネットワークを身につけてもらいたい。

            4. 高校生のネットワーク利用における自律性を高めるために何
                が必要とされていると考えますか。ハードウェア/ソフト
                ウェア/学校の環境/その他などについての視点、教師に必
                要とされるもの、学校に必要とされるものについての視点な
                どから述べて下さい。

              ・先生が生徒を信用して、自由に行動させること。困ったとき
                に相談にのって上げること。
              ・学校で使える環境と学生が自分のお金で買える程度のパソコ
                ンがあればいいと思います。学校では先生から教わったり、
                実習したりするのに必要ですが、それだけでは足りません。
                個人的なメールはやっぱりpublicなところでは、書きたく
                なかったりします。だから家で使えるパソコンがあるといい
                と思います。ゴルフ道具やスキーと一緒で最初ぼろぼろでも
                自分で買って一所懸命使うと次に新しい高機能のものが欲し
                くなる。そのモチベーションを阻害しないようなacademic
                discountが必要ではないでしょうか。
                あと、教師は生徒のEmailに応えてあげる程度の時間と技術
                が必要です。
                最初、メールの返ことがくるかこないか…これがインターネッ
                トを使い続けるか続けないかの境のように思います(自分の
                経験より)。
              ・やはり現段階ではパソコンの台数を増やすのが肝要かと思い
                ました。インターネットの特質の一つはパーソナルな面にあ
                ると思うからです。その意味では、今後のパソコンの低価格
                化、Linux のような軽いオペレーティング・システム、さら
                には(これが一番重要)高校の現場から生まれるであろう新
                しい応用、に期待するところが大です。
              ・十分に整備され、自由に使える環境と適切なアドバイスは、
                力を伸ばすと思います。インターネットを使うためのハード
                ウェアについては、今の状態では学校になじまないと思いま
                す。ブラックボックス化をはかり、遠隔管理が出来るように
                するなど、先生が内容を考えることだけに集中できるように
                しなくてはならないと思います。
                ソフトウェアについても、学校で必要とされている機能を
                持ったものが少ないと思います。メールアカウント発行する
                ときなど、大量に同じような操作を要求され、それを手作業
                でやっていくのは現実的でないと思います。また、インター
                ネット用のソフトはたくさん出回っていますが、例えばリア
                ルタイムで議論をしたり、同時に投票を集計したりする機能
                を持ったソフトなど、ネットワークを生かしたソフトをあま
                り見ないと思います。
                これらのソフトは校内LAN の中でも使えるようにしたりと、
                インターネットを使う前段階でのソフトも必要かと思います。
                ネットワークは、使わない人にとっては理解しがたい環境だ
                と思います。電話と同じような感覚になるための環境の整備
                が必要だと思います。とりあえず、先生方の理解が必要かも
                しれません。高校生と関係ない話で申し訳ないです。
              ・Whenever you start to do something new, I think 
                what you need is creativity, imagination, and 
                courage. Students don't really need the best 
                computers or the best technology, or the best 
                teachers, all they need is how much they can 
                create something new and exciting by their 
                imagination and courage.
              ・具体的に必要とされる設備や人材などいろいろありましょう
                が、一番必要なのは評価のための視点を柔軟にもつことでは
                ないでしょうか。たとえば、大学受験の場合は大学のレベル
                や偏差値、一芸に秀でるといえばスポーツなど、きわめて硬
                直した評価システムが存在しています。インターネットも、
                現状では、「時代に乗り遅れる」「流行」「就職に有利」な
                どのきわめて一元的な価値観のもとに導入されている側面が
                多いように思います。高校生に限らず、自律的にネットワー
                クを利用していくためには、そうした一元的な価値観から離
                れて、自由に自分たちが信じる信念を追求できるようになっ
                ていることが望ましいと思います。現在の受験戦争の中では
                難しいことかもしれませんし、教師の管理的な観点から考え
                ても難しいことだろうとは思いますが。
              ・コンピューターが自由に使える環境。
                サポートできる教師の存在。(現状では詳しい先生がいない
                ところでは無理そうですし)そしてより大きな輪にするため
                には、学校側にも教師を勉強会に派遣するとかそういった体
                制が必要になってくるのではないでしょうか。(熱心な先生
                がいない学校に、もしかしたらむちゃくちゃすごい高校生が
                いる可能性もアリでしょう)
              ・高校教育においてレベルの巾を持たせ、義務教育同然の生徒
                と、真に意欲ある生徒を分けて指導していくことが大切と思
                います。一部の先生方にある安全第一の管理強化について行
                政・学校幹部一体となって是正することがその根幹にあると
                思います。
              ・教育用パソコンの使われ方がなかなか浸透しない(特に普通
                高校)なか、学校現場でのネットワーク利用は大いに価値が
                あるものと思われる。100校プロジェクト以外の学校にも
                回線費用の予算化(各自治体)を行っていただき、学校間の
                格差をなくしてほしい。
              ・100校プロジェクトによって、一部の学校にはハード環境/
                利用環境が、整備された。今後、普及されるためには、
                ・回線使用料の問題
                ・学校という市場におけるプロバイダー加入の問題
                ・公立と私立における導入のための予算補助の問題
                などが、考えられる。
                活用方法を明確にするとともに、上記3点についても、今後
                の解決策が望まれる。
              ・1)コミュニケーションの道具として特別な意識を持たずに、
                    例えば、電話やFAXと同じ感覚で使用できる環境を整
                    える必要があると思う。
                2)ハード/ソフト等インフラは、より高機能で安価なもの
                    が提供されて来る。学校への導入も確実に広がっていく
                    と思われるので、生徒主体の活用機会を増やすことと先
                    進的な利用のこと例実態を知る機会を増やすことが有効と
                    考える。
              ・やはり自律的な活動を行なえる前提としては、安定したメ
                ディアである必要があると思います。セキュリティが保証さ
                れること、安価に入手できること、公衆電話のようにどこで
                もアクセスできること、システムがrobustであること、など
                が必要な条件でしょう。これに比べると、マルチメディア機
                能など高機能なハードソフトの必要性や優先度は、高校生程
                度以上ではむしろ低くなると思います。
              ・自由にいつでも使える環境と、自由に交流していても、(環
                境的なもの、例えば操作などから、交流の内容にいたるまで)
                困ったときに気軽に相談できる先生と生徒の関係が、普段か
                らあること。
                また、「自由に使っても、そう簡単には、壊れたり問題が起
                きたりしないよ。安心して使っていいよ。」と生徒に言って
                あげられるハード・ソフト。(こういうのを作っていく必要
                があるんですよね。メーカーは。)
              ・誰でも使えるハード/ソフト、もしくは、壊れてもすぐに修
                理される環境、生徒が自由に使える環境、生徒を信頼する教
                師、自律性を生み出す学校環境が必要だと思う。
  

2.3  教育面での効果・課題に関する調査 


      将来的にインターネットが、広域ネットワークにおける学習支援環境を
    実現するとしても、その根底において必要とされるのは人間同志の信頼関
    係である。そういった人間関係をどう構築していくかが、これからの情報
    化社会に必要とされる教育であろう。この観点に立って本企画では、それ
    ぞれの高等学校でのインターネット活用の実践を基盤とし、それらが全国
    的に交流していくことでどの様なコミュニケーションが展開されるかに焦
    点を当ててきた。
      本企画の「ねらい」でも述べているように、インターネットが「イン
    ターラクティブなコミュニケーションを支援する環境」であるという立場
    から、その総合的な活用方法を探り実践し、効果を検証する。ここではそ
    れらの視点から成果と課題をまとめる。

    (1)全国の高校生がコミュニケーションを行う場合の、生徒たちの内面や行動について

            限りない情報へのアクセスや、全く自由な個別での情報のやり取
          りは、学校や社会においての新たな問題を生じさせる。ノートパソ
          コンの学校への持ち込み。ネットワーク上での政治的、あるいはモ
          ラルの問題としての発言の扱い方。ネットワーク管理上のプライバ
          シーの問題など。しかしこれらは問題というよりも、新しいコミュ
          ニケーションの創造における、避けて通ることの出来ない検討こと項
          であるとも言える。

        1)メール(メーリングリスト)での生徒のコミュニケーションルールの修得

              電子メールがもつ特性と従来の手紙や電話がもつ特性とは、明
            らかに異なったものであることを、生徒達は実感したのではない
            だろうか。メーリングリストに参加する動機付けとしては、初期
            の段階はやはり自分宛のメールがたくさん来ていることに尽きる
            ようだ。来たものには返ことを書かなくてはならない、というコ
            ミュニケーションの第1歩は、高校生としては持ち合わせている
            ように思われる。
              学校内のメーリングリストに、不特定多数のメンバーが読むと
            いうのにもかかわらず、普段顔を付き合わせている時の個人的な
            関係を持ち込む生徒がいる。不特定のメンバーの中での関係を認
            識できないのだろうか。それとも、不特定の中に個人的な関係を
            持ち込むことで注目されようとしているのかは分からない。その
            ような生徒は、今度は全国の生徒とのメーリングリストでも同じ
            ふるまいをする。個別に注意をすると治まるので、一過性のもの
            かもしれない。
              メーリングリストそのものに慣れていない様子も見受けられた。
            どうしてもそれぞれが考えていることを発言してしまい、一つの
            話題に対してみんなで意見を出し合い、焦点を絞っていくという
            使い方はまだまだのようだ。話題は収束するどころか発散の様子
            さえ呈し始める。自分の意見をそれぞれがもつのに精一杯で、相
            手の考えを咀嚼して対する考えを述べるような、対話的な討論な
            りがなかなか出来ないようだ。また、メーリングリストを友達募
            集の掲示板と勘違いしており、すぐ個人的なメールのやり取りに
            走ってしまう状況がしばしば見られた。最初の指導が十分なもの
            ではなかったのかもしれないが、外に向かって行動や意識を広げ
            ていこうとするよりは、個人的な世界に収束していこうという現
            代の生徒の行動様式の表れなのかもしれない。
              特徴的な行動のこと例として(旭川凌雲高等学校)
            ・社会問題について冷静さを欠いた形で提言した生徒に対して、
              他の生徒が「自分の考えを述べる」ことの大切さを説いてあげ
              たりとか、本人の意を汲んでやる優しさだとかが伝わるやり取
              りもあった。
            ・メールの練習の段階では、しりとり遊びをやり始める生徒もい
              た。何でも遊びに転化してしまう生徒の発想の柔軟さを見たよ
              うな気がした。
            ・見学旅行に行った生徒が作成した見学旅行記をWebで見た
              「八つ橋」の関係者から、メールを戴き興味深い交流を行った
              こと例がある。来年度の見学旅行への取り組みが面白いものに
              なっていくかもしれない。

        2)ビデオ会議を使った生徒のコミュニケーションの有効性

              現実のコミュニケーションの補助手段としてのインターネット
            であるが、インターネットの活用が頭にあるとどうしても仮想的
            なコミュニケーションに偏りがちになる。Face to Faceのコミュ
            ニケーションと、Virtualなコミュニケーションとして、以下の
            実践を行った。
              本企画の初期段階は、北海道旭川凌雲高等学校・川崎市立川崎
            総合科学高等学校・京都府立工業高等学校の3校によるビデオ会
            議(CU-SeeMe)であった。初めての体験というインパクトもあっ
            たが、それにもまして、それ以後の3校における交流に対して大
            きな影響力があったものと考えられる。やはり顔見知りになると
            いうのは大切なことで、明らかにコミュニケーションの質が濃く
            なる。後のメーリングリストでの交流を見ても、明らかにその効
            果を見ることが出来る。実際にはさらに後のネットワーク・リー
            ダーズ・キャンプで顔を会わせたわけであるが、そこでは再会す
            るという気持ちを強く持ったようだ。
              ビデオ会議による交流は、現在のインターネットでは力が足り
            ないことは明らかである。無理をして画面を見ながら「交流」と
            いう柱にしがみつくよりも、あっさりと「顔が見られる」程度で
            納得し、(近い将来の基盤整備に希望を持ちながらも)他の手段
            でコミュニケーションを充実させることを考えた方が現実的であ
            るかもしれない。こう考えるとビデオ会議は改まって考えるより
            も、トラフィックの件でお叱りを受けるかもしれないが、
            「ちょっとやってみようか」という日常性を帯びてきてもいいの
            ではないだろうか。

    (2)メーリングリストの運営などに係わることによる、生徒たちの自主的・自律的な運営

            「枠組みと道具建てさえ与えれば、生徒達は彼らなりに何かを始
          める」というのを仮説として持っていたのだが、それ程簡単なこと
          ではなかったようである。この初期状態のままでは、「何か行動す
          る」ことさえも出来ず、「何を考えていいのか」さえ分からない状
          態でなかったかと思う。方向性を与えることと、最初に走り出すた
          めのきっかけを与えることまでは是非必要であろう。
            本企画の立ち上げが大きくずれ込んだため、メーリングリストで
          のやり取りや、コアになる生徒の意識が不十分なままにネットワー
          ク・リーダーズ・キャンプを開催するに至った。またメーリングリ
          ストの立ち上げが年末年始や学年末の考査などに重なり、各校が順
          次参加するなど足並みが揃わない状況もあった。
            この企画の主旨に対する意識の差を吸収するためには、企画の
          WWWを立ち上げておいて、参加する教師や生徒は必ず眼を通して理
          解しておくようにするなどの徹底が必要であるとの指摘もあった。
          WWW上でそれまでのメールを掲載しておくということも検討された
          が、内容がプライベートであるものが多いため見送られた経緯もあ
          る。代案として、コアの生徒のメーリングリストの内容の公開も考
          えられたが、議論がなかなか煮詰まらず、ネットワーク・リーダー
          ズ・キャンプまでには間に合わなかった。また電子掲示板の活用も
          コア生徒に提案してはみたが、その有効的な方 法の模索は時間的
          な制約から、やはり厳しいものがあった。
            コアの生徒も含めて、一般生徒のメーリングリストでは話題の方
          向付けをしてくれそうな生徒も出現し始めている。メーリングリス
          トに対する慣れもあるのだろうが、何とか意味のあるものに自分た
          ちがしていかなくてはならない、という自覚の表れであると考えら
          れる。ネットワーク・リーダーズ・キャンプに参加してからのコア
          生徒の変化は顕著であり、進んで一般生徒のメーリングリストに建
          設的な話題を投げかけている。また3年生は、自分たちが高校を卒
          業してからの立場を考え、本企画のサポートに回ることを自発的に
          考え始めている。インターネットが本企画のように全国的な交流を
          可能にしているのであるが、ネットワーク・リーダーズ・キャンプ
          における討論参観者のような応援団が、いろいろな世代に渡って広
          がろうとしていることも現実となろうとしている。閉じていた学校
          から開かれた学校へと学校教育が変貌を遂げたときに、教育が求め
          る生徒の自律性というものもまた違ったものに変質しているかもし
          れない。

    (3)学年制度による従来の横割りの交流から、新たに人間性を主軸においた
            人間関係の形成

            後からメールのやり取りに参加してくる生徒達に対して、古参の
          生徒達はそれなりに面倒を見てあげようという気持ちを持ち始めて
          いる。ソフトウェアの使い方や新しい技術についての講習会などを
          求める姿勢も現れ始めた。自分たちで主催しようという気持ちが芽
          生えてくれば素晴らしいことである。学年間だけではなく、いろい
          ろな場面においても新しい関係が生まれそうである。
            教師と生徒との関係は、ホームルーム担任として、あるいは教科
          担当、課外活動顧問などとしてのものがほとんどであり、学校の規
          律の上に立ったものにとどまっていることが多い。それに加えて、
          教師と生徒とのメール交換も一部には見られるようになって来てい
          る。両者の関係が好ましいものだからこそ始まったのかは分からな
          いが、さらに進展した関係になっていくことには間違いがないもの
          と思われる。学校教育での新しいコミュニケーションの形ではない
          だろうか。教室内で孤立しがちであった生徒が電子メールを通して
          教師と打ち解けあい、生徒の知られざる内面を見ることが出来たと
          いう教師を身近に知っている。
            新しい人間関係の形成は学校内にとどまらない。
            メーリングリストでの交流が進むと、生徒の団結の意識から自発
          的にWWW を立ち上げたいとの声が上がってきた。学校内での仲間意
          識から、全国的な規模での共有感覚というものが生まれてくるのも
          時間の問題かもしれない。また先に述べたコア生徒の卒業後への姿
          勢など、いろいろな枠組みを越えたところで人間関係を求め始めて
          いる。ネットワーク・リーダーズ・キャンプの参加生徒の中で、後
          藤先生の講演を聴いた後の感想の中で、「そうか、ポインタの思想
          か。とりあえず、人脈を作ろうと書いていたことが印象に
          残っている。

    (4)教師などからの支援について

            メーリングリストでのやり取りの中で、誤りの揚げ足取りや、不
          幸の手紙めいた悪質な冗談なども、ごく一部ではあるが見受けられ
          た。このような場合の生徒の対応であるが、精神的に傷ついてイン
          ターネット・コミュニティから離れていく者もあるかもしれない。
          こんな時には周囲にカウンセリングするところがあり、適切な助言
          を与えてやれることが望ましい。本こと例の場合にはサポートのため
          に教員がそばにいたので、即時に適切な対応が可能であった。
            学校は時代の流れに従って、コンピューティングに対して高機能
          のマシンを期待している。高機能であれば何かが出来ると信じてい
          るのである。現実には操作方法の未熟さや、コンピュータやマルチ
          メディアと教育との関係についてのビジョンの不足から、なかなか
          前に踏み出せないままじたばたしている。
            教科指導等に直接コンピュータを使おうという視点も重要ではあ
          るが、もっと高く広い視点から教育への活用を考えることも必要で
          ある。そこでネットワークでの活用が重要であるということであれ
          ば、コンピューティング環境へ期待するものも明らかに変化してく
          る。何を求めているかにもよるが、インターネットによるコミュニ
          ケーションにおいては、高機能のマシンが必要なのではなく、高帯
          域で安価な専用回線や身近に並ぶ端末の数などが重要な要素である
          ことを銘記しておこう。現場からのこうした声は、直接生徒への支
          援にはならないまでも、今後に向けての大きな力となろう。

    (5)ネットワーク・リーダーズ・キャンプの成果と課題

            参加した教師や生徒の、企画の主旨に対する理解の相違について
          は先にも述べた。ネットワーク・リーダーズ・キャンプについても
          同様で、もしかしたら誰もがこのキャンプの意味を、本当には理解
          できていなかったのかもしれない。
            キャンプの日程を消化するに従って、参加者は互いに打ち解け、
          本来のコミュニケーションを取り始めた。生徒については公式日程
          はもちろんのこと、プライベートな交流も相当に意味深いもので
          あったに違いない。惜しまれるのは引率した教師の方で、生徒のの
          びのびした活躍に驚いているうちに自分たちの交流が出来ていな
          かったように思われる。これは多分に日程的なものもあり、今後ゆ
          とりのある日程と準備が求められる。今回は幸いにも、応援団とし
          て大変多くの方々にご協力やご援助を頂くことが出来た。生徒や教
          師と共々、じっくりと交流の時間をもつことがあっても良かったの
          ではないかと残念でならない。
            生徒の「活動状況の報告」では主旨を徹底できていなかったせい
          もあり、プレゼンテーションの方法にばらつきがあった。せっかく
          の情報基盤センターでの発表でもあるのだから、プレゼン機器を有
          効に活用した経験を生徒に与えることが出来ても良かったのではな
          いかと考えている。内容についても、こと前に各校が打ち合わせを綿
          密に行うことで、少なくても今後に向けての取り組みの方針めいた
          ものが浮かび上がってくるのではないだろうか。
            教師間の意識においても大きなインパクトがあった。本企画の実
          現に向けては、全国に散らばる教師が一つのチームとして協調作業
          を行った。また、参加した者も全国各地の生徒であり、これまでの
          全国的な行ことや会議などでは、他校の生徒を直接他の学校の教師が
          指導することはほとんどあり得なかった。つまり本企画は、学校の
          枠組みが完全に取り去られた、全国レベルの開かれた環境で行われ
          たのである。新しい人間関係の構築については先の項目で述べては
          いるが、ここで改めて述べておきたい。今後のあり方として、地区
          ごとに同じようなネットワーク・リダーズ・キャンプを開催し、
          もっと全国規模でMLの運用意識を高めさせていく必要があるとい
          う提言である。また、卒業生をOBとして継続してプロジェクトに
          参加できる方向での検討を求める声もあった。さらにせっかく世界
          共通基盤としてのインターネットであるので、外国の学生ともこの
          ようなキャンプを企画してみるのも面白いであろう。

2.3.2  まとめ

      テクノロジーは、効率性だけではなく、柔軟性をも提供するものである。
    テクノロジーが教育に対してもっとも貢献することは、コラボレーション
    (共同作業)を可能にすることである。テクノロジーのおかげで生徒が孤
    独になるのではなく、例えばコンピュータによるコミュニケーション・
    ネットワークによって共同学習が可能になり、生徒や教師の関係がある意
    味で民主的なものに変質していくであろう。
      今の私達は、端末の数や回線の料金など、インターネットを活用するに
    当たっての環境整備のことで頭が一杯の節がある。こういった問題はいつ
    の世の中でも、新しい技術が一般的になるまでにはいつもつきまとうもの
    である。そこで、このような問題はいつしか時間が解決することと割り
    切って考えてみることにしよう。つまり、私達の回りにはインターネット
    端末が充分な数だけ自然に置かれ、十分に太い回線もただ同然になって引
    かれている環境を想像するのである。近い将来であって欲しいこのイメー
    ジは、私達教師の新しい教育環境への想像力をかき立て、豊かなビジョン
    を創出させはしないだろうか。今、教師の真の力量が問われている。
      私達は生徒に生きる夢を与える仕ことをしていたはずではないだろうか。
    環境に問題ありと提起して現実を変えていく努力も必要である。加えて、
    今やれることを生徒と共に考えて行きたい。