1 作品展示型利用企画の実施

1.1 概要
1.1.1実施目的
 ネットワークの教育利用において、一つの利用形態としてネットワーク上に構築する仮想展示空間を使ったコンテストを全国的規模で開催する。
ネットワーク利用に適した作品コンテストの新しい開催方法を探り、教育的な効果及び課題を検証する。また、ネットワークコンテストを開催することで、教育におけるネットワーク利用の普及促進を図る。
今回のネットワークコンテスト実施では、以下の点を重点的に着目してネットワークの教育利用に関する調査研究を行った。

(1) 広域ネットワークを利用したコンテストの教育効果
生徒作品等のコンテストについて、既存の形態で実施する場合とネットワークを利用し実施する場合の運用形態の違いや、児童生徒への影響の違いを調査し、ネットワークを利用したコンテストの特色を明らかにし効果的な運営方法を検討する。
ネットワークを利用したコンテストの実施が児童生徒の創作意欲をどのように促すか、その有効性について考察する。

(2) 広域ネットワークを利用したコンテストの課題
ネットワークを利用したコンテストを実施するにあたり、評価の方法や児童生徒へのフィードバックの方法、あるいは作品の取り扱い等について留意すべき事柄等を明らかにする。
上記の問題点を踏まえ、ネットワーク技術に依存する以外の教育的側面においてネットワーク利用のコンテストの課題と、その解決のための方法について考察する。

(3) 広域ネットワークを利用したコンテストの技術的課題
ネットワークを利用したコンテストの実施にあたり、技術的に問題となる事柄を明らかにする。
上記の問題点について、解決の方法等について検討する。

1.1.2 内容
 コンテストは、作品の内容に関するテーマおよび制作ツールの違いにより、「コンピュータグラフィックス」と「3次元モデリング」の2つのジャンルを設定する。2つのジャンルは同時に開催するが、独立したものとして分離して実施する。
 参加校の募集、作品の応募・公開・審査などで、メーリングリスト、WWW(コンテストホームページ)、FTPなどインターネットの特徴や機能を最大限に活用したものとする。また、教育的なねらい等を考慮し、賞状や賞品など、参加者へのフィードバックを行う。

1.1.3 運営体制
(1) 全体図
 コンテスト運営の全体図を以下に示す。
 企画の実施にあたって、有識者9名からなる審査委員会を設置した。審査委員会で、作品の審査と企画の評価を行った。












審査委員会はジャンル1とジャンル2に分けて運営した。

リーダ:岡本先生 ジャンル1 コンピュータグラフィックスグループ
(岡本教授+6名の先生方)
ジャンル2 3次元モデリンググループ
(千代倉助教授+1名の先生)

※1 外部への案内や広報、応募先は窓口を運営事務局に一本化し、岡本教授を代表者とした。
※2 コンテストへの問い合わせ対応、参加者管理、運営、審査、報告書作成などはジャンル1とジャンル2で独立して行った。

(2) 審査委員の選定
 審査委員会については、10名程度の規模の委員会として計画した。委員のメンバ構成については、作品の評価においていろいろな角度からの審査が可能なようにCGや、3D各種専門分野の先生方にお願いした。
 また、評価委員会の先生方には作品評価だけでなく、本コンテストの実施計画について助言や、本コンテストそのものの評価もお願いするためネットワーク分野、教育工学的な分野などの先生方にもご参加いただいた。
リーダーは、電気通信大学大学院の岡本敏雄教授にお願いした。

(3)ジャンル1 コンピュータグラフィックス「私たちのまちの未来」

電気通信大学大学院の岡本敏雄教授をリーダに全部で7人のメンバとした。

氏名 勤務先 備考
岡本 敏雄 電気通信大学大学院 情報システム学研究科 教授
千代倉 弘明 慶応義塾大学 環境情報学部 助教授
中村 直人 東京学芸大学 教育学部 数学・情報科学科 講師
中山 実 東京工業大学 教育工学開発センター 助教授
波多野 和彦 埼玉大学 教育学部 教育実践研究指導センター 助教授
藤井 敏信 十文字学園女子短期大学 教授
松居 辰則 東京学芸大学 附属教育工学センター 助手
三浦 憲二郎 会津大学 形状モデリング学講座 助教授
横山 弥生 トキワ松学園横浜美術短期大学 造形美術科 講師
デザイン専攻 ライブデザイン研究室 ジャンル2と兼務

(4) ジャンル2 3次元モデリング
 慶応義塾大学の千代倉弘明助教授をサブリーダに全部で3人のメンバとした。

氏名 勤務先 備考
千代倉 弘明 慶応義塾大学 環境情報学部 助教授
三浦 憲二郎 会津大学 形状モデリング学講座 助教授
横山 弥生 トキワ松学園横浜美術短期大学 造形美術科 講師
デザイン専攻 ライブデザイン研究室 ジャンル1と兼務


1.1.4 運営のためのシステム構築
 コンテストを実施するにあたり、ネットワークの特色を活かし、効率的に実施していくために、運営システムを構築した。以下に、そのシステムについて記述する。

1.1.4.1 概要
(1) システム運営全体図
コンテスト運用の全体図を以下に示す。







(2)コンテスト運営手順

コンテストの実施にあたり、サーバ(メール・WWW・FTP)の準備作業を行う。以下に準備作業の手順を示す。




AnonymouseFTPの利用方法の確定(既存の利用方法を活用)


上記の情報基盤センターのサーバの設定の手続きは次のように行う。



* コンテスト窓口の開設(参加希望/問い合わせ用)
* 審査委員メーリングリストの開設(事務連絡/情報交換/意見交換用)
* 参加校メーリングリストの開設(事務連絡/情報交換/意見交換用)
* ログインのためのユーザ名とパスワードの設定
* WWW用ディレクトリの作成

AnonymouseFTPの利用方法の確定(既存の利用方法を活用)

上記の情報基盤センターのサーバの設定の手続きは次のように行う。
:サーバ設定の依頼
:内容の確認/設定の依頼


(3)開発環境
 運営事務局内の開発環境を以下に示す。
 クライアント環境では、使用するソフトウェアについても示す。


サーバ環境
ハードウェア EWS4800/350(メモリ64MB)
ソフトウェア(OS) UX/4800(SystemV系)

クライアント環境
ハードウェア DELL OptiPlex XMT 5120
(Pentium 120MHz メモリ32MB)
ソフトウェア
* OS: Windows95
* HTTPD: ALIBABA (Ver1.2)*1
* WWWブラウザ: Netscape Navigator (Ver2.0)
* メーラー: WeMail32 (Ver1.0)
* HTML変換: WordtoWeb (Ver1.0)
* 画像変換: Photoshop (Ver3.0J), LViewPro (Ver1.B)
* コード変換: Wincode (Ver2.6), ClipDecoder (Ver1.1)
UDEC (Ver1.1), ページブラウザ (Ver1.1a)
* 圧縮: LHa (Ver2.1), WinZip (32bit版 Ver6.0)

ハードウェア Power Macintosh 8100AV
ソフトウェア(OS) 漢字Talk7.5
1.1.4.2 サーバ運営
(1)メール
 1) 運営事務局
 運営事務局(NECソフトウェア)内にメーリングリストを設置して対応する。

contest@pub.nes.nec.co.jp :NECソフトウェア コンテスト担当者用

 2) 審査委員
 審査委員と連絡を取り合うため、審査委員用のメーリングリストを設置する。
 メーリングリストはジャンル1「コンピュータグラフィックス」とジャンル2「3次元モデリング」で別々に設置する。

ジャンル1 審査委員用
hyouka-cgcontest@cec.or.jp
登録メンバ
* ジャンル1審査委員
* 運営事務局(NECソフトウェア)
* CEC

ジャンル2 審査委員用
hyouka-3dcontest@cec.or.jp
登録メンバ
* ジャンル2審査委員
* 運営事務局

 3) コンテスト窓口
 コンテストの参加申込み窓口と問い合わせ窓口を設置する。
窓口は電子メールのみとし、ジャンルごとに設置する。参加申込みと問い合わせはメールのサブジェクトで分ける。ジャンル1では作品応募受付窓口を設置する。

ジャンル1 私たちのまちの未来 窓口アドレス
mado-cgcontest@cec.or.jp
参加申込み Subject:sanka-cgcontest
問い合わせ Subject:Q-cgcontest
登録メンバ
* 運営事務局(NECソフトウェア)
* CEC

ジャンル2 3次元モデリング 窓口アドレス
mado-3dcontest@cec.or.jp
参加申込み Subject: sanka-3dcontest
問い合わせ Subject: Q-3dcontest
登録メンバ
* 運営事務局(NECソフトウェア)
* CEC


ジャンル1 私たちのまちの未来 作品応募窓口アドレス
oubo-cgcontest@cec.or.jp
登録メンバ
* 運営事務局(NECソフトウェア)


窓口はメーリングリストとし、事務局メンバに転送される仕組みとする。
事務局から参加校宛に返信メールを出す場合は、写しメールを窓口宛に出すこととする。




ジャンル2では、事務局で受け取ったメールは幾何公園窓口(千代倉研究室)に転送する。参加校への返信は幾何公園窓口から行う。(必要に応じて事務局からも発信する)







 4) 参加校
 参加校と連絡を取り合うため、参加校用のメーリングリストを設置する。
 メーリングリストはジャンル1「コンピュータグラフィックス」とジャンル2「3次元モデリング」で別々に設置する。

ジャンル1 参加校用:kentou-cgcontest@cec.or.jp
ジャンル2 参加校用:kentou-3dcontest@cec.or.jp
登録メンバ
* 参加校
* 審査委員(ジャンル1、ジャンル2別)
* 運営事務局(NECソフトウェア)
* CEC


 上記メーリングリストには自動登録を行う。
 参加校がサブジェクトに"subscribe"と書いたメールを下記宛に出すとメーリングリストに自動登録され、サブジェクトに"unsubscribe"と書いたメールを出すと自動脱退される仕組みとする。

ジャンル1 kentou-cgcontest-request@cec.or.jp
自動登録 Subject: subscribe
自動脱退 Subject: unsubscribe

ジャンル2 kentou-3dcontest-request@cec.or.jp
自動登録 Subject: subscribe
自動脱退 Subject: unsubscribe

 メーリングリストには全参加校が登録されていることが運営上望ましいため、必要に応じて事務局で登録を代行する。

(2)WWW
 1) コンテスト参加校ホームページ
 応募要領をWWW化して参加校に公開する。(一般には非公開とする)
 情報基盤センターにコンテストディレクトリに"sanka"ディレクトリを作成し、その下にホームページデータを格納する。

コンテストディレクトリ:
/usr/local/etc/httpd/htdocs/kyouiku/100/project/prjlist/contest

参加校ページURL:
http://www.cec.or.jp/es/kyouiku/100/project/prjlist/contest/sanka/


コンテスト参加校ホームページ index.html

応募要領 oubo.html
* GIFファイルへの変換方法 oubo-gif.html
* FTPでの応募方法 oubo-ftp.html
* 電子メールでの応募方法 oubo-email.html
* 応募フォーマット oubo-format.html

公開 koukai.html
審査 sinsa.html
運営体制 taisei.html

 2) コンテストホームページ
 コンテストホームページを作成して作品の掲載、審査結果の発表を行う。

コンテストホームページURL:
http://www.cec.or.jp/es/kyouiku/100/project/prjlist/contest/

コンテストホームページ index.html

小学校の部(20作品) ./shogaku/index.html
枕崎市立立神小学校(20作品) ./shogaku/tate/tate.html

中学校の部(14作品) ./chugaku/index.html
美川村立美川中学校(12作品) ./chugaku/mikawa/mikawa.html
下関市立長府中学校(2作品) ./chugaku/chofu/chofu.html

高等学校の部(17作品) ./koukou/index.html
三重県立飯野高等学校(3作品) ./koukou/iino/iino.html
茨城県立岩井高等学校(3作品) ./koukou/iwai/iwai.html
東金女子高等学校(10作品) ./koukou/togane/togane.html
東京学芸大学教育学部附属
高等学校大泉校舎(1作品) ./koukou/gakugei/gakugei.html

投票(作品の感想や励ましの受付) kansou.html


各ページからのリンク先:
* 関連ページへの移動(学校ページから学校ページへの移動など)
* 階層が1つ上のページ
* ホームページ

 3) 投票システム
 ジャンル1ではコンテストホームページに、一般から気に入った作品に投票できる仕組みを設ける。投票システムは電子メールを使ったものとする。
 メールの転送先は、コンテスト窓口(mado-cgcontest@cec-jp.or.jp)とする。
 審査委員会で、一般からの投票結果は審査では考慮しないこととしたため、誤解を招かないように「投票」という言葉を使わず、「感想や励まし」という形とする。






(3)FTP
 情報基盤センターのAnonymous FTP利用方法に従う。
 情報基盤センターの下記のページで利用目的を選択し、利用者の電子メールアドレスを入力してSubmitボタンを押すと利用者が登録される。

利用者登録URL:
http://www.cec.or.jp/es/kyouiku/regist/pro_f.html





情報基盤センター: ftp.cec.or.jp(202.249.41.24)
ディレクトリ: /pub/incoming/Open.xxxxxxxx

セキュリティ確保
* ディレクトリの "Open." の後の8文字は利用者によって異なる。
* "/pub/incoming" からは "Open.xxxxxxxx" ディレクトリを参照できない。

1.1.4.3 参加校
(1)作品の制作
 1) GIFファイルへの変換
 コンテストのコンピュータグラフィックス部門では、インターネットにおける画像の標準形式であるGIF形式を採用する。Windows環境ではBMP形式、Macintosh環境ではPICT形式やTIFF形式が一般的であるが、コンテストでは画像のGIF変換したものを受け付けるものとする。(87a/89aなどの形式は問わない)
 参加校には、GIF変換ソフトウェアとしてPhotoshopを使った方法を応募要領に掲載する。

変換方法
1. Photoshopを起動する。
2. BMPやPICTファイルなどを読み込む。
3. モードメニューで「インデックスカラー」に変更する。
4. 「ファイルの種類」で「CompuServe GIF」を選択して保存する。

 2) 応募申込み用紙
 WWWに作品を掲載するため、各作品のタイトルやコメントを応募申込みフォーマットを作成する。学校全体用と作者用の2種類を用意する。

学校全体
学校名、所在地、電話番号、担当者名、E-mailアドレス、
応募総数、圧縮ファイル名(FTPで送付する場合)

作品と作者
作品通し番号、作品タイトル、作品ファイル名、作者名、
学年、使用したツール、使用した機器、作者コメント、教師コメント


(2)作品の送付
 1) FTPの利用

各参加校は次の手順でFTPによる作品送付を行う。




 2)電子メールの利用
 FTPを使うことのできない参加校もあることが予想されるため、補助的に電子メールでの応募も取り入れる。下記の応募専用の窓口を設置する。

応募窓口:
oubo-cgcontest@cec.or.jp




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