100校プロジェクト成果発表会 分科会第2会場

コンピュータ選択授業でのインターネット活用
これからのインターネットの使い方

慶應義塾普通部

荒川 昭


1.始めに 慶應義塾普通部におけるコンピュータ教育について

 普通部では大学の計算センターを利用して、パソコンがまだ普及する前から大型計算機を使用したFORTRAN言語による言語教育がされてきた。昭和62年度にはIBMのJXがコンピュータ教室に配備され、BASIC,PASCAL,FORTRANの3つの言語教育を数学科の教員中心におこなってきた。平成2年度からは富士通のFM−TOWNSが導入され、数学科中心であった取り組みも、ワープロやペイントを使ったり、 幅がでてきた。そのような取り組みの中で、普通部では3年生の選択科目という週に2時間必修の時間がカリキュラムで組まれており、始めは芸術科目中心であったが枠を広げようということで、コンピュータが4年前から取り入れられた。初年度は、やはり言語を中心に取り組んだが、3年前から大学の計算センターを借りて、UNIXによるメールの交換などをおこなってきた。計算センターも施設が充実し、学生にインターネットを使用できる環境を提供してくれので、普通部生もインターネットをUNIX上で、エディターはEMACSを使って取り組んでいた。その後、世間でインターネットについての情報が頻繁に紹介されるようになり、100校プロジェクトの話があり、参加させて頂いている。100校プロジェクトの関係で、サーバーとクライアントが1台ずつ会議室に配置されて使い始めたのが11月になってからであるが、現在は次年度にコンピュータ教室の機種のリプレースを検討し、4月からコンピュータ教室でインターネットを生徒に使わせる予定である。

2.選択授業の取り組み   平成7年度の選択における授業は石田唯之先生と荒川でおこなった


内容  インターネット環境において、コンピュータを積極的に利用する。電子メールを利用して外国の生徒と国際文通をする。
 ワールドスクールに参加し、日本支部(WSJ)の国際チームとして活躍する。

授業内容

     4/15 ガイダンス 利用者登録 利用上の注意 北極プロジェクト
     4/22 login ,logout、メールの送信、Emacs
     5/6  Emacs、メールの送信受信、北極プロジェクトの経過
     5/13 Emacsによる日本語入力、メールの送受信,talkの紹介
     5/20,27 talk、メールの送受信、北極プロジェクトの経過  
     6/3  MS−WORDの使い方
     6/10 MS−EXCELの使い方
     6/17,24 レポート作成
     9/16 2学期の予定、北極プロジェクトの報告、メールの送信受信
     10/14,21,28 C言語 メールの送受信 FTP
     11/4,11,18,25,12/2 レポート作成
     1/13 ワールドスクール ビデオ、メールの送受信
     1/20 クリスマスプレゼントの配布、メールの送受信
     1/27 メールの送受信,gopher
     2/10 図書の検索(大学図書館にて OPAC)
     2/17 講演「情報革命が意味するもの −ソフトウエア研究者の視点から−」
          慶應義塾大学 管理工学科 永田守男 氏
 以上であった。三田評論1月号でも「普通部におけるインターネットの取り組み」で報告したが、生徒にしてみると、情報の最先端のインターネットを通して、様々なことを学んでいる。 最後に感想を現在選択生徒とホームページを作成中である。 

感想                         
 インターネットの便利さには驚いた。自宅(学校)にいながら、遠いところの情報が手にはいること。また、手紙より早く正確に送れることなど、まさしくユーザーの冥利につきることばかりである。この「世界を結ぶ技術」をこれからもうまく使っていこうと思う。
 アメリカの同世代とメールの交換できるということだけでもすごいことなのに、これがインターネットのほんの一部の使い方にすぎないのだから、使いこなすことができたらどんなに楽しいだろうか。
 外国の人とメールを交換することで、今まで別世界の人間のように感じていたが、とても身近に感じるようになった。案外、生徒の方がその必要性なども敏感に感じとっているのではないかと思う。    

ご意見などは arakawa@kf.hc.keio.ac.jp