100校プロジェクト成果発表会 分科会第2会場

生徒が自由にインターネットにアクセスできるようになるまで
(生徒向けインターネット講習会)

岡山県立岡山芳泉高等学校

三宅 博己、小網 晴男


1 平成7年5月〜9月

 平成7年5月に機器が設置され、調整を行った。6月暫定的運用を開始した。  まだインターネットがどんなものか、どんな情報が得られるのか、授業等にどのように活用できるのか五里霧中の状態であったが、まずやってみようということで「体験する」ことを重点に活動を開始した。  ホームページを作成した。(http://www.hosen-hs.okayama.okayama.jp)  平成7年7月〜9月にかけては文化祭の発表用・展示用の資料集め等にインターネットの利用を生徒に呼びかけた。
    社会科学研究部…電子メールを利用してAMDAへ講演を依頼した。AMDA側は
            高校生からの電子メールに驚き、講演を快諾してくれた。
    その他ESS部・無線部・2年生の一部のクラスが事前の情報収集に利用した。
 9月9日文化祭当日、世界各地のWWWを渡り歩く「ネットサーフィン」を生徒および一般来校者に体験してもらった。また、参加者自らが「芳泉高校発情報発信」を経験する「チャレンジ情報発信 岡山の博物館・美術館」を企画し、完成させ現在公開中である。

2 講習会の必要性

 生徒が文化祭の準備等でインターネットを利用するに当たり、これまでコンピュータにさわったことがない生徒が多数見られた。この段階では、時間の関係で個別にコンピュータの使い方、ネットサーフィンの仕方を教えるだけにとどまった。
 しかし、一度モラル面も含めてきちんと教えることの必要性を感じた。
 また、10月から11月にかけて放課後文化部の活動に自由にコンピュータが使えるように教室を開放したが、ゲーム等で遊ぶ生徒が目立った。

3 講習会の開催

 11月より部活動や個人的にインターネットを活用したい生徒のために、初級講座としてパソコンの起動から、巨大な情報源(WWW)から情報を取り出すための操作方法、インターネットにアクセスするために必要なマナーや芳泉高校におけるネットワーク利用規程を学ぶ講座を開講した。
 これは、1回20名の生徒を対象に2日間連続で放課後(1時間半)を利用した。1日目は「インターネットとは」「コンピュータの使い方」「WWWブラウザの使い方」「電子メールの使い方」について講義し、その後1時間程度ネットサーフィンを体験させた。
 2日目は「ネットニュースの使い方」「ネットワーク利用規程と利用上の注意事項」について講義し、その後修了試験を行った。
 平成8年1月30日までに8回の講習会を開催し、119名の合格者(インターネット利用許可者)が出ている。
 この講習会ではまずネットサーフィンを体験させることによって、興味・関心を持たせることに重点を置いた。修了試験も合格させることを主眼に平易な問題を作成した。
 また、インターネット利用許可者で希望する生徒に対しては、電子メールの作成・発信について個別に講習してきた。

4 講習会の成果

◎文化部の活性化をめざして
 現在、文化部の活動をインターネットを通じて公開することで、年間を通して全国に公開する形の仮想的な文化祭となることをめざして、各部のホームページを作成中である。放課後の寒い教室で、コンピュータを前に、熱心にキーボードを打っている生徒が目立つようになってきた。また、以前見られたゲームをする生徒はいなくなった。
◎教科の学習への利用
 ハワイの「Mid Pacific Institute」との間で「キーパルプロジェクト」が始まっている。これは、ネットワークを通じた共同企画として奈良高取高校から呼びかけがあったもので、本校からは1年生の希望者13名が参加し意欲的に交流・学習を進めている。
 インターネットに接続していたからこそ得られた情報であり、大きな成果であったと評価している。また、生徒を指導するため、これまでインターネットを利用していなかった教師も電子メールを利用するようになり、その有効性を痛感している。
 さらに1年生の中には保健の授業での発表のため、資料収集にインターネットを利用する者が現れた。

 現在、来年度に向けて各教科での活用を目指して研究を始めたところである。