元気になった生徒たち!
名古屋市立西陵商業高校
影戸 誠
kageto@nagoya-seiryo-chs.nishi.nagoya.jp
http://www.nagoya-seiryo-chs.nishi.nagoya.jp
1 変わりつつある生徒達
生徒たちは疲れて高校へ入学してくる。小学校高学年から常に競争を強いられている 。「私」に向けられた言葉が減り、友達との位置関係にびくびくする。そんな彼女たちであるが、インターネットにさわりながらその表情を変えつつある。
2 これまでの取り組み
ニュージーランド・ファームステイ、ニュージーランド、オーストラリアからのラグ ビーチームの受け入れ、交歓試合・・・。しかし、これらはどれも教師主導型であった 。ほとんどの生徒のとっては外国は遠く、「国際化」は文字の殻を脱皮できないでいた 。 インターネットは、生徒が端末の前に座るとき、画面の向こう側は「外国」である ことを実現し、全ての生徒に「生活圏の中の外国」をもたらした。
3 インターネットを使った授業の特徴
(例)英語科、商業科「国際理解」
- テーマに向けて、英文での書き方を学ぶ(目的が明確なため集中度が高い)
- 入力する(操作的な活動。生徒は10分で300字程度打つ。)
- 自分の意見を入れる。(反対、賛成、理由 自己の主張)
- 送信する(アメリカ、フィンランドの学校へ)
- 一日ぐらいで相手から返事が来る(作品に対しての評価)
4 インターネットの機能と生徒の変容
(1)電子メール
交流相手国 フィンランド、アメリカ(ニューヨーク・アーカンソー)中国 、オーストラリア
(例) 中国から
I don't like Japanese. Maybe Japanese are not isn't so bad as I thought ,but I can't forget the war between our two countries. It difficult for me to acce pt Japanese. If my answer is not right ,then I'm sorry!
(2)WWW
- 生徒自身によるページ … 自己紹介、部活の発表
- 授業の中での検索 … 貿易シミュレーションの授業において、為替レートの検索、自動車輸出台数の調査など
(3)CU−SEEMの活用
- アメリカLAのテクニカルハイスクールと定期交信(毎週木曜日)
- 朝8:00から30分間。生徒自身による運営を目指している。語学教育、学校祭 について自由討論
- 生徒の感想(ロスとのCu-seeMe)
===================================
私が感動したのは、私が最初に送った言葉に対する彼女たちの”Hi!"という明るい返 事でした。なんか、本当に海を隔てた遠い国の子と話が出来るなんて不思議な感じがし ました。発音一つでわかったり分からなかったり、あと、何よりも友達がたくさんでき るというきっかけを与えてくれます。cu-seemeの後でもちろんE-Mailを送りました。
===================================
(4)様々なプロジェクト
(例)愛知教育大学とのメーリングリスト
Cu-Seemeで自己紹介ーー学校生活についてのエッセイ(600字程度)の投稿ーー アンケートの実施(どんな先生がいい先生)
5 生徒に現れた意識の変化
「秘密というものは自己の証でもある。」秘密がまもられることによって育つ個性があるとのことばどおり、電子メールは絶対に覗かないとの約束を実践している。 このことが信頼関係を高めるだけでなく、のびのびと英文、日文のメールを書かせる こととなっている。
6 実践を通して明らかになったこと
双方向性が大きな特徴であるが、この特性を確実にするためには、担当教諭間の密接 な連携が必要である。メールの来ない生徒の確認など定期的に行っている。メールは私 信であるという当たり前のことを確実に守ることが、意欲を高めているように思う。 教室の壁をこえ、学校の塀を突き破るインターネットは「情報が顔をつくる」そんな 時代を予感させる。やっと言葉だけだった「個を大切に・・」が現成しつつあるようお もえてならない。
ネットワークは東海スクールネットのように他校種間の(私学、公立、短大、大学) の教員の交流場面を実現し、教師たちに新しい視点とエネルギーを提供している。