杉 本 京 太 (すぎもと きょうた) 杉本京太


 杉本京太は、明治15年(1882)岡山県に生まれました。
 彼は、通信技術者を志し、大阪市電信技術者養成所を修了し、活版技術関係の仕事に従事していました。

英文タイプライタ

 当時、欧米ではタイプライターが普及しはじめており、きれいな文書を素早く作成することが可能になっていました。しかし、日本では、まだ実用的な邦文タイプライターはなく、ひらがなや漢字が混在し文字数が多いタイプライターの開発は難しいとされていました。

邦文タイプライター

 そこで、活版技術関係の仕事についた彼は、邦文タイプライターの研究をはじめ、左右に動く活字庫、前後に動く印字部、及び印刷する紙を円筒型に貼り付けておく仕組みを持った邦文タイプライターを発明し、特許権を得ました(特許第27877号、大正4年)。

 この発明は、現在の邦文タイプライターの基礎となる画期的なもので、これにより日本語の書類作成事務は大きく能率アップが図られました。現在の様なワープロが普及する前までは、この邦文タイプライターで、きれいな日本語の文書が作成されていました。


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