丹 羽 保 次 郎 (にわやすじろう) 丹羽保次郎


 丹羽保次郎は、明治26年(1893)三重県に生まれました。大正5年、東京帝国大学工科大学電気工学科を卒業し、逓信省(現在の郵政省)電気試験所や民間会社で、電気技術の開発に力を注ぎました。

写真の伝送

当時の日本の電気技術は、欧米からの技術導入が中心であり、彼は、日本独自の研究開発の必要性を感じて、大正13年にアメリカやヨーロッパを視察した後、写真電送の研究に取り組み、有線写真電送装置を発明し、特許権を得ました(特許第84722号、昭和4年)。

ファックス

 この写真電送装置は、現在のファックスの基になるもので、取扱いが簡単であるばかりでなく、完全に写真が再生できるもので、我が国初の写真電送装置として、昭和天皇の即位式のニュース写真の電送などに用いられました。

彼は、この有線写真電送を完成させるとすぐに無線写真電送の研究をはじめ、、昭和4年、東京−伊東間で、日本初の長距離無線写真電送の実験を成功させています。その後、東京電機大学の初代の学長をつとめ、昭和50年(1975)に亡くなっています。


もどる