三 島 徳 七 (みしまとくしち) 三島徳七
 


 三島徳七は、明治26年(1893)兵庫県に生まれました。東京帝国大学工学部鉄冶金(てつやきん)学科に進み、冶金学の研究に専念します。

磁石

 彼は、磁石の基本的な原理を研究している際、磁性がないニッケル鋼にアルミニウムを添加すると磁性を回復することを発見し、ついに、残留磁気及び抗磁力が高く、磁性の温度変化や経年変化が小さいMK磁石鋼を発明し、特許権を得ました(特許第96371号、昭和7年)。

スピーカー

 この磁石鋼は、永久磁石史として革命的なもので、現在広く用いられているアルニコ磁石の基本となっています。MK磁石鋼は、それまでの磁石に比べはるかに価格が安く、発電機、通信機、ラジオ等のスピーカーなどの磁石として広く使われ、その後の技術進歩に大きく貢献しました。

 MK磁石鋼の名は、彼の養家である三島家と生家である喜住家の頭文字を採って命名されたもので、昭和50年(1975)に亡くなっています。


もどる