インターネットの普及にともない、電子メールアドレスを持つ人が増えてきています。すでに、電子メールを日常の道具として使っている人も多いでしょう。電子メールは電話と違い、相手が留守でも送ることができますし、一度に複数の人に送れるためとても便利です。たとえば、飲み会の案内をするのに、電話やファックスだと一人ずつ連絡しなければなりませんが、電子メールだと送りたい人たちのメールアドレスを宛先に記入すれば、全員に一度に送ることができます。
これより一歩進んだ使い方に「グループアドレス発信機能」という方法があります。たとえば定期的に勉強会を行う場合は、一度メールソフトで送りたい人のメールアドレスをグループアドレスに登録すれば、次からはそのグループアドレスを宛先に記入すれば、登録された全員に自動的に案内のメールが送られます。毎回送りたい人のメールアドレスを宛先に書いていたのに比べると格段に手間が省け、送り先の漏れもなくなります。
案内のように情報が一対多数の一方向の流れでしたら、グループアドレス発信機能でも充分にできますが、グループでディスカッションする場合のように情報が多数対多数の交換になる場合には、大変面倒になります。メンバー各人が自分のメールソフトのグループアドレス発信機能を使ってグループの全員にメールを送れば可能ですがメンバーが増減したり、メンバーのメールアドレスが変わったりするたびに各人が自分でメールアドレスを管理しなければならなくなります。
このように情報の交換が多数対多数となる場合は、メーリングリストが便利です。メーリングリストを使えば、グループのメンバーに一斉にメールを送ることができ、さらにグループのメンバー管理を簡単にすることができます。
方 法
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情報の交換
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情報の流れの向き
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用 途
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設 定
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電子メール
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一対一
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一方向、双方向
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連 絡
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特に設定なし
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グループアドレス
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一対多
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一方向
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連 絡
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メールソフトでグループアドレスの設定
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メーリングリスト
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多対多
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双方向
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ディスカッション
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メーリングリストへの参加申し込みが必要
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<電子メール、グループアドレス、メーリングリストの違い>
メーリングリストでは、参加者メーリングリスト専用のアドレスにメールを送れば、メーリングリスト・サーバが登録メンバー全員にそのメールを自動的に配信してくれます。メンバーの増減や、メールアドレスの変更があったりしたときには、管理者が簡単な操作でサーバのリストを更新すればいいのです。この操作は管理者だけが行えばよく、その他のメンバーは普通にメールを使うのと何ら変わりない感覚で使うことができます。
また、メーリングリストから送られてきたメールに対して、返事を書くと、自動的に返信の宛先がメーリングリストのアドレスになり、返事はメーリングリストの参加者全員に送ることができます。グループアドレス発信機能で送られてきたメールだと、返信の際には、うっかり発信者だけに返信し、同じメールを受け取った他の受信者には返信メールを出し忘れることがあります。ところが、メーリングリストを利用すればそんな心配はなくなります。
メンバーの登録は、メーリングリストサービスにもよりますが、ホームページを利用するものと電子メールで行うものがあります。いずれも、簡単な操作で行えますので、電子メールを使ったり、ホームページを見たりしたことのある人なら容易にできるでしょう。
<メーリングリストの仕組み>
1)目的に合ったメーリングリストの探し方と加入法
まず加入したいメーリングリストを探し出す方法ですが、これには大きく分けて2つの方法があります。
一つめはメーリングリストを紹介するWEBサイトから探し出す方法。これは個人が運営しているものや、メーリングリスト登録サービス会社が運営しているものなどがありますが、いずれもディレクトリー、キーワードなどから検索することができます。
二つめはインターネットの検索エンジンを使用する方法。検索エンジンのキーワード検索欄に、「メーリングリスト」というキーワードのあとに一文字分のスペースを空けて、続けて探したいメーリングリストのキーワードをインプットして検索すると、目的とするメーリングリストのWEBサイトがヒットします。どの検索エンジンでもある程度はヒットしますが、「infoseek JAPAN」(www.infoseek.co.jp)はメーリングリストに限定して検索を行ったり、メーリングリストの紹介文から検索できるのでよりきめ細かな検索が可能。
いずれにしても、自分の目的に合ったメーリングリストかどうかをじっくり観察することが必要です。
では実際にはどんなメーリングリストがいいメーリングリストなのでしょうか。メーリングリストもたくさんありますが、基本的には個人が趣味で運営していることがほとんどですので、運営者の力量によって活発さや内容の充実度はかなり違ってきます。一般的にはメーリングリストの紹介ホームページを見て、運営者がきちんと運営していそうかどうか、加入者は何人くらいいるのか、また1日平均メール数は何通くらいかをチェックするといいでしょう。
紹介ホームページが長期間全然メンテナンスされていなかったり、加入者が極端に少なかったり、メール数がほとんどない場合は、きちんと運営されていない可能性があるので注意が必要です。また、加入してみたのはいいけれど、思っていた内容と違う場合は、速やかに脱会する方がいいでしょう。脱会するときのことも頭に入れて、脱会方法は最初にきちんと把握しておくことも必要です。
2)メーリングリスト開設の具体的方法
次にメーリングリストを開設する方法を紹介していきます。
メーリングリスト・サービスを提供しているWEBサイトを見てみると、メーリングリストを開設するための具体的な登録手順が記載されています。開設の手続きは、所定の手順に従ってWEBサイトに登録するだけです。クローズドなメーリングリストを運営する場合にはこれだけで完了で、あとはメーリングリストの仲間を増やすために個人的に参加者を集めてくることになります。
しかし、せっかくインターネットというオープンなシステムを使っているのですから、参加者を広く募りたい場合には前述したメーリングリスト紹介WEBサイトへ登録してみましょう。登録に際して、メーリングリストの趣旨、活動内容などを紹介するためのホームページ作成を義務づけている場合が多く、必要に応じてホームページを準備することにな ります。
また仮に義務づけられていない場合でも、紹介のためのホームページは是非作成しておくことを勧めます。なぜなら、メーリングリストに加入しようとする人は、どんな人が運営していてどのようなメーリングリストかわからなければ、不安でなかなか加入しようという気になれないからです。
さらに、ホームページを作成したら、今度はそれを検索エンジンに登録しておきましょう。より多くのインターネット利用者がホームページを見に来てくれることが期待できます。このようにしてどんどんメーリングリストの輪が広がっていくのです。
3)人脈形成のためのコミュニティ
ここに取り上げるネットワーク・コミュニティは、人間の幅を広げることや人間的魅力を高めることを目的として、定例会や交流会などが行われるのはもちろんのこと、自分がやりたいことがあれば、自分で企画してイベントを行うこともできます。それにオンライン会議でも、自分が話したいテーマで議論を進めることができます。
:人脈づくりフォーラム(http://www.peace1.ne.jp/~f10427/)
:PRIME(http://www.asahi-net.or.jp/~cw6a-kmsr/)
:ナレッジネットBESTA(http://www.knowledge-net.ne.jp/besta/)
:コスモス1107(http://member.nifty.ne.jp/cosmos1107/index.html)
:クロスロード(http://www.keiko.or.jp/cross-road/index.htm)
:みんなで行ってみよう友の会(http://www.asahi-net.or.jp/~ux2h-urt/)
:知的生産の技術研究会(http://www.peace1.ne.jp/~f10427/chiken/map.htm)
4)資格所得のためのコミュニティ
日本においても、個人の能力が評価される時代になりつつあり、高い評価を受けるために資格を取得しておくことは有意義です。企業がどうしても欲しい人材としての‘あなた’になるために、自分にしっかり投資をして知識武装すべきときではないでしょうか。
【司法試験】
:司法試験“超短期合格”研究会(http://www.michio.net/sihou-siken/sihousiken.html)
:法曹のたまごNET(http://www.lt.sakura.ne.jp/~iwata-k/barexam/)
【会計試験】
:「会計資格メーリングリスト」の裏ページ(http://www02.so-net.ne.jp/~kaikun/al/index.html)
【社会保険労務士】
:ワイワイクラブ(http://www2s.biglobe.ne.jp/yyc/index.html)
【資格の種類】
:資格・検定ガイド(http://plaza11.mbn.or.jp/~katsumi_t/)
5)ビジネス情報交換のためのコミュニティ
世の中の変化のスピードが確実に速くなっています。ビジネスにおいてその変化にキャッチアップしていくためには、常日頃の情報の収集が欠かせません。
情報収集が重要であることはわかっていても、そのために割くことのできる時間や費用がままならない、というのが現実ではないでしょうか。そこで普段から充実した情報交換が行われているネットワーク・コミュニティを以下に紹介します。
:WANA(http://www.wana.gr.jp/)
:インターネット関連知的所有権(copyright)メーリングリストのページ(http://www.imasy.or.jp/~ume/copyright-ml/)
:ネットワーク21研究会(http://www.ne.jp/asahi/netwk21/lab/index.html)
:いそいそフォーラム(http://www2s.biglobe.ne.jp/~iso/index.htm)
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