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CabriGeometreはフランス,グルノーブル大学(UniversityJosephFourierGrenoble)のJean-Marie.Labordeによって開発され,1993年に筑波大学の中山和彦,能田伸彦らによって日本語化された,トポロシカルな幾何学学習用アプリケーションソフトである。
右の図1,図2は,CabriGeometryにメネラウスの定理を表現する図を作図した状態である。作図の方法は,まず3点A,B,Cを取り,それを線分で結び,△ABCを作る[作成]。次に直線1を引き[作成],直線BC,CA,ABとの交点P,Q,Rを取る[構成]。最後に必要な線分の長さを表示するように設定する[その他一測定]。CabriGeometreの特徴は,ここで構成された△ABCと直線1の関係が,初めに作成した点の位置の如何に関わらず保存されると言う点である。即ちマウスにより点A,B,Cや直線1を規定する点であるP,Q,Rを画面上の何処に移動しても右の図が描かれ,また測定された線分の長さも逐一表示してくれる。このことにより,特別な状態から一般的な状態まで,様々な状態を観察することができる。但し,計算機能が無いので,得られたデータは手計算するか,別に計算用のアプリケーションを起動して計算する必要がある(ここではLOTUS1-2-3を使用する)。
本学習では,得られたデータの集計として,分点の比の値,その積の計算,それらの平均値の計算を行い(図3),更に視覚的に傾向を把握するためにグラフ化を行った。
活動の目標 | 学習活動 | 注意事項 |
1) 問題事象の理解と作成 | ・CabriGeometre上にメネラウスの定理で用いる図形を作図させる。 | 作図の手順は提示しない。作図の順序は,学習者の問題の理解に依存する。但し,全体の進行を見て,提示するかどうか判断を下す。 |
2) データの抽出と整理 | ・予めLOTUS1-2-3を立ち上げておき,線分の長さを入力すると,それらの値から3辺の分点の比の積を計算させるシートが作成されているか確認させる。
・マウスを操作しながら,考えられる様々な状態を作らせ,それぞれの場合の辺の長さを測定すしシートに入力する。 |
LOTUS1-2-3の使用方法は,本時の目標ではないのでこれについては予めワークシートを渡しておく。 |
3) メネラウスの定理の予想(法則化) | どのような三角形を作っても,どのような直線1を引いても,3分点の比はおおよそ1になることを確認させる。 | 誤差の大小はどのような場合かを確認させる |
4) 数学的な証明 | ・幾何学習の既習事項を確認する。
・時間を決めて,個別に証明させる。 ・証明ができた生徒に発表させ,質疑の後,どの証明がどの点で優れているのか考察させる。 |
学習者の様子を見て適時方略を示唆する。色々な解答についての評価を教師主導で行わない。 |
5) 定理のまとめと学習の考察 | ・定理の内容と変化させた図形の状態を確認する
・本時の自分の学習について評価させ,成功した要因,失敗した要因をまとめさせる。 ・授業についての感想を書かせる。 |
時間があれば,代表的な例,特異な例を紹介する。 |