1.「手紙を書いて出そう」             

(小学校第2学年 生活科)

2.授業のねらい

ア.コンピュータソフトの扱いに慣れる。
イ.マウスの扱いに慣れる。
といったリテラシーの部分と
ウ.お絵描きが容易にできる。
エ.失敗を恐れずにできる。
オ.文字が容易に入れられる。
などの利点を十分に活用できるようにした。

3.利用ソフトについて

(1)利用ソフト名

「ぱりりんランド」 NEC

(2) 利用ソフトの概要

「三角形と四角形」参照

4.コンピュータ利用の意図

(1) 利用場面

授業のねらいに沿って,校内郵便局を開設する活動に合わせて,「自分たちも手紙を出そう」という取り組みを行うことにした。子ども同士がそれぞれの作品を見せ合いながら制作していった。

(2) 利用環境

使用パソコン PC9801−UX 40台, RA 1台
PC−Semi(ネットワークシステム) OHC

5.実践

(1) 本時の展開

学 習 活 動 活動への働きかけ 備 考
コンピュータでお礼の手紙を書いてみよう!
 
○お礼の手紙を書く準備をする。
・誰に出そうかな。
・あて先を調べよう。
・おばあちゃんに出そう。
・親戚の花ちゃんに出そう。
◇返事をもらった年賀状や住所録などを持ち寄り,住所を調べることができようにする。 ・事前に家庭へ協力の依頼をしておく。
○「ぱりりんランド」の操作の仕方を知る。
・字も書きたいね。
◇「ぱりりんランド」は,文字が書けることを知らせる。  
○自分らしい心のこもったお礼のを書こう。
・ていねいにかこう。
・がんばることも書くよ。
・絵も描いてみよう。
◇わからないことがあったら,友だちや先生に聞くことができるようにする
◇気持ちのこもったお礼の手紙になるよう工夫できるようにする。
◇コンピュータの操作の仕方がわかるようにする。
☆「ぱりりんランド」を使って描く
 
○友達の作品(手紙)を見合う。
・絵が上手に書けてるね。
・色がきれいにぬれてるね。
・スタンプがうまいね。
◇友達の作品を見合って,良いところを見つけ合うようにする。  

6.今後の実践のために

(1) 利用場面の評価

 ねらいア,イについては,児童の操作がスムースだったことからも,ほぼ達成できたと考える。本ソフトの扱い易さも手伝っての成果だと思う。
 ねらいウ,オについては,マウスの操作がポイントの一つにになるが,作品(手紙)の内容にそれぞれの思いがこもっていたことを考えると,おおむね達成できたと判断できる。他のクラスで実践したものを提示したことも児童の意欲を喚起する上で効果があったと思う。

(2) 成果

 お絵描きソフトには様々なものがあるが,児童にとって最も慣れ親しめるものは,操作が容易にできるソフトである。そこで,今回の実践では,「ぱりりんランド」を活用することとした。このことにより,児童は自らの作品(手紙)に熱心に取り組むことができた。また,友達同士の作品を見合い話し合う活動で,相互のコミュニケーションがはかられ,相手を認め合う気持ちが生まれた。

(3) 課題

1) コンピュータを利用することについて
 具体的な活動や体験を重視した生活科には,コンピュータはなじまないのでは,という意見がある。確かに自然環境に働きかける活動を取ってみればそれもいえるだろう。しかし,子ども達の身の回りには,そのほかにも様々な学校施設がある。環境を考えるとき,この学校環境も含めて考えるのが妥当だろう。とするならば,その中にコンピュータの存在があって,それを自然な形で受け入れていくことは,まさに生活科の目標にかなうだろう。そこで問題になるのは,生活科の年間計画の中に,いかコンピュータを含めた学校環境を位置づけるかということになる。これについては,今後に残された課題となろう。
2) 「ぱりりんランド」について
 前述した通り,操作のしやすさについてはたいへん優れたソフトである。また,コンピュータとの出会いから始まり,機能の説明についても専用のシートが用意され,楽しく活用できる工夫がされている。文字機能については,マウスを使って五十音表から入力する方法がとられていて簡単に文字を入力できるが,大きさや飾りの機能がない。(大きさは,アイコンで変えられるが。)これを改良できればさらに活用の場面が広がると思う。
(実践者 相模原市立大野台中央小学校 井村勉 )
(協力者 〃 篠崎 純子)

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