1) [手続き]初期値の設定
2) [手続き]xy-座標系の作成 3) [関 数]関数の定義 4) [関 数]与えられたx=aについての微分係数の計算 5) [手続き]定義域内における点(x,f(x))の描画[y=f(x)のグラフの描画] 7) メインプログラム |
1) ある正の定数hとdを定めて平均変化率を計算する。
2) |h|<dなるまでhの値を減じながらその都度平均変化率を計算する。 3) この操作を繰り返しながら,最終的な値を微分係数として採択する。 4) こうして計算した微分係数の値をy座標とする点 (a,f'(a))を描画する。 5) aの値を予め規定した値だけ増やす。 |
[関数の定義] | [微分係数の計算] |
function fx(x:real):real; begin if x<>0 then fx:=sin(x)/x; end; |
function Dfx(x:real):real; var i, d, e, h, y: real; begin d := 0.01; e := 1/102 4; h := 3; y := 0; while abs(h)< e do begin y:=(fx(x+h)-fx))/h; if abs(y) <=y_range then Ten(x,y); h:=h-d; end; Dfx:=y; end; |
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ht-1.x軸との交点の中点である。 |
この仮説が正しいと思っていた生徒たちも間違っていると考えていた生徒たちも,まずグラフを精密に観察し始めた。そして次にグラフの解像度を上げて実行したり,x軸との交点の中点を通り,y軸に平行な直線を同時に描画して,この仮説が間違っていることを実証した。どの生徒のコンピュータでも,x軸との交点の中点からは微妙にずれていることが観察された。
ht-2.導関数がx軸と交わる点のx座標の値が極値を与えるxである。 |
筆者の方でまとめをするまでもなく,全員がそれぞれのコンピュータ上で,この仮説の正当性を実証する様子を確認した。では,何故そうなるのか。
3) 証明
教科書にあるように証明を行ったが,生徒からは「コンピュータに映し出された時には不思議だったが,数学で証明すると納得できる」という旨の感想が寄せられた。結果として,ほとんどの生徒が証明について理解したようである。これは,自分でプログラムしコンピュータ上で視覚的に確認したということで,数式での演繹を行う最中でも,今何を計算しているのかを見失わないで済んだからのように思える。従来の教科書に沿った指導した時と比較して,この生徒たちの学習の定着の度合いは大変良かった。
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