新100校プロジェクト成果発表会
中学校部会
ホームページから始まった交流


大阪教育大学教育学部附属養護学校
水野 進一 金森 裕治

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1.はじめに

 このホームページ交流を行うきっかけになったのは2年前です。
 最初は,交流を行うというよりも生徒達がコンピュータにふれるという事が目的でした。
 最初ぎこちなかった生徒達もだんだんとコンピュータの操作の仕方も覚え,1人でコンピュータの立ち上げから終了までできるようになりました。
 生徒達もただ,ホームページを見たりゲームばかりしているのも飽きてきて,何かをやってみたいという気持ちが出てきました。そこでホームページを利用して,いろんな学校と交流をしようということになり,みんなで手紙を書いてまず,本校のホームページに載せ呼びかけました。返事を待つ間,生徒達の関心もどんどんと高まっていくのがよくわかりました。そして10校の学校から返事をいただき最初は2ヶ月に1回ぐらいのペースで交流を行っていきました。最初はよかったのですが,10校の学校にいちいち返事を書いてホームページに載せるということに,教師の方が疲れてきました。そこでいろいろ工夫して1つの返事で,どこの学校も共通に見ることができるホームページ交流を考えました。
 生徒達もまた,ただホームページの返事だけを見て,それについての返事を書くということに少し飽きてきました。そこで,次に考えたのがテレビ会議システムを使っての交流です。相手を確認しながら直接に話をすることができるということに生徒達もまた,すごく関心をしめしています。ただ,経費がかかるので月に1回ぐらいのペースでテレビ会議を行っています。そのほかに,ホームページ上で直接に返事が書けるように工夫しました。

2.交流状況

 中学部では,生徒達が3グループに分かれ「かだい」の時間を週3時間設定していす。
その中のCグループで週2時間を今年度2学期からコンピュータを使った授業をする事になりました。
 まず,生徒達がコンピュータになれる為に,ホームページを見ようということになりました。
最初の内は自由に見させていましたが,少しコンピュータに慣れてきたところで,次は,キーボードに慣れるために,毎日書いている日記をワープロソフトに打ち込む練習をしました。
やっている内に文字入力も上手になっていき,生徒達の中から手紙を作ろうという声があがってきました。
そして,手紙をみんなで作っている内に今度は,作っているだけでは面白くないので,作った手紙を出そうということになりました。そこでどうやって手紙を出したら良いのかをみんなで考え,ホームページを使って手紙を出すことになりました。
キーボードで文字を打ち込めない生徒の手紙は,写真を撮ってホームページに載せる事にしてみんなでホームページ用の手紙を作りました。
その手紙の内容は,自己紹介と返事を下さいという内容でした。出来上がった手紙を教師がHTMLになおしてホームページに載せました。
 その時点で,生徒達の名前や写真がそのままホームページに出るということが問題になりました。
そこで,パスワードを入れないとホームページが見られないようにしました。
 後は,ホームページを見ていただいた学校からメールが来るのを待つだけです。メールを待っている中で生徒達の関心も高まってきて,毎日メールが来ているかを聞きに来るようになりました。

そんな中1ヶ月が過ぎ,2校からメールが届きました。
 1校目は鳴門教育大学学校教育学部附属養護学校です。
 2校目は北海道教育大学教育学部附属養護学校です。

そして2ヶ月後には5校になりました。
 3校目は滋賀大学教育学部附属養護学校です。
 4校目は佐賀県立佐賀ろう学校です。
 5校目は富山県立高志養護学校です。

そして3ヶ月後には7校になりました。
 6校目は宮城県立船岡養護学校です。
 7校目は岐阜県立中濃養護学校です。

そして4ヶ月後には10校になりました。
 8校目は和歌山大学教育学部附属養護学校です。
 9校目は福岡県立福岡養護学校です。
10校目は石川県立平和町養護学校です。

 このホームページ交流を第1段階として,今現在は第2段階のホームページ交流を行っています。
この第2段階のホームページ交流は,今までのように1対10で交流をやるのは大変なので横の繋がりをつけて,1つのホームページから,参加しているすべての学校のホームページ交流のページに行けるようになっています。
また,見た感想をその場で書き込みが出来るように,伝言板を設置するなど,いろいろと工夫をこらしてやっています。
 最近また1つ,新しくやっているのはテレビ会議システムを使ってのテレビ会議交流です。
このテレビ会議交流は実際に相手の顔や声を確認しながら交流できるというのが利点です。
生徒達にもひじょうに人気があります。ただ,このテレビ会議交流の欠点は,電話代が高いということで,月に1回程度しか行うことが出来ないということです。
 これからも,良いことはどんどんと取り込んでこのホームページ交流の輪を広げていきたいと思っています。

3.このホームページ交流の成果としては

◎生徒達がコンピュータに関心を示すようになったことだと思います。
○コンピュータの時間が来るのを楽しみにしている。
○返事が来ていないかを毎日たずねに来る。
○文章の打ち込みが上手になってきた。(漢字変換もできるようになった)
○コンピュータの取り扱い方を覚えた。
 ということがあげられると思います。
◎テレビ会議交流をやるようになってからは,今まで以上に生徒達も喜んで参
加するようになった。
◎ホームページ交流から実際の交流へと発展していった事。
○滋賀大学教育学部附属養護学校とのホームページ交流の中で,一度学校に来て下さいということになり,その時期,丁度本校の行事で滋賀方面に1泊2日で雪上教室に行くことになっていたので,1日目に滋賀大学教育学部附属養護学校におじゃまをして,調理実習やゲームなどをして楽しく半日を過ごさせてもらいました。その後,両校とも感想などをホームページで交換しました。
○ホームページ交流をやっている学校で修学旅行の時に大阪に来るので,その時に大阪のどこかであって交流をしましょうという学校が4校ありました。
 その内の福岡養護学校は,本校の宿泊訓練棟で1泊され,本校生徒との1泊2日の交流学習を修学旅行の予定の中に組み込んで行いました。有意義な1泊2日の交流宿泊でした。

4.今後の課題としては

◎ホームページ交流の輪をどんどんと広げていこうと思います。
◎セキュリティーの強化もはかっていかなくてはならないと思います。
◎教師の技術向上に向けて,教師のメーリングリストを作って,今後のホームページ交流の充実と教師の技術の発展向上・交流をはかっていきたいと思います。
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