作成した教材や,その成果をもとにどのような実践授業を行ったか,以下の項目に従って,概要を示す。
アニメーションムービー教材ソフトウェア(学習ユニット)の作成
ネットショッピング体験教材ソフトウェア(電脳商店街)の作成
カリキュラム(指導事例,プレゼンテーション資料,ワークシート)の作成
成果物を利用した教育の実践と成果のまとめ
(1)アニメーションムービー教材ソフトウェア(以降,学習ユニットという)の作成
既に作成されている学習ユニット20個を次の10テーマで整理し,学習テーマを検討し,追加作成した。
a.ホームページで情報検索
ホームページで情報検索を行う場合の注意点を学ぶための教材であり,以下のような内容を扱う。
- Webサイトを使った悪徳業者の実態(手口)を知り,悪徳商法や業者にだまされないようにするにはどうしたらよいか考える。
- Webサイトの情報は全て正しい情報では無い事を知り,正しい情報の選択の仕方を考える。
- 子供の成長のためには有害となる情報を掲載したサイトがある事を知り,そのようなサイトを迂回する方法を考える。
b.ホームページで情報発信
ホームページで情報発信を行う場合の注意点を学ぶための教材であり,以下のような内容を扱う。
- ネット上での悪口の影響の大きさを知る。ログ情報で記録が残る事を知る。
- Webサイトで情報を発信する場合の心構え(見る人の立場,掲載して良い情報,責任等)について知る。
- 個人情報の保護についてその重要性を知り,情報を守るための方法について理解する。
- 個人情報取扱い業者の義務を知ることによる,個人情報発信時の注意点を考える。
- 知的所有権とは何かを知る。ホームページ作成で気を付けるべき事や音楽データの取扱いについて考える。
- 著作権の侵害について知り,それがどのような影響を社会や本人に影響するかを考える。
c.電子メールの受信
電子メールの受信における注意点を学ぶための教材であり,以下のような内容を扱う。
- マルチ商法,ネズミ講について知り,このような誘いをメールで受けた場合の対応方法を知る。
- パソコン,携帯電話も含めチェーンメールについて知り,その対応方法について考える。
- パソコン,携帯電話も含めスパムメールについて知り,その対応方法について考える
d.電子メールの送信
電子メールの送信を行う場合の注意点を学ぶための教材であり,以下のような内容を扱う。
e.セキュリティ
セキュリティ問題について学ぶための教材であり,以下のような内容を扱う。
- ウイルスについて知識を身に付け,どのような被害があるかを知る。被害にあわないための方策を知る。
- 安易なダウンロードによる被害について知り,気をつけるべき事柄を知る。
- パスワードのはたらきとその管理の重要性を知る。そのパスワードのつけ方を知る。
- 不正アクセスについて知り,防ぐ方策や被害にあった場合の方策を考える。
f.ネットショッピング
賢い消費者としての態度の育成をねらいとした教材であり,以下のような内容を扱う。
- カード利用の長所・短所を知り,インターネット上の悪徳商法を知る。カードの不正利用を防ぐ方法,不正利用された場合の対応を考える。
- ネット商取引の問題点を知り,個人売買サイト利用時の注意点を考える。
- 海外サイトからの商品購入方法や注意点を知る。
- ネットショッピングを行う場合の注意点を知り,安全な利用方法を考える。
- 購入,販売してはいけない物は何かを知り,その理由も知る。
- オークションサイトについて知り,その利用にあたっての注意点を知る。
同時に安全な利用方法について考える。
- クレジットカード,ビットキャッシュカード,ウエブマネーなどネット上で使用できるカードの種類と注意点を知る。同時に,安全な利用方法を考える。
g.チャットでコミュニケーション
チャットを行う場合の注意点を学ぶための教材であり,以下のような内容を扱う。
- チャットやチャットを行う上での注意点を知り,安全に楽しく利用する方法を考える。
h.電子掲示板でコミュニケーション
電子掲示板を利用する場合の注意点や便利さを学ぶための教材であり,以下のような内容を扱う。
- 電子掲示板について知り,その有効活用方法を考える。
i.携帯電話でコミュニケーション
携帯電話を利用する場合の注意点を学ぶための教材であり,以下のような内容を扱う。
- 利用上のマナーを知る。
- 出会い系サイトについて考える。
- いわゆるワンギリへの対応や迷惑メールへの対応を知る。
- 個人情報の取り扱い上の注意点を知る。
j.契約
契約行為の注意点を学ぶための教材であり,以下のような内容を扱う。
- 約束と契約の違いを理解する。
- 契約行為の注意点を知り,甘い誘い言葉で契約しない心構えを持つ。
以上10テーマを4つのカテゴリで分類した。
○インターネットで情報検索
a.ホームページで情報検索
○インターネットで情報発信
b.ホームページで情報発信
○インターネットでコミュニケーション
c.電子メールの受信
d.電子メールの送信
e.セキュリティ
g.チャットでコミュニケーション
h.電子掲示板でコミュニケーション
i.携帯電話でコミュニケーション
j.契約行為
○インターネット・ショッピング
f.ネットショッピング
(2)ネットショッピング体験ソフトウェア教材(以降,電脳商店街という)の作成
注文画面,注文確認画面,そして特定商取引法にもとづく表示画面により,ネットショッピングを体験する。それぞれのショッピングサイトでは,実際に発生しているトラブルを体験し,その原因や対応方法など解説画面をもとに学習する内容とした。
a.代金を受け取って,商品を納品しない(雲隠れ)ショッピングサイト
b.偽ブランド商品を納品するショッピングサイト
c.不良品が届いたショッピングサイト
d.注文数量よりも多い商品が届いたショッピングサイト
e.納期遅れの連絡があるショッピングサイト
f.注文した商品が間違い無く届いたショッピングサイト
g.商品の延着があったショッピングサイト
h.無料プレゼントで消費者をだますショッピングサイト
また,ショッピング操作を省略しネットショッピングではどのような事に注意したら良いのか知るために上記ショッピングサイト毎のツアー画面(解説ムービー画面)を作成した。
(3) カリキュラム(指導事例,プレゼンテーション資料,ワークシート)の作成
教師が利用する参考資料であり,以下の3種類
教材ソフトウェア毎に授業方法の例を示す指導事例資料
教材ソフトウェアを使った授業で,教師が説明解説用に用いるプレゼンテーション資料
学習後,児童・生徒が学習成果のまとめとして活用するワークシート
(4)成果物を利用した教育の実践と成果のまとめ
作成したソフトウェアや資料を用いた実践授業を行い,開発成果についての評価や利活用方法を説明した資料。
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