6.実験システムの構成と仕様




6.2 機能・操作

6.2.1 遠隔講義・ビデオ会議機能

遠隔講義・ビデオ会議ソフトウェアとは、主に遠隔講義や遠隔会議を目的としたマルチメディア会議システムで以下のような特徴がある。

図8 遠隔講義・ビデオ会議の映像例

遠隔講義・ビデオ会議の参加形態

遠隔講義・ビデオ会議の参加形態には、「講義モード」、「会議モード」、「対話モード」がある。
遠隔講義・ビデオ会議での講義および会議は、音声と映像を中心に、各種クライアントツールを使っていろいろなデータを共有しながら進行することができる。
 なお院内学級においては主に講義モードを利用した。

□講義モード

図9 講義モード

講義モードでの参加者には、先生役の「リーダ」と生徒役の「メンバ」がいます。
講義の進行は先生が主導権を持ちます。
生徒側のパソコンにもカメラとマイクを用意しておけば、先生は必要に応じて、講義に参加している児童・生徒を指名して、発言させることができます。クライアントツールの操作権は、先生が指名した生徒に与えられます。

□会議モード

図10 会議モード

会議モードでの参加者には、議長役である「リーダ」と一般参加者である「メンバ」がいますが、
会議は、参加者全員で進行します。
参加者のクライアントに接続されたカメラ、マイクや白板共有などのクライアントツールの操作権は、参加者が自分で有効にすることができます。

□対話モード

図11 対話モード

参加形態により以下のような違いがあります。

表1
  講義モード 会議モード 対話モード
参加者の顔写真一覧の表示 なし
受信映像ウィンドウの初期表示画像数 1 4 1
受信映像ウィンドウの初期表示 先生(リーダ) 参加した順に4人目まで 対話の相手
発言(自分の映像や音声を送信する)方法 先生(リーダ)の指名
生徒は挙手可能
参加者自身が発言要求
または
議長(リーダ)の指名
常に発言中となる

リーダ/出席者について(参加モード)

遠隔講義・ビデオ会議には、リーダとしての参加とメンバ(一般出席者)としての参加があります。
リーダは、講義における先生、会議における議長を意味しており、特別の権限を持っています。

リーダの権限

先生/議長共通の権限 先生特有の権限
  • 講義/会議全体の終了
  • 指名・リーダ交代
  • 映像に関する設定
  • 音声に関する設定
  • 発言

会議モードでは議長であるリーダ、一般出席者であるメンバのいずれも発言可能ですが、講義モードでは生徒である一般出席者は挙手して先生であるリーダに発言の許可を得る必要がある。

メンバの操作終了は自分だけの退席を意味する。一方、リーダが操作を終了することは閉会を意味する。このため、リーダが自分だけの退席をしたい場合は、まずリーダ役を他の人に譲る必要がある。

音声モード

講義や会議で発言する際、映像を送信するときは必ず音声も一緒に送信される。
講義や会議において同時に映像を送信できるのは最大4人までとなっている。
映像の送信要求をしたときに、既に4人まで映像を送信していた場合、一番先に送信を開始していた人と交代する。
現在映像と音声を送信していない残りの人も、講義や会議の様子を受信することができる。
講義の場合は、リーダ(先生)の指名で映像と音声を送信する人を切り替えることができる。
会議の場合は、参加者自身が発言要求をすることで映像と音声を送信する人を切り替えることができる。

講義、会議における音声モードには「映像音声連動モード」と「音声8人モード」の2つがあり、どちらのモードで動作するかはリーダ(先生、議長)の設定による。

(1)映像音声連動モード

最大4人の映像と音声を送信する。
このモードでは、発言者は、必ず音声と映像を一緒に送信する。

(2)音声8人モード

 このモードでは、映像と音声を一緒に送信する4人に加えて、最大4人まで音声のみの送信が可能になる。
 
 講義モードの場合、開始時は先生のみの映像と音声を送信する。先生が参加するまでは、誰の映像と音声も送信しない。
 会議モードの場合、開始時は映像音声連動モードとなり、参加した順に1人目から4人目までの映像と音声が送信される。リーダが参加した時点で、リーダが設定した音声モードになる。

クライアントツール

遠隔講義・ビデオ会議ソフトウェアには以下のクライアントツールがある。
これらのツールは、他の参加者とデータを共有し、同じデータを扱いながら会議、講義を進めることができる。各クライアントツールは、操作権を取得しているときにのみ使用できる。(メモを除く)

●メモ・白板共有

図12 白板共有

マウスによる手書き入力や、キーボードによる文字入力ができるツール。
メモは自分用のメモなので、他の参加者とデータは共有しない。
白板共有では、参加者が入力した図や文字が、全参加者のクライアントに表示されている白板共有ウィンドウに表示される。

メモを使用して事前に資料を作成・保存しておいたものを白板共有で読みこみ、会議で使用することができる。

●アプリケーション共有

図13 アプリケーション共有

一人の参加者が所有するアプリケーションの画面を、全参加者のクライアントで表示するツール。
操作権を取得すれば、共有されているアプリケーションの遠隔操作も可能。

●ファイル転送

一人の参加者が所有するファイルを、全参加者のクライアントに送信するツール。

●ブラウザ連携

一人の参加者が操作したブラウザの画面(URL)を、全参加者のクライアントに送信するツールです。これにより、参加者全員が同じブラウザ画面を見ながら、講義や会議を進めることができます。
「ブラウザ上書き白板」機能を使うと、ブラウザに表示されたWebページの上に図や文字を書くこともできます。

 

クライアントツールの操作権

クライアントツール(白板共有、アプリケーション共有、ファイル転送、ブラウザ連携)を操作するには、操作権を取得する必要がある。

講義モードの場合

リーダ(先生)は常に取得可能。
一般出席者(生徒)は、先生に指名されることにより取得できる。

会議モード/対話モードの場合

ツールの起動者が最初の操作権保持者となり、その後ツールから操作権取得・操作権解放の設定をおこなうことができる。

操作権取得モードには、リーダの参加時の設定によって決まる、次の2つのモードがある。



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