1.プロジェクトの背景・目的




 平成13年度小中学校教育課程実施状況調査報告書によると,「理科の学習と日常生活との関連の意識を明確にすることや,野外観察等実際に自然を体験させ実感させること」,「図や模型,モデル,あるいはコンピュータ等を積極的に活用し,児童が総合的に実感を伴った理解が図れるような指導を重視すること」等が求められている。また,高度情報通信ネットワーク社会が進展していく中で情報社会に主体的に対応できる「情報活用能力」を育成することは非常に重要であり,小・中・高と各学校段階を通じて,各教科等や「総合的な学習の時間」においてコンピュータやインターネットの積極的な活用を図ることが大切である。

 そこで,「GISとタブレットPCを活用した学習支援」プロジェクトでは,野外学習や体験学習において児童・生徒が観察したり,調査したりしたことをその場で地図データと共に記録する新たなシステムを開発した。ネットワークを介して他地域の学校の調査データと比較出来るシステムと組み合わせて活用することで,野外学習や体験学習においてIT機器を道具として使いこなす学習の在り方や新たなIT活用の有効性を検証した。

 これまで,教室でGIS(地理情報システム)を使って空間情報を含めた情報リテラシーを高める実践や野外でGPSとPDAを使って環境の学習を行う実践が報告されている。しかし,児童・生徒がグループで行う野外学習や体験学習において,GISとGPS,タブレットPCを使って空間情報を得ながら学習を進めるといった報告はなく,野外での調査を行い,その場で自分達が調査した位置情報付きの地図データを表示したり,デジカメ等の画像やタブレットPC上で作成した絵図,メモ等をタブレットPC上に表示したりして話し合いを行うことで,高い学習の効果を得ることが出来た。



前のページへ 次のページへ