IT自由教室は、普通教室や学校内の空き教室に無線ネットワーク網を設置し、ノートパソコンを自由に持ち寄ることによって、一斉学習、習熟度別学習、個人学習といった、様々な学習形態が可能になる教室である。IT自由教室は、「無線LAN構築キット」、「USB学習帳」、「USB教務手帳」により構成する。
IT自由教室内にワイヤレス・ネットワーク網を構築するためには、無線LANアクセスポイントと無線LAN通信カードが必要である。無線LAN通信カードを装着するノートPCと無線LANアクセスポイントの間で、(株)神戸製鋼所が保有する独自無線LAN制御技術(Wireless
Free Access[添付資料1])を用いて、軽量可搬型アンテナを中心した無線LAN局所スポットを構築する。この無線LAN局所スポットを通じて、教師と子ども達一人一人との簡便なデータ交換を実現する。
安全かつ手軽に無線 LAN局所スポットを活用した普通教室での授業実践を実現するための要件調査を実施し、抽出した要件を満たす軽量可搬型アンテナを作製する。
USB学習帳は、市販のUSBメモリに、WBT形式のeラーニングソフトを格納することにより実現する。USBメモリには、読み取り専用領域(ROM領域)と読み書き可能な領域(RAM領域)を1つのメモリの中に併せ持ったタイプのUSBメモリを使用し、ROM領域に学習環境を格納し、RAM領域にポートフォリオや教材等のデータを格納する。
普通教室の中での USB学習帳の活用を想定し、必須と思われるeラーニングソフトの機能要件調査を実施した上で、抽出した要件を満たすソフトウェアのプロトタイプを作製する。
USB教務手帳は教育情報に関するデータを子ども達と教師の間で交換するサーバであり、USB学習帳内に保存されている学習履歴データを参照する仕組みである。これにより、教師が子ども達一人一人の進捗状況やつまずきをリアルタイムに確認でき、効果的な学習指導を実現できる。普通教室の中での活用を想定し、USB教務手帳の必須と思われる機能要件の調査を実施した上で、抽出した要件を満たすソフトウェアのプロトタイプを作製する。本プロジェクトでは、無線LAN構築キット、USB学習帳、USB教務手帳により構築されるIT自由教室での、一斉学習、習熟度別学習、放課後個別学習及び自宅学習における有効性を検証する。
下記を対象に、 USB学習帳、IT自由教室とUSB教務手帳を活用した実践授業を行う。
学校名 | 学年 | クラス数 | 教科・科目 | 授業内容 |
兵庫県新宮町立 新宮小学校 |
3年生 | 2 | 算数 | 表とグラフ、計算練習 |
兵庫教育大学 附属中学校 |
2年生 | 3 | 数学 | 三角形の合同条件 |
兵庫県立 須磨友が丘高等学校 |
1年生 | 1 | 数学・数学I | 二次関数、二次不等式 |
兵庫県立 御影高等学校 |
3年生 | 3 | 数学・文系数学 | 順列・組合せ、確率 |