2.プロジェクトの概要




2.1 プロジェクトの概要

 本プロジェクトは、手書きの特性を生かしたタブレット PC 上で動作する電子教材の要件を調査し、その要件を満たす手書き電子教材のプロトタイプを作成するとともに、様々な学習活動における手書き電子教材の有効性について実践授業を通じて検証するものである。
  本プロジェクトは以下のように進められた。

    1. 手書き入力の専門技術と持つ研究者と実践授業を行う教師、教育工学を専門とする大学教員らで構成される教材検討部会を構成し、タブレット PC や手書きの特性を活かした電子教材を多数検討した。
    2. プロジェクトの実施期間や開発工数、技術的な可能性等を考慮して開発する教材を決定した。
    3. 手書き教材を実現するために別途富士通研究所が開発した手書き部品を活用して実証実験で使用する手書き教材のプロトタイプを開発した。
    4. 授業実践を行う小学校(一校)で試作したタブレット PC の教材をひとり一台で使う環境を構築し、一斉授業や持ち帰りの家庭学習での実証実験を実施した。
    5. 実証実験の結果は、教育関係者や児童、保護者などにアンケート調査を行い、手書き教材の有効性と解決すべき問題点を検証した。


2.2 学習指導要領との関係(対象となる校種・学年・教科等)

 本プロジェクトでは、小学校5年生算数内容「A 数と計算」の「面積」、「分数」、「小数のかけ算とわり算」、5年生の漢字の練習、障害児学級の生活単元を対象とした。また、授業での使用のみならず、学校での自主学習や家庭学習での使用も対象とした。作成した教材は、100マス計算、25マス計算(障害児学級向け)、5年生2、3学期の漢字練習教材、小数のわり算(筆算)、分数のたし算・ひき算、図形の面積の計算(自由ノートを含む)である。他の学年や教科への活用は、各種教材テンプレートを充実させることにより十分可能になる。
下記は、12月2日に実施した公開授業時に教育関係者に実施したアンケートの結果である。このように、小学校高学年、算数、国語を中心に、幅広い活用が期待できそうである。

問1 今回のような手書き教材が適しているのは何年生だとおもいますか?
小学 1年生 小学 2年生 小学 3年生
10 10 14
小学 4年生 小学 5年生 小学 6年生
21 19 19
中学 高校 養護
8 6 6
 ( 24名中、複数重複回答。)

問2 今回のような手書き教材が有効に活用できそうな教科は何だと思いますか?
国語 算数 数学 理科 社会 生活 総合
20 20 9 11 9 7 10
図画 美術 技術 家庭 外国語 保険 体育
4 3 1 2 6 3 1


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