(1)サポート体制
本研究の実施にあたり、環境の整備及び研究時の適応指導教室のトラブル対応等、適応指導教室の要望に迅速に対応できるように次の体制で望んだ。
- 「WEBで宿題」 の運用面でのサポート 1名
- ハードの環境設定及びトラブルシューティング 1名
- 教育委員会等、関係者との連絡体制の確立
*長野市教育委員会内においては、学校教育課及び青少年課が協力する体制をとり、係内での調整にも配慮した。
(2)支援状況
教室名 | 月・日 | 内 容 |
社内 | 8月08日 | 中間教室用 パソコンセットアップ |
ふれあい学級 | 9月11日 | ジャストシステム製品の追加セットアップ> |
ふれあい学級 | 9月26日 | ホームページ更新設定と手順説明 |
犀南中間教室 | 10月5日 | インターネット接続設定 |
東北中間教室 | 10月9日 | ウィルスバスタインストール作業 |
城山中間教室 | 10月15日 | メールのアカウントツール設定 |
ふれあい学級 | 10月27日 | 犀陵中学校側 LAN 配線故障修理 |
城山中間教室 | 11月19日 | 「WEBで宿題」 接続設定対応 |
犀南中間教室 | 12月02日 | WindowsMediaの接続不調対応 |
松代中間教室 | 12月03日 | ゲームのインストール作業 |
ふれあい学級 | 12月12日 | Wordの動作不良 再インストール作業 |
城山中間教室 | 12月16日 | ファイル共有設定 |
フルネットセンター | 12月18日 | 中間教室配備用パソコンの再セットアップ作業 |
犀南中間教室 | 12月24日 | パソコン納品・設置・ LAN配線 |
犀南中間教室 | 1月14日 | 中古パソコン用スピーカ納品・ホームページ作成支援 |
ふれあい学級 | 1月15日 | パソコン納品・設置・ LAN配線 |
東北中間教室 | 2月06日 | インターネット接続不良 設定変更 |
東北中間教室 | 2月09日 | WindowsXP再インストール作業 |
「操作説明会」実施日程*担任通信欄はメール機能、会議室は掲示板機能
教室名 実施時期 対象者 主な説明内容* 南部中間教室 10月15日 メンタルフレンド 担任通信欄、会議室 10月21日 親子(児童・母親) 担任通信欄、会議室 ふれあい学級 10月29日 生徒・メンタルフレンド 担任通信欄、会議室 10月29日 原級担任 担任通信欄、会議室 11月04日 生徒・メンタルフレンド 写真取り込み、メール添付 12月10日 生徒・原級先生 担任通信欄、会議室 東北中間教室 10月16日 生徒・メンタルフレンド 担任通信欄、会議室 11月18日 原級先生 担任通信欄、会議室 11月19日 校長先生(室長) 担任通信欄、会議室
- 各教室における反応
b.1南部中間教室
10月21日 児童と保護者合同の操作説明会実施「パソコン講習会」
メールはお母さんと子ども
と両方から来ました。さっそく保護者と児童の両方からメールがきたという報告をもらった
○利用状況(保護者)
10月にメール送信が多い。保護者向け「操作説明会」10月21日
b -2ふれあい指導
10月29日 生徒、メンタルフレンド向け操作説明会実施(1回目) 10月29日 生徒FAさん、生徒FBさんの原級担任向け「操作説明会」実施 12月10日 生徒FCさんの原級担任向け「操作説明会」実施
S中学において原級先生参加、メールを生徒に送ってもらった。
生徒たちの関心の高さといきい
きとした表情での取組みがよか
った。
11月04日 生徒、メンタルフレンド向け操作説明会実施(2回目) ○利用状況(生徒)
「操作説明会」を行った、 10月から11月にかけての使用が多い。
b -2 東北中間教室
11月16日 児童生徒向けに操作説明会
原級先生向け操作説明会11月18日 東北中間教室、原級担任向け操作説明会実施 11月19日 T中学校長先生向けに操作説明会実施
メールでの質問もいただいた。生徒FCさんにも担任からメールが届いた
生徒 T5 さんの書き込みに
返事を書く担任の先生○利用状況(原級担任)
操作説明会を行った、10月から11月にかけて、メール送信数が増えている。
○操作説明会良かった点
・原級先生に「WEBで宿題」について説明でき研究の趣旨を説明できた。
・先生から率先して生徒にメールを送ってもらえたこと。
- 新聞作りサポート<城山中間教室>
12月8日 学級新聞作成講習会 (講習内容) ・ホームページビルダーを使って簡単なWEBページの作成
・ビデオの撮影方法実習
適応指導員と相談しながらサポートを進める
パソコンに向かう生徒たち
12月22日 「学級新聞が出来た」という連絡を適応指導員よりいただく。 12月24日 クリスマスの日に掲載をしようと生徒たちの間で計画が出来上 がった。 12月24日 午前10時 皆集まっているところで掲載できるはずであったが・・。
トラブルにより教室から掲載できることができなかったが、同日夜10時頃データを持ち帰り掲載できることが出来た。12月25日 生徒J5さんが教室を代表して「みんなの会議室」に書きこみ
B適応指導教室の生徒FBさんからさっそく反響があった。
(3)サポートのあり方
新しいシステムの利用にあたって、利用者は、その利用目的、仕組みまた実際の使い方を理解することは困難を伴う。まして、コミュニケーションツールとして位置づけ、日常利用するには努力を伴う。また、今回のケースは、利用する対象者が多数に渡り、所在も点在するという現実があった。
そして、この研究の中心的役割を果たした適応指導員は、必ずしもパソコンを熟知しているメンバーとは限らなかったが、前向きに取り組んでいただいている姿勢が伺えた。
そこで、サポート部隊は、適応指導教室を中心に在籍校にも足を運び、システムの利用方法について説明会や個人指導を行った。
また、本研究において適応指導員の役割は重要であり、適応指導教室において、常時不登校傾向児に接しながらITの利用研究を推進していただくためには、充実したサポート体制は必須条件であった。
適応指導員が、不登校傾向児の発信した情報を的確にキャッチし適切な対応をしていただけるように、トラブル対応を含め、迅速に対応できるサポート体制をとったことは、適応指導員が安心して「WEBで宿題」を利用し、不登校傾向児に対応していただけることとなり、本研究が短期間ではあったものの、多くの実践事例を残すことができたと考える。
また、学級新聞の作成時をはじめとするサポート部隊による利用支援の実践から、適応指導教室において、IT利用を支援するサポート部隊は、適応指導員との連携すなわち、システムのトラブルや利用支援に止まらず、教室内においても子どもの状態に寄り添う対応が、求められていることを痛感している。