8.研究のまとめ




8.1 成果の位置づけ

 e−ラーニングシステムを学校教育で活用するために、次のような知見を提示できたことで、質の高い授業実践を行うための基本的な枠組みを提示できたと考える。

    1. e−ラーニングシステムを利用した授業実践に必要な準備、障害対策、授業設計等に関わるノウハウを提示できた。
    2. 学校教育でe−ラーニングを活用できるテーマの1つとして、学校現場で非常にニーズの高い情報倫理に関する授業を選択し、実践事例を蓄積できた。
    3. 様々な学習形態に対応するe−ラーニングシステムのあり方と、外部講師と指導教諭がコラボレーションして授業を進めるための授業設計の形態について提案できた。


8.2 留意点・課題

 e−ラーニングが小・中・高等学校で効果的に利用されるために、一般に普及するための留意点・課題の主なものは、次の3点である。今後の授業実践事例の蓄積・コミュニティ運営を通じて効率化や改善に取り組んでいきたい。

    1. 通信環境等の準備と整備を支援する
    2. コンテンツ制作に関わる時間・労力の低減を図る
    3. 「使える」システム+コンテンツを公開する


8.3 今後の活動

 WEBサイトや研究会活動を中心として、学校教育におけるe−ラーニングの活用事例の紹介と授業実践の支援を充実させてゆくとともに、教材になりうる多様なコンテンツを所有する既存団体や教員との連携をとってゆく。
 さらに本プロジェクトを通じて形成した知縁ネットワークを活用し、社会人を講師に招く体験学習や問題解決学習など、より多様な学習形態を支援する展開を予定している。
 具体的には、プロジェクト期間終了後もe−ラーニングシステムのアカウント等を確保しており、それを利用した支援や様々な教材のコンテンツ化を自主的に進めてゆきたい。
 特に、外部の専門家と指導教諭が連携して実践するような授業に対して、e−ラーニングシステムの果たす役割は大きいと考える。学校現場でニーズの高い情報倫理授業はもちろん、今後、産業教育や経済教育、福祉教育などさまざまな分野で、e−ラーニングを普及させるキラーコンテンツを開発してゆきたい。

以 上



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