1.プロジェクトの概要




1.1 全体像

 平成14年度 Eスクエア・アドバンスの活動成果である、ロボットを活用した情報教育教材について、学校現場が容易に導入でき、活用していただくための活動を実施した。
 平成14年度 の教材は、実証実験レベルの構成であるため、比較的高価で複雑な設定を必要とする市販ロボット (AIBO)を中心に対応するものとなっていた。ロボットという、あまりに先進的なIT機材を教材として利用することで、多大な教育効果が認められた反面、ロボット自体が未だ研究レベルの域を完全に脱しておらず、広く一般化するに至っていないこともあり、技術的にも開発元の全面的な支援なしで導入することは現場にとって困難であった。つまり、導入段階で教師に大きな負荷がかかってしまうことが、普及と活用の面でのネックとなっていた。
 この問題を解消し、普及と活用を促進することを目的とし、教材をより安価で設定が単純な市販ロボットに対応させ、入手を容易にすることと、 AIBOを使用する場合の技術的ノウハウのドキュメント化をはじめとする、各種の教材提供環境整備による現場負荷軽減という2つの面からの施策を実施した。


1.2 施策【1】教材アプリケーションの安価ロボットへの対応

 安価なロボットの具体的候補として、 LEGO社のSpybotics(車輪型)およびバンダイ社のWonderborg(昆虫型)を予定し、その中からLEGO社のSpyboticsに本格対応すべく、モジュールを作成し、アプリケーションへの組み込みを行った。

 AIBOとは動作原理が異なるロボットであるため、動作命令をSpybotics向けに改良し、教材として利用価値のあるものにした。

【 Spyboticsの特徴】

※ LEGO Spyboticsホームページ <http://www.lego.com/jpn/spybotics/>


1.3 施策【2】教材提供環境の整備

 より高いレベルの学習効果が得られるという面から、 AIBOを利用した実習環境を望まれる学校もある。また、安価ロボット(LEGO Spybotics)に対応した普及版の教材を導入する際にも、それぞれのロボットに対応したセットアップが必要である。
 さらに、 AIBOを教材として導入する際には、教室内LANの設定、無線LANの設定、パソコン側の設定など、現場にとっては多少複雑な準備が必要となる。
 これらの、教材の導入段階で発生する技術的な事項を説明書や手順書にまとめ、ホームページ上からダウンロードして利用できるよう、提供環境を整備した。

 また、平成14年度に実施した実践授業の事例をもとに、教材を導入した後の授業内容構成支援のためのドキュメントを整備した。



前のページへ 次のページへ