2.提案プロジェクトの概要




2.1 提案プロジェクトの全体像

 心も育つ理科コンテンツの開発と活用方法の汎用性を高め,広く県内外で多数の学校で活用されるよう普及・啓発を図ることを目的に,以下の1.〜2.の方法で研究を推進する。

  1. 「ディジタルコンテンツ活用スキル向上のための研修期間短縮と低コスト化」  
図1 ICT自由教室でのユビキタス学習のイメージ

 御津町立御津中学校を実践校とし,ICT活用授業アシスタントを派遣する。ディジタルコンテンツを活用したクイズ(「でじこんマスター」)の開発や補助教材作成等をパッケージ化した学校支援メニューを実践し,約1か月の短期間で,教師と生徒のディジタルコンテンツ活用能力を育成する。ICT活用授業アシスタントを支える体制として,指導法を支援する岡山県情報教育センターの指導主事,コンピュータ環境を支援するシステムエンジニアで構成したチームを整備し実践する。( 図1  ICT活用による授業支援のシステム 参照)1か月間で,コンピュータ活用の授業イメージが描け,各学年・教科において,コンピュータを活用した授業が実践できる教師を育てる。

  1. 「他校種で の授業実践」

 既存コンテンツは,中学校理科での活用を意図して改善する。新規のコンテンツとしては,生物分野・地学分野1件ずつ開発する。 
《既存コンテンツの改善》
  昨年度開発済みのコンテンツについては,中学校・高等学校でも授業に活用できるように改善する。
《他分野コンテンツの開発》
  地学分野として,岩石・鉱物研究の第一人者の写真・映像資料から,ディジタルコンテンツを開発する。同時に,その研究家の見方・考え方,願いを凝縮したメッセージビデオを付加情報として制作し,オンデマンドで配信する。
《複数の見方・考え方を付加》
  昨年度は,動植物研究家や撮影家の方一人に一コンテンツで作成した。一つの自然の事物・現象に対して複数の方々の見方・考え方を提示することで,多様なとらえ方や共通の願いを見いださせたい。そこで,本年度は絶滅危惧種「アユモドキ」の生態とその保護に関わっておられる複数の方々のそれぞれの立場における見方・考え方を提示するコンテンツを開発する。


2.2 有効性の検証

 御津郡御津町立御津中学校,倉敷市立福田中学校,総社市立総社東小学校等で新規に実践を行う。校内研修の評価は,教職員の研修ポートフォリオから対象となった教師がメタ認知した事項を整理分析することで開発した研修パッケージの質的評価を実施する。
  実践実証授業による有効性の検証は,自作アンケートを因子分析して得た因子が,授業の前後で有意差が認められるかどうか検定を行って見方・考え方の変化を評価する。また,今年度は情報教育の目標達成状況を,児童生徒のアンケートや授業の中での返答の様子や学習成果の発表内容を基に,評価・分析する。
  今年度のプロジェクトでは,1.「 教員研修の期間短縮と低コスト化」を目的とした ディジタルコンテンツ活用スキル向上のための手だてのパッケージ化,及び2. 他校種で の授業実践 の2観点で,汎用性の向上を目指し,普及啓発することをねらいとして昨年度に継続して取り組むこととする。



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