岐阜県内の実践協力校で実証実験を行い,13の実践事例を収集した。
学校名 | 教諭 | 学年 | 実践単元名・タイトル | |
1. | 岐阜大学教育学部附属小学校 | 渡辺勝敏 | 小2 | 「かけ算(1)」 |
2. | 岐阜大学教育学部附属小学校 | 酒井 茂 | 小4 | 「式と計算」 |
3. | 岐阜大学教育学部附属小学校 | 大門佳孝 | 小3 | 2学期までの復習 |
小3 | 「大きな数」 | |||
4. | 羽島市立堀津小学校 | 横山政司 | 小1〜6 | 基礎的・基本的な力を鍛えるプリント学習 |
5. | 川島町立川島小学校 | 埴岡靖司 | 小5 | 小数でわる計算 |
小5 | 分数と小数,整数 | |||
6. | 大垣市立静里小学校 | 宇野芳彦 | 小6 | 算数プロジェクトで楽しく学ぼう |
7. | 大垣市立赤坂小学校 | 近藤 満 | 小4 | 2学期の復習 |
8. | 輪之内町立大薮小学校 | 岩田締慧 | 小6 | 比の活用 |
9. | 坂内村立坂内小学校 | 松田正直 | 小5 | 算数の力だめし |
10. | 岐阜市立藍川北中学校 | 笠原康弘 | 中1 | 『冬休みの課題としての利用』〜弱点補強プリントを併用した,システムの活用〜 |
11. | 岐阜大学教育学部附属中学校 | 安藤忠展 | 中1 | 小中関連を意識した「比例」の指導のあり方〜学習プリントとWindows版関数ドリルの併用〜 |
12. | 平田町立平田中学校 | 牛丸関典 | 中1 | 中学校における小学校算数学習の定着 |
13. | 大垣市立大垣西中学校 | 川地保昌 | 中3 | 楽しく学ぼう! 算数力だめし 利用の報告(中学校選択数学の場合) |
実践授業の指導案を以下にあげる。詳細は付録を参照のこと。
- タイトル
2年生 単元「かけ算(1)」 (平成14年12月実施)
- 概要
「かけ算(2)」の単元末に,文溪堂のホームページ「力だめし」の印刷ページとオンラインページを教材として用いる。最初に,印刷ページの問題を児童が取り組む。間違えたところは,再度問題に取り組み,教師とともに答えやその根拠を確かめあう。プリントは個人ファイルに綴り,オンラインドリルに挑戦する。
- 指導計画
過程 | 学習内容・活動 | 指導上の留意点 | 評価・配慮事項 | 教 材 |
導 入 |
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HP「力だめし」より印刷した問題プリント集 | |
展 開 |
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「力だめし」オンラインドリル |
まとめ |
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- 授業の成果
- 問題に対して,自信を持って解くことが出来る児童が増えた。
- 問題をうまく解くことができなかった理由を自分で振り返り,考えを修正して問題を解くことが出来た。
- 2名の教師で指導にあたったことにより,個の取り組みをよく把握し,指導や援助に時間をかけられたことから,有効な手だてとなった。
- 教師が適切な指導・助言を行うことに力を入れられた。
- 個の進度に合わせて,学習に取り組めた。
- 今後の課題
個の把握をするのに,教師1人に対して20人が限度だと考える。
また,今回用いたオンラインドリルやプリント集の内容を,復習を中心にした学習で用いる場合は,比較的に易しいものであるから,問題量や難易度などが豊富になるとよいかもしれない。
- タイトル 4年生 単元「式と計算」(平成15年1月実施)
- 概要
「式と計算」の単元末に,文溪堂のホームページ「力だめし」の印刷ページとオンラインページを教材として用いる。最初に,印刷ページの問題を,パソコンで答え合わせをする。その後,プリントは個人ファイルに綴り,オンラインドリルに挑戦する。特に,評価のあり方について実践したいと考える。
- 指導計画
過程 | 学習内容・活動 | 指導上の留意点 | 評価・配慮事項 | 教 材 |
導 入 |
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HP「力だめし」より印刷した問題プリント | |
展 開 |
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「力だめし」オンラインドリル |
まとめ |
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- 授業の成果
- 確認したプリントは「力だめしプリントファイル」にとじ,これまでのプリント同様に自分の成果として残すようにしている。これにより,自分でも得意な分野・不得意な分野を見極めることができ,これからの学習に生かすことができる。
- 多くの児童が,プリントをやることに抵抗を感じずやった分だけ自分に返ってくることが実感できた。答え合わせも自分のペースで行うことができ,個別学習としての利用価値は高い。質問をメールで受けるようにしておけば自習でも十分使える。
- 今後の課題
- プリントでやった問題にも自分で履歴がつけられるようにするとさらに個人のデータとなる。
- オンラインドリルで,指定された「もどる」でもどらず,ウェブの「戻る」を利用することにより,間違いの履歴を残さず正解の履歴のみ残すことが可能である。はじめは偶然児童が見つけたことであるが,できることを知るとそれを巧みに利用している児童もいた。
- タイトル
3年生 算数2学期までの復習(平成15年1月実施)
- 概要
文溪堂のホームページには「力だめし」がある。この教材にある問題集から,学習プリントファイルを作成し,個人のペースに合わせて問題を解く。この学習を週に1時間設け,学習済みの内容について基礎的・基本的な知識や技能を身に付けることをはかる。
なお,実践は少人数指導で行い,個々にあわせた指導の在り方を検討することも含まれる。
- 指導計画
過程 | 学習内容・活動 | 指導上の留意点 | 評価・配慮事項 | 教 材 |
導 入 |
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HP「力だめし」より印刷した問題プリント集 | |
展 開 |
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まとめ |
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- 授業の成果
- 問題に対して,自信を持って解くことが出来た。
- 問題をうまく解くことができなかった理由を自分で振り返り,考えを修正して問題を解くことが出来た。
- 個の進度に合わせて,学習に取り組めた。
- 今後の課題
個の把握をするのに,教師1人に対して20人が限度だと考える。
また,プリントを子どもに預けると,意欲のある子は1日で解いてくる。答え合わせの在り方をどのようにするとよいか考えなければならない。また,印刷の手間があり,児童が打ち出せるとよいと考える。
- タイトル 3年生 単元「大きな数」(平成15年2月実施)
- 概要
「大きな数」の単元末に,文溪堂のホームページ「力だめし」の印刷ページとオンラインページを教材として用いる。最初に,印刷ページの問題を,間違いがなくなるまで児童が取り組む。後に,プリントは個人ファイルに綴り,オンラインドリルに挑戦する。特に,評価のあり方について実践したいと考える。
- 指導計画
過程 | 学習内容・活動 | 指導上の留意点 | 評価・配慮事項 | 教 材 |
導 入 |
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HP「力だめし」より印刷した問題プリント集 | |
展 開 |
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「力だめし」オンラインドリル |
まとめ |
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- 授業の成果
- 問題に対して,自信を持って解くことが出来る児童が増えた。
- 問題をうまく解くことができなかった理由を自分で振り返り,考えを修正して問題を解くことが出来た。
- 少人数指導を用いて,1名の教師が20人に対応するようにしたが,個の取り組みをよく把握し指導や援助に時間をかけられたことから,有効な手だてとなった。
- 教師が個の千万の位までの数の表し方,読み方,位取りとその構成を理解しているかを評価し,適切な指導・助言を行うことに力を入れられた。
- 個の進度に合わせて,学習に取り組めた。
- 今後の課題
個の把握をするのに,教師1人に対して20人が限度だと考える。
また,今回用いたオンラインドリルやプリント週の内容を,復習を中心にした学習で用いる場合は,比較的に易しいものであるから,問題量や難易度などが豊富になるとよいかもしれない。
- タイトル
全学年 基礎的・基本的な力を鍛えるプリント学習
- 概要
本年度新学習指導要領の本格的な実施にともない,基礎・基本のさらなる定着が叫ばれる中,学校裁量の時間に学習を支える基礎的・基本的な力を鍛える時間(15分ずつ週2回)を新しく設定した。その中で学習プリントを使い自分の力や習熟度に合わせ,自らプリントを選択し,自ら答え合わせをして間違いを直し,自らのペースで学習を進めていく。この時間は担任を中心として加配教員をはじめ,教頭や教務も各学級を回り指導・援助にあたる。
- 指導計画
過程 | 学習内容・活動 | 指導上の留意点 | 評価・配慮事項 | 教 材 |
導 入 |
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展 開 |
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まとめ |
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- 学習評価の方法とその結果
- 学習の進み具合は個人によって違うが,やり終えたプリントをファイリングすることで,担任が確認することができた。また,個々では取組表に記入することで自己評価している。
- 学期の終わり頃に,評価問題による振り返りテストを行っている。
- 苦手を克服することに目を向けて進めることができた。
- 上位の児童に関しては,プリントの数だけでは対応できないため,百マス計算などの取り組み時間にも目を向けて評価できるようにした。
- 授業の成果
- 個々に応じた学習プリントを選択することで,どの子も学習に真剣に向かうことができるようになった。
- 低次の児童の取り組み姿勢が意欲的になり,学習習慣も含めて少しずつではあるが,確実に力を見に付けてきている。
- パソコンを使うことでプリント作成の労力が軽減され,学年に応じた多様なプリントが準備でき,個の選択範囲が増えることで取り組みをズムーズに進めることができた。
- 今後の課題
- 来年度は取り組みの時間を増やす。
- 取り組みの成果を具体的に検証できるようにする。
- タイトル 5年生 小数でわる計算(平成14年11月実施)
- 概要
岐阜県・算数コンテンツ活用法改善プロジェクトの作成した「楽しく学ぼう 算数力だめし」のWebページや岐阜県学園学習室のWebページを用い,小数でわる,わりきれる計算の問題を解き,理解を深める。本実践では,少人数学級で算数学習を進めているので,その進度の調整に活用した。
- 指導計画
過程 | 学習内容・活動 | 指導上の留意点 | 評価・配慮事項 | 教 材 |
導 入 |
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展 開 |
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まとめ |
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- 学習活動の実際
最初の学習プリントは,Webページのものを教師が印刷をした。問題を解くスピードが個によって違うので,できた児童から,Webページで答えを表示して答え合わせをした。ゆっくりの児童には,教師が援助に当たることができた。
出来上がった児童から,Web上の確かめ問題に取り組む。じっくり考えて解答し,「正解」の画面が出ると大変喜び,達成感がもてたようである。正解した児童は,今までの学習の確認問題に取り組もうと,進んでWeb教材に向かっていた。
また,授業時間にできなかった児童は,教室でWeb教材に取り組んでいた。
- 授業の成果
- 関心を持って学習に取り組む姿勢がついた。
- 理解度に応じて,自主的に学習を進めることができた。また,近くの児童と教えあいながら進めることができた。
- プリントを使って,自主的に学習する方途が身についた。
- 児童のよって,学び方が違うことが明確になった。
- 少人数指導で,他方のクラスとの時間調整に活用できる。
- 今後の課題
- 理解度が明確になると,1人の教師では対応できないこともある。TTを採り入れるなど,指導法の改善を図りたい。
- プリントの学習履歴を残すようにしたい。
- タイトル
5年生 分数と小数,整数(平成14年12月実施)
- 概要
岐阜県・算数コンテンツ活用法改善プロジェクトの作成した「楽しく学ぼう 算数力だめし」や岐阜県学園学習室のWebページを活用して,分数を小数,整数で表すことができるように繰り返し学習を行うことができるように,分数はわり算を使って小数や整数に表すとよいことを理解するための練習問題に取り組んだ。
- 指導計画
過程 | 学習内容・活動 | 指導上の留意点 | 評価・配慮事項 | 教 材 |
導 入 |
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展 開 |
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まとめ |
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- 学習活動の実際
最初の学習プリントは,Webページのものを教師が印刷をした。問題を解くスピードが個によって違うので,できた児童から,Webページで答えを表示して答え合わせをした。ゆっくりの児童には,教師が援助に当たることができた。
出来上がった児童から,Web上の確かめ問題に取り組む。じっくり考えて解答し,「正解」の画面が出ると大変喜び,達成感がもてたようである。正解した児童は,今までの学習の確認問題に取り組もうと,進んでWeb教材に向かっていた。
また,授業時間にできなかった児童は,教室でWeb教材に取り組んでいた。
- 授業の成果
- 分からない児童に,個別に対応ができた。
- 理解度に応じて,自主的に学習を進めることができた。
- 今後の課題
- 理解度が明確になると,1人の教師では対応できないこともある。TTを採り入れるなど,指導法の改善を図りたい。
- プリントの学習履歴を残すようにしたい。
- タイトル
6年生 算数プロジェクトで楽しく学ぼう(平成14年12月実施)
- 概要
学習のまとめとして,WEBにある算数コンテンツを自主的に活用して楽しく学習するとともに,基本をしっかり身につけ,学習を進めていく。
- 指導計画
過程 | 学習内容・活動 | 指導上の留意点 | 評価・配慮事項 | 教 材 |
導 入 |
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自分の弱い単元を選んでいるか。 | 人数分印刷したプリント |
展 開 |
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意欲的に進めているか。 | 人数分印刷した答えのプリント |
まとめ |
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意欲的に取り組んでいた児童の様子を紹介する。 | 解説書 |
- 学習活動の実際
- 力だめしプリントの一覧表を児童に用意して,今の進度状況を把握させた。
- 専用ファイルにプリントを綴じて蓄積する方法をとった。
- WEBにある確かめ問題は教室のノートPC1台からアクセスまたは,PCルームへ移動して行った。
- 学習評価の方法とその結果
- 授業の成果
2学期の単元で自分が分からなかったところを中心に選択して,行ったことによって内容の再確認をすることができた。授業→ドリル学習→評価テスト→力だめし問題(練習問題・確かめ問題・チャレンジ問題)という基礎基本には欠かせない手厚い繰り返しの学習を設定することができた。
- 今後の課題
- 算数学習の流れを児童自身が掴んで,自主的かつ意欲的に取り組み,基礎基本の学習がどの子も身につけられるように,さらに活用を進めたい。
- 習熟度別のクラスを想定して,どう活用していくかについても考えていきたい。
- これからへの提言
- 児童はゲーム感覚的な5択問題を好んで取り組んでいた。できれば,これを増やす方向でお願いしたい。
- WEBにある数々の問題の個人の学習履歴が残るようなシステムがあると,指導援助の面でも評価の面でもさらに利用しやすくなると考えられる。
- タイトル
4年生 算数2学期の復習(平成14年12月実施)
- 概要
楽しく学ぶ算数プロジェクト「力だめし」を利用して,4年生2学期に学習した「グラフと表」「およその数」「2けたでわる計算」「角」「分数」の中から,自分の理解を確認するために問題に挑戦する。
- 指導計画
過程 | 学習内容・活動 | 指導上の留意点 | 評価・配慮事項 | 教 材 |
導入 |
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プリント見本を用意する |
展 開 |
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「力だめし」から印刷したプリント |
まとめ |
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- 学習活動の実際
- 学習プリントの一覧を提示し,どのような内容の問題があるのかを確認した。
- 教科書と一覧をみて,本時,自分が取り組む単元を選び,「およその数の四捨五入をマスターしよう。」など自分の課題をきめた。
- 事前に印刷しておいたプリントを選び学習を進める。答えを事前に印刷したものを使った。
- 今回はTTで指導したので教師1名がおたすけコーナーで指導にあたり,他の1名は巡視しながら指導した。
- 確かめの問題については,今回は紹介するにとどまった。
- 学習評価の方法とその結果
「関心・意欲・態度」・・自分の課題に対して進んで取り組めたか。
「知識・理解」・・・・・プリントを正しくできたか。
- 授業の成果
2学期のまとめとして自分の自信がなかった単元を中心に学習を進めることができ学習内容を確認することができた。
- 今後の課題
完全にWEB上から児童に選ばせ学習を進めることを想定した場合,コンピュータの台数が限られプリントアウトするにも時間がかかる。そのため,効率的な学習を進められるよう工夫が必要である。
- タイトル
6年生 比の活用(平成14年12月実施)
- 概要
楽しく学ぼう!力だめしのWebページには,算数のプリント教材がPDFファイルで,デジタルコンテンツとして公開されている。
6年算数 比の単元で,比の性質を活用して問題を解くことが求められている。ここでは,いろいろな問題に取り組むことで活用の方法を理解させていきたいと考える。そのために,プリント教材を利用することで,学習の個別化が図ることができ,進度の遅い児童に対して教師の個別指導が可能となり,個に応じた学習指導ができる。
- 指導計画
過程 | 学習内容・活動 | 指導上の留意点 | 評価・配慮事項 | 教 材 |
導 入 |
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展 開 |
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まとめ |
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- 本時の評価基準
数量や図形についての表現・処理
・等しい比を活用して実際の高さなどを求める問題を処理できる。
数学的な考え方
・等しい比のきまりを活用して,木の高さを求めることができる。
- 留意事項
児童が自由に教材をプリント出力できるようにリンクを貼っておくと便利である。プリント教材を利用して,習熟を図ると個々の学習進度が異なるため,チェック表を準備するとよい。
- タイトル
5年生 算数の力だめし(平成15年1月実施)
- 概要
算数の授業の終末場面で,学習内容の一般化や定着や評価を図るのに,この力だめしを利用した。力だめしは練習問題と確かめ問題とチャレンジ問題がある。
- 指導計画
過程 | 学習内容・活動 | 指導上の留意点 | 評価・配慮事項 | 教 材 |
導入 |
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展開 |
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まとめ |
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- 学習評価の方法とその結果
児童が解いたプリントを見て,評価する。
その結果,学習したことと同様の内容の問題が全員解けた。
- 授業の成果
授業での内容を定着させるのに役立った。
- 今後の課題
練習問題1枚の中に,複数の設問があってもよいが,設問の内容が,3種類あるので,1枚の中には1種類の内容にしたい。
- タイトル
1年生 『冬休みの課題としての利用』〜弱点補強プリントを併用した,システムの活用〜(平成15年1月実施)
- 概要
冬休み前に,システムの概要を伝え,「算数力だめし」の4年〜6年の練習問題のみを抜粋し,そこから,【分数編】,【図形編】,【グラフ・比編】の3つの問題集を作成した。生徒には,これを《弱点補強のための冬休みの宿題》として与え,3学期に入ってから,コンピュータ室のパソコンで個々にシステムに接続し,確かめ問題に挑戦させた。本時は,その授業の様子についてまとめたものである。
- 指導計画
過程 | 学習内容・活動 | 指導上の留意点 | 評価・配慮事項 | 教 材 |
導 入 | ○サイトへの接続方法を理解する。 ◎課題 【間違った部分を確実に理解しよう】 |
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展 開 |
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接続しない時に使う,「算数力だめしテキスト」 |
まとめ |
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- 学習者の反応・学習者からの質問
【最初にシステムについて話した時の感想より】
「今日,数学の時間に,自分の家でも先生に質問したりできる,次世代の授業みたいな話を聞きました。家にパソコンがあるので,やってみたいなーと思いました。」
「今日の授業で,私がみんなの代表でやってみました。あまりパソコンに慣れていないので,ちょっととまどったけど,楽しかったです。中学1年生用のページができたらやってみたいなあと思ったし,家にもパソコンがほしいなーと思いました。」
- 学習評価の方法とその結果
- テキストを回収し,どれだけできたか,調べる。
- ノートの感想から,意識を調べる。
⇒授業をやったばかりで,未調査である。
- 授業の成果
- 全員が同時に接続できないという環境にありながら,順番を守って接続し,残りの生徒は,テキストを通して問題を解いていた。
- タイトル
1年生 小中関連を意識した「比例」の指導のあり方
〜学習プリントとWindows版関数ドリルの併用〜(平成15年1月実施)
- 概要
比例の学習は小学校の6年生に基礎的な内容を行い,発展的に中学校1年「比例と反比例」の単元で学習し,1次関数,2次関数へと系統的に指導していく必要がある。そこで,小学校の比例の学習として,学習プリント,中学校1年生には,Windows版関数ドリルを開発し授業に位置づけ,系統的に学習していくようにした。本校は,インターネット接続は5MBの光ファイバーで常時接続が可能であり,校内に140台の端末がある。これらを有効利用することも考えた。
- 指導計画
過程 | 学習内容・活動 | 指導上の留意点 | 評価・配慮事項 | 教 材 |
導 入 | ○小学校の比例の学習内容の復習をする。 ◎中学校での比例は… |
Web画面の表示方法を確認する。 | 数楽Web教材から力だめしのサイトへのリンク | |
展 開 | 1階から2階までの高さは5mで,1秒間に20cm上昇するエスカレーターがあります。 エスカレーターに乗ると,時間の経過にともなって,どんな数量が変わっていくでしょうか。 表,式,グラフを使ってまとめていく。 |
自分の考えをノートにまとめていく。数楽Web教材やシミュレーションなど自分なりの方法で課題追究していくように指導する。 2時間目では,ホワイトボードなどを使いながら自由交流学習を行い,自分の考えを深めていくようにする。 |
各自のノートから,追究状況を把握する。 交流の中から,自分の考えを見つめ,深めた部分について振り返り記述する。 |
数楽Web教材 中数研シミュレーション |
まとめ | ともなって変わる2つの数量の関係を調べるには,表,式,グラフを使ってまとめるとわかりやすい。 | 自分の言葉でまとめるように指導する。 | ノートの記述から,学習状況を把握し,次につなげる。 | Windows版中学校数学ドリル |
- 学習活動の実際
40人一斉にweb上で学習プリントを表示しようとしたら,ビジー状態となり,表示不能になったマシンが何台かあった。時間調整をして,ずらして表示することによって対応することができた。
- 授業の成果
- このプリントと通常の授業との連携を意識して行った。比例は,小学校・中学校との関連もあり,小学校の復習用としての明確な位置づけを行うことにより,生徒の意欲も高かった。家庭でのインターネット接続率100%であるので利用しやすい環境であり,継続的な使用により,効果が上がると思われる。
- 今後の課題
- 基本的な問題や難易度の高い問題など,多様な問題を提供することが可能になるといいのではないだろうか。
- 本校では,140台同時に接続可能でもあるので,一斉につなげた時のサーバーの負荷が耐えられる状況であるのかどうかが問題である。
- タイトル
3年生 中学校における小学校算数学習の定着(平成15年1月実施)
- 概要
中学校数学の学習では,小学校算数で身に付けた力が不可欠である。生徒の中には算数での学習が十分理解されないまま現在に至っているものもいる。そこで,中学校の学習の中で,算数をふりかえり確かなものにするために実践をした。1学級の生徒がパソコン室に入り,生徒自身に「算数の学習の中ではっきりわからなかったり,もう少し学習してみたいところを自分で選ぶ」ように助言をした。
- 指導計画
過程 | 学習内容・活動 | 指導上の留意点 | 評価・配慮事項 | 教 材 |
導入 |
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算数評価コンテンツ |
展 開 |
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まとめ |
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- 学習活動の実際
- 実践した複数の学級のうち,1学級の実践時に衛星インターネットに不具合が生じ,急遽ISDN回線での接続で行うことになった。そのため,新しいweb画面が表示されるまで数分かかる状態となり,一人の生徒あたり5ページ程度の学習しかできなかった。衛星インターネットで接続できた他の学級は支障なく行えたため,十数ページの学習ができた。
- 「速度・距離・時間」のふりかえりを多くの生徒が選択していた。教師や仲間と共に問題の意味を考えて,復習としての効果をあげることができた。
- 「見積もる」の意味が理解されていないようであった。教師の助言により問題を解決した。
- 授業の成果
小学校の復習をする時間をとる意義は大きいと感じた。ただ,限られた時間数の中で確保することは現実には難しい。
- 今後の課題
PDFファイルで保存をしてあるため,それを読むためのソフトがなければ閲覧ができない。実践前に試行をしてみたところ,本校のすべてのパソコンで読むことができなかった。無償でダウンロードができるが,40台のパソコンすべてに行う手間がとてもかかった。
- タイトル
3年生 楽しく学ぼう! 算数力だめし 利用の報告(中学校選択数学の場合)(平成14年12月実施)
- 概要
計算に対してあまり自信のない中学3年生を対象に小学校の基本的な計算等をこの「楽しく学ぼう! 算数力だめし」wb教材を実践した。
- 授業展開の基本的な考え方
選択履修教科としての数学を受けている生徒20名の中から特にコンピュータを利用した学習を自ら希望した中学3年生4名に対して行う。中学3年生であるので細かい説明等は一切しないで,始めから練習問題に取り組ませ,つまづいた時のみ教師が対応することとした。
- 学習目標
自分が選んだ問題を確実に解けるようにする。
- 指導計画
過程 | 学習内容・活動 | 指導上の留意点 | 評価・配慮事項 | 教 材 |
導入 | ○アドレスを入力して,接続方法を理解する。 ◎課題 【小学校6年生の問題を完璧に克服しよう】 |
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展 開 |
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まとめ |
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- 授業の成果
小学校の基本的な計算を改めて確認することができた。
- 今後の課題
生徒がつまづいた時に教師にメールを送るのであるが,自宅学習を考慮するときには,教師から生徒に対して,つまづきの原因をメールで送り返すことができると土日の連休にも学習が成り立っていく。PDFが立ち上がるまでに時間がかかるために生徒は,途中で止めて戻ってしまうことがあった。中学3年生にとっては,易しい内容であったので今後中学校の内容を掲載していく必要がある。
- これからへの提言
メールの返信欄があるとよい。つまり家庭において実践した場合に,先生にメールを出すが,その後の対応ができない。電話を使えばよいのかもしれないが,長期休暇中の利用を考えると返信ができるとよい。