産業界との協力授業
HOME 掲載情報一覧 産業分野別 学校種別 実施地域  
授業情報
実践事例
   
実施した教育機関・
  生徒数・実施日
  実施した教科・単元  
  授業概要  
  授業のねらい  
  授業内容  
  実施環境  
  使用教材  
  授業の感想  
 
実践事例
ピアノ製造を通して学ぶ物つくりと環境保護および
世界との関わり
実施した教育機関・生徒数・実施日

■静岡県浜松市立竜禅寺小学校

学年

クラス

生徒数

実施日

合計授業時間

6年生

2クラス

各36名 計72名

平成13年11月14日(水)、平成13年12月13日(木)

全15時間


主な学習活動と内容

時間

1

 ピアノ部品がどこから来たのかを調べる活動を通して、日本と外国が密接に結びついていることを知る。

2

 外国の中から、日本と結びつきの深い国から1カ国を選び、その国の人々がどのような生活をしているか調べる計画を立てる。

3

 自分が選んだ国について調べる

4

 調べたことを発表する

5

 世界の様々な国の人々と共に、日本人がどのような活動を行っているのかを考える。

6

 青年海外協力隊の人たちの働きを見る。国際連合の働きを考える。戦争と紛争を考える。

7

 地球の様々な環境問題を知り、環境保全のためにどのような努力をしたらよいのかを考える。ピアノ工場における環境を守る取組について工場見学を行ったり講師の話しを聞いたりする。

15


  ▲ページトップ
実施した教科・単元

■静岡県浜松市立竜禅寺小学校

学年

教科名

単元

小学校6年生

社会

「社会の中の日本」


  ▲ページトップ
授業概要

■概要

小学校6年社会科では、「我が国と関係の深い国の生活や国際社会における我が国の役割を理解すること」(学習指導要領6年社会科)がねらいとされている。本授業では当社の研究所・製造部門の講師がピアノの部品の材料を見せたり触れたりさせ、それら原材料のルーツをデジタルコンテンツを使用しながら探ることで、外国から輸入されていること、逆にそうした材料を使ってつくられたピアノの完成品は外国へ輸出されていることを説明し、世界の国々との関係を理解させる。また、竜洋工場の見学は敷地内の複数の環境配慮施設をポイントとしたウォークラリー形式で行い楽しみながら環境問題を学ぶ。

 

▲ページトップ

授業のねらい
・最初の1時間
学校にある身近なピアノという楽器でも、世界の国々とつながりがいかに深いかを感ずかせることにより、「我が国と関係の深い国の生活や国際社会における我が国の役割を理解すること」(学習指導要領6年社会科)を目標とした単元の展開への最初のキッカケを作る。

・後半の4時間
ピアノ工場で働いている工員、世界最高峰の音づくりの研究者、ピアノ工場におい
て地球の環境を守るための取組みをしている工場現場担当者と対談・体験すること
により、日本と他国のつながりの深さや地球環境を守ることの大切さを理解する。
  ▲ページトップ
授業内容

実施単位

テーマ

1回目

企業の講師が学校を訪問し、音楽室のピアノを教材のベースにし各人にピアノ主要部品のサンプルを例示しながら物づくり・音づくりのノウハウを話したり、実演をしたり、パソコンを使ってピアノの原材料のふるさとのデジタル情報などを検索させる。

静岡県浜松市の主要な地場産業の1つであるピアノ産業が、企業ではたらく講師を通じて生産、流通、販売面で世界的に物や文化の交流があることを認識させる。


実施場所

竜禅寺小学校

実施時間

45分

講師

株式会社 河合楽器製作所

使用教材

・HTMLで作成した調べ学習用資料地図

 木材、羊毛、鉄材の静止画、動画を物別に整列し

 調べ学習に供する。  

・ピアノ部品:ハンマー、フェルト、ウィペン(部品)羊毛  生徒全員に配布

・響板 1枚

・カットサンプル(グランドピアノアクション) 6セット


授業の進行・内容
授業の様子

■進行
ピアノ部品がどこから来たのかを調べる活動を通して、日本と外国が密接に結びついていることを知る。

■内容
ピアノ部品の"ハンマー"を配布し、何かを問いかける。

グランドピアノを少し分解し鍵盤機構を手前に引き出して"ハンマー"がどの部分か説明。

鍵盤機構を元にもどして児童をピアノの回りに集め、鍵盤を叩いて"ハンマー"が弦を打って音を出していることを確認させる。

"ハンマー"の白いところは何でできているかの問いかけ。

羊はどんな動物か調べてみよう。

どこの国にいる?

イギリスにもたくさんいる。

羊の毛をこうした国々から輸入してフェルトを作っていることを説明し、フェルトを配布。

これをハンマーに巻きつけるが硬くて曲がらないことを確認。

羊毛を配布し、フワフワにしてから湿った手でまるめると硬くなることを実験。

フェルトも機械でこうして作る。

工場での機械作業をコンピューターで見せる。

響板実物を見せる。

自然にはこんなに大きな木はあまりないので細い板を何枚もつなげて作っていることを説明。

ピアノの音はこの響板があってはじめて大きく響くことを説明。

響板は松の木で出来ており、アラスカ、ドイツ、イタリアから輸入していることを説明。

このように、ピアノの材料はいろいろな国から輸入されて日本に来て、日本でピアノになり、完成したピアノは国内はもちろん、逆にアメリカ、オーストラリア、ヨーロッパに輸出されていることを説明。

すぐそばにある河合楽器もこういうふうに世界と結びついている。

環境のニュース、自然破壊、放射能、汚水漏れ

などについてしつもん。

身近なところでは工場の騒音、地球規模では温暖化やオゾン層破壊、ダイオキシン問題などを解説しながら説明。

河合楽器ではずっと前から環境を大切にする工夫をしている。

次回、工場見学で勉強することを予告。

 

児童も叩いてみる。

 

 

「動物の毛」

「羊の毛」

羊をコンピュータで調べる。

「オーストラリア」

コンピュータでオーストラリア、イギリスを確認。

フェルトを曲げてみるが、硬くてまがらない。

コンピューターの世界地図でアラスカ、ドイツなどの場所を確認

 


実施単位

テーマ

7回目

ピアノ工場で働いている工員、世界最高峰の音づくりの研究者、ピアノ工場において地球の環境を守るための取組みをしている工場現場担当者と対談・体験することにより、日本と他国のつながりの深さや地球環境を守ることの大切さを理解する。


実施場所

(株)河合楽器製作所 竜洋工場(静岡県磐田郡竜洋町)

実施時間

4時間

講師

株式会社 河合楽器製作所
竜洋工場

使用教材

・工場パネル(20年前の工場と比較) 1枚

・パスポート、工場絵地図 生徒全員に配布

・ピアニストによるミニコンサート


授業の進行・内容
授業の様子

■進行
地球の様々な環境問題を知り、環境保全のためにどのような努力をしたらよいのかを考える。ピアノ工場における環境を守る取組について工場見学を行ったり講師の話しを聞いたりする。

■内容
・1クラスを6班に分け2クラスで計12班(5−6名)で活動。

 グループ1(1−6班)ウォークラリー後工場見学

 グループ2(7−12班)工場見学後ウォークラリー

・ウォークラリー

竜洋工場で環境に配慮している設備や場所をウォークラリー形式で探し当て各ポイントにいる工場関係者から説明を聞き質問をする。各ポイントでパスポートにスタンプを押してもらう。

ポイントは6箇所で廻る順番は自由 (1) 木屑ボイラー:工場から出る廃材を燃やし、そのエネルギーを工場内で再利用。

  (2) ゴミの分別:紙、プラスチック、ガラス、金属の分別。

  (3) 騒音測定:騒音測定装置を使って値を調べる。

  (4) 油のタンク防油堤:油があふれない工夫とあふれた場合の影響を考える。

  (5) 木々の育成:工場建設時から将来を考え、敷地内に多くの樹木を植え育成している。工場設立時の20年前の写真パネルと比較。

  (6) 調整池:大雨になったら大洪水になる。人口の池を工場内につくり少しづつ流すような工夫。

 


  ▲ページトップ
実施環境

実施場所

【1回目】竜禅寺小学校

使用した機器

音楽室に設置してあるグランドピアノ 1台 、プロジェクター・スクリーン・全体説明用パソコン 各1台、パソコン(デジタル情報検索用LAN端末) 4台


実施場所

【7回目】(株)河合楽器製作所 竜洋工場(静岡県磐田郡竜洋町)

グランドピアノ製造工場


 

▲ページトップ

使用教材

教材タイトル

【1回目】

教材仕様

・HTMLで作成した調べ学習用資料地図

木材、羊毛、鉄材の静止画、動画を物別に整列し調べ学習に供する。

・ピアノ部品:ハンマー、フェルト、ウィペン(部品)羊毛  生徒全員に配布

・響板 1枚

・カットサンプル(グランドピアノアクション) 6セット


教材タイトル

【7回目】

教材仕様

・工場パネル(20年前の工場と比較) 1枚

・パスポート、工場絵地図 生徒全員に配布

・ピアニストによるミニコンサート


 

▲ページトップ

授業の感想
・最初の1時間
■教師から 企業の方が体験的に学ぶ機会を与えてくださったことが奏効し、子供たちが身近な世界の国の人のことを調べる学習に取り掛かることができた。

実際にかかわっている人や物を通して体験的に学ぶと、学習内容を現実的なこととして捕らえることができてよいと思う。

■講師から 子供の自主性を高める工夫を今後授業の中でうまく取り入れていけたら良いのではないかと思います。

オブザーバー これまでは資料集や教師の話が中心であったが、実物に触れたり、その場で説明を受けたりすることで理解が深まった。

講師の授業実施は一発勝負は無理があるため2、3回と繰り返すことにより先生・講師の役割も明確になり子供たちもスムーズに溶け込める気がした。

講師の授業実施は一発勝負は無理があるため2、3回と繰り返すことにより先生・講師の役割も明確になり子供たちもスムーズに溶け込める気がした。

子供たちにとっても身近な企業が世界的な取り組みをしていることへの驚きと誇りを感じることができ、産業界にとっても日頃誰にも発信することができず黙々と行っている業務を発信できること自体が喜びとなります。


  ▲ページトップ

・後半の4時間
■教師から

環境ウォークラリーは大変効果があった。 さらにそこから疑問に思ったことに関して深く追求し、調べ学習ができるように工夫したい。

企業が資源・環境に配慮して生産活動を行っていることを学ぶことによって自分も資源・環境問題にもう少し積極的にかかわっていこうとする意欲を持つことができる。

■講師から

工場で取り組んでいる環境を守るための事例をウォークラリー形式で子供たちが直接みて、また体験することで物作りだけでなく別の一面を知ることができた。 通常の工場見学では体験できない場所をコースに組み込んだ点が良かったと思う。


  ▲ページトップ

授業情報 実践事例

All Rights Copyrights(C) Center for Education Computing.