授業情報 実践事例 　 　 実施した教育機関・ 　 生徒数・実施日 　 実施した教科・単元 　 　 授業概要 　 　 授業のねらい 　 　 授業内容 　 　 授業の成果 　 　 実施環境 　 　 使用教材 　 　 授業の感想

林業　森林と環境 ■岐阜県武儀郡板取村教育委員会 ■岐阜県山県郡伊自良村教育委員会 ■板取小学校 学年 クラス 生徒数 実施日 合計授業時間 小学5年 1クラス 17名 平成13年12月10日 3時間 ■伊自良北小学校 学年 クラス 生徒数 実施日 合計授業時間 小学5年 1クラス 12名 平成13年12月14日 3時間 ■伊自良南小学校 学年 クラス 生徒数 実施日 合計授業時間 小学5年 1クラス 28名 平成13年12月14日 3時間 ■伊自良南小学校特種学級 学年 クラス 生徒数 実施日 合計授業時間 小学5年 1クラス 1名 3時間 　 ▲ページトップ 学年 教科名 単元 小学5年 社会科 「わたくしたちの国土と環境」 　 ▲ページトップ ■概要 小学校5年社会科において、「国土の保全、水資源涵養のための森林資源の働き」の理解が学習目標としてあげられている。本授業では「林業」を通してそれらを学んでいくことを目標とする。現在の森の姿を美しい状態と環境の悪化により傷んでいる状態の対比をビデオで鑑賞し、理解と興味を促すためのパワーポイントによる授業を行う。パワーポイントは写真とCGグラフやCG解説図、動画を使用し親しみやすさを重視して制作。間に体験学習として伐採作業などを見学し、のこぎりを使用して丸太を切ったり、苗木を植える植林作業などを行う。最後に再び教室内での同様な手法および裸地と森林での土に水がしみ込む様子の実験を行う講義とエピローグとして明るい未来を示唆する森のレスキュー隊の映像を見せる。林業関係の講師2名により、身近にありすぎて遠い存在になりがちな「水・木・森林」について、森を守る仕事−林業を通して目を向け、考えさせる内容とする。 　 ▲ページトップ ＊学習指導要領に照らし「創意工夫を生かした特色ある教育活動を通し、児童が自ら学び、考えることこそ個性を生む」という考え方を念頭におき、『自然体験、地域社会との交流に加えコンピュータ使用による映像』にて授業を実施する。また本テーマは、環境教育指導資料にも則り、子供たちに林業を通して、我が国の森林資源、水資源そして環境へと興味を促し、さらに国際社会における役割などについての認識を深めさせる内容とする。 ＊教室内の授業では、子供たちは木の使われ方や木ができるまで、森の地球環境保護における役割などを動画、静止画、ＣＧなど映像を中心に学習し、また体験学習では、地域の森林組合の方々に、森の仕事（枝払いや間伐など）を子供たちと共に実施していただくことで子供たちに木を守ること、環境を守ることの大切さを実感させる。 ＊子供たちが、地域の森林組合・製材業者の方々の授業を受けることで、身近にあっても忘れがちな『林業』について、そして「自分自身の将来」のこと、森が、自然が「自分たちの未来」であることを認識させ、考えさせるよう指導する。 　 ▲ページトップ 実施単位 テーマ １時限目 木と人との関わり、林業について（作業内容・流通・人口） 実施場所 −板取小学校 ５年生教室および学校内施設「学校の森」 −伊自良北・南小学校 岐阜県２１世紀の森　森林学習展示館および同屋外 板取村内オートキャンプ場　ＴＡＣランドいたどり 実施時間 1時間 1時間 講師 板取村森林組合 使用教材 ・３分程度の導入ビデオ映像「木と水と森の話」 ・パワーポイント教材 授業の進行・内容 授業の様子 ■内容 ・木の様々な利用、木の利点、欠点など ・板取村について（面積・森林面積・林業・木の種類・貴重な植生など） ＊質問を出し、考えさせながら授業をすすめる。 　 板取小学校授業風景 伊自良北・南小学校授業風景 実施単位 テーマ 2時限目 体験学習 実施場所 −板取小学校 ５年生教室および学校内施設「学校の森」 −伊自良北・南小学校 岐阜県２１世紀の森　森林学習展示館および同屋外 板取村内オートキャンプ場　ＴＡＣランドいたどり 実施時間 1時間 1時間 講師 板取村森林組合 使用教材 小冊子「どんぐり教室」 授業の進行・内容 授業の様子 ■内容 どんぐりのお話 （岐阜県制作の小冊子使用・どんぐりの様々な種類を用意） 伐採見学（林業作業士による伐採実演） 伐採した木をのこぎりで切る体験 各自１本ずつ植樹（コナラ・ミズナラ） 　 板取小学校　どんぐりのお話 伊自良北・南小学校　どんぐりのお話 板取小学校伐採見学(1) 板取小学校伐採見学(2) 板取小学校伐採見学(3) 板取小学校　のこぎり実習　 伊自良北・南小学校　屋外授業風景 板取小学校　植樹風景 伊自良北・南小学校　植樹風景 実施単位 テーマ 3時限目 森のはたらき 実施場所 −板取小学校 ５年生教室および学校内施設「学校の森」 −伊自良北・南小学校 岐阜県２１世紀の森　森林学習展示館および同屋外 板取村内オートキャンプ場　ＴＡＣランドいたどり 実施時間 1時間 1時間 講師 （株）ヤマジョウ建設 使用教材 実験セット 授業の進行・内容 授業の様子 ■内容 ・生活に必要な材料提供 ・光合成　　二酸化炭素を吸収し酸素をはく→地球温暖化と防止 ・緑のダム　水を蓄えるしくみ 　→実験（草の生えている土とただの土との水のしみ込み方、流れ方の違い） ・災害防止　山間部、海岸、都市 ・森林浴　　フィトンチッド 　 ◆森林の危機と保護 ・酸性雨、森林破壊、植林活動 　 ◆木のリサイクル・バイオマスエネルギーなどについて 　 　 板取小学校　授業風景 伊自良北・南小学校　授業風景　実験 　 ▲ページトップ 　やはり子供達にとって１番印象に残ったことは屋外での体験学習であった。 その中でも１番は、やはり植樹である。なれない植林用のくわを使い各自に与えられた苗木を植えていく作業の中で、森の仕事に対する認識、木が育つまでの年月など、木を生き物としてとらえる実感を持ったようである。また山村に暮らす子供達でさえ、伐採の作業を見るのは初めてだったようで印象に残った児童が多かった。伐採した木をのこぎりで切ったり年輪を数えたりの作業も皆一生懸命取り組んでいた。 どんぐりについての感想も多く見られた。（沢山の種類のこと・食べられるものがあることなど）やはり今も昔もどんぐりは子供達の興味対象であるようだ。 教室内の授業においてもビデオ映像、パワーポイントでの授業は子供達が視覚的に感じ、何かをつかむ効果があったと言えよう。５年生位の児童にはパワーポイントに動物キャラクターが登場したり、静止画画面の中に動画を使用したりするものに多く反応が見られた。なかなか１時間近く集中し続けるということは難しいが、比較的良く授業に集中していたのではないかと思われる。 　全体的において、授業内容は３時限の中では少し多かったようである。また少し難しい環境に関する事柄もあり、すべてを理解することは困難であったと思われる。しかし本テーマはこれから３学期の社会科の授業で再び取り組まれる内容であるため、導入的な学習としての成果は得られたと思う。各自の感想は様々で例えば「酸性雨」「地球温暖化」などの少し難しい事柄について記述している児童もあれば、どんぐりについて、植樹のことしか記述していない児童もあるといった具合である。ともあれ授業のねらいであった林業関係の従事者により、「森林・水資源」「森林を通しての環境」や「わたくしたちの国土」について考え、その大切さを認識させることという目的は概ね達成できたといえよう。 　　最後に今回たまたまではあるが、２名の講師の子供が板取小学校の５年生のクラスにおり、父兄による授業というシチュエーションも生まれた。父兄が講師となって行う授業と関係ない講師からの授業を比較することができた。子供たちの感想文を見ると父兄の授業のほうが楽しんでいるようである。こういう授業をもう一度希望する生徒の割合も多いようであった。地域の人々、産業界の人々に加えて父兄による授業というのは、子供たちの心に残るものが多いのではないだろうか。 　 ▲ページトップ 実施場所 ・板取小学校、５年生教室および学校内施設「学校の森」） ・伊自良北・南小学校、岐阜県２１世紀の森　森林学習展示館および同屋外、板取村内オートキャンプ場　ＴＡＣランドいたどり 使用した機器 ・ノートＰＣ、プロジェクター、ビデオデッキ、スクリーン ソフト類 VHSビデオテープ、パワーポイント 　 ▲ページトップ 教材タイトル ＶＨＳビデオテープ 教材仕様 ＶＨＳビデオテープ 教材概要 ・「木と水と森の話」 木々や森、雫、水の流れ、勢い良く落ちる滝。といった美しい映像が、水の音や小鳥のさえずりとともに始まり、やがて酸性雨被害にあった森林・砂漠化そして森林破壊から崩れ落ちる氷山へと映像は変わり問題を提起して終わる。 ・「森のレスキュー隊」 静けさの中、樹齢を重ねた「株スギ」が霧の中から姿をあらわす。斧で木を切る音がひびき、活気のある林業の作業が続く。“森のレスキュー隊”の姿から森林の上空を飛ぶ映像になる。「森を守るのは、人間の使命です」と締めくくる。 教材タイトル パワーポイント 教材仕様 パワーポイント 教材概要 ・第１部（１時限目） 木の文化の国−日本。木の需要量の推移グラフ、木の良い所、悪い所、様々な利用についてのデータ、林業の作業や流通等をＣＧ解説を交えながら動画・静止画で解説。板取村の森や林業についてのグラフ、静止画。 ・第２部（２時限目） 森のはたらきについて静止画・ＣＧ動画・ＣＧ静止画・グラフおよび文字データで解説。 森林の被害について、保護の取組、バイオマスエネルギーなどを静止画・ＣＧ静止画・グラフ・文字データを使用して解説。 教材タイトル プリント 教材仕様 プリント 教材概要 ・パワーポイントの画像に説明コメントを入れたものを作成して各自に配布。 教材タイトル 小冊子「どんぐり教室」（社）岐阜県山林協会発行 教材仕様 小冊子「どんぐり教室」（社）岐阜県山林協会発行 教材タイトル 苗木ミズナラ・コナラ生徒人数分 教材仕様 苗木ミズナラ・コナラ生徒人数分 教材タイトル のこぎり、くわ 教材仕様 のこぎり、くわ 教材タイトル 実験セット（森林と裸地での水の流れ方、しみこみ方の比較） 教材仕様 実験セット（森林と裸地での水の流れ方、しみこみ方の比較） 　 ▲ページトップ ■講師から 授業の雰囲気も良く、話も概ね集中して聞いていた。森と林業、環境に対する認識は得られたのではないか。学校のカリキュラムに合わせた内容であるので学校側との連携が重要。 ■教師から 産業界の方に授業を行っていただくということは、教室内での通常の授業と違い教材の準備や実際の作業を見学・体験したりなどができ、子供たちに興味を持たせ考えさせることができる効果がある。概ね目的を達成できた。今後もこのような授業を行いたい。今回の授業ではかなり内容が多かったのでもう少しテーマを絞って働く人の苦労や抱える課題などに触れると良かったのではないか。 ■教育関係の立場から 教材の準備、リハーサルと時間をかえての授業は学校だけでは行えないものである。子供たちにとって貴重な体験となったのではないか。今後もこのような授業は必要であると思われる。 　 ▲ページトップ 授業情報 ｜ 実践事例

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