産業界との協力授業
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実践事例
快適なくらしを考えよう
実施した教育機関・生徒数・実施日
■吹田市立豊津小学校
学年 クラス 生徒数 実施日 合計授業時間
小学5年 3クラス 111名 平成15年10月3日
平成15年10月9日
平成15年10月10日
平成15年10月17日
平成15年11月6・7日
平成15年11月12・13・20・21・27・28日
1クラスにつき
45分×3回
90分×6回

1クラスでの総授業時間:15時間

■吹田市立古江台小学校
学年 クラス 生徒数 実施日 合計授業時間
小学5年 2クラス 50名 平成15年10月14日
平成15年10月15日
平成15年10月21日
平成15年10月28日
平成15年11月4・11日
平成15年11月18・25日12月2日
平成15年12月12日・17日
1クラスにつき
45分×7回
90分×4回

1クラスでの総授業時間:15時間

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実施した教科・単元
学年 教科名 単元
第5学年 家庭科・総合的な学習の時間 「身の回りを気持ちよく」「わたしたちにできることは」「コンピュータの利用」単元目標として"生活の自立を目指し、家庭生活をよりよく豊かに創造しようとする能力を育成する"

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主催した教育機関
吹田市教育委員会
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授業概要
総合的な学習の時間と家庭科のクロスカリキュラムとして実施する。
毎日の生活の中で、整理整頓や掃除を面倒くさい、嫌いと思う児童が、年々増えている中、教科の勉強としてだけでなく、生活習慣として身につけさせることが必要なテーマでありながらも、掃除に対する意識を高める手立てが見出せないのが学校の現状である。

この授業では、プロとして掃除を実施している株式会社ダスキンの協力を得て、掃除はなぜするのか?の原点から話をしていただき、よごれの種類、健康への影響、掃除の仕方の基礎などを学びながら、プロの掃除を体験し、「面倒で嫌な学校の掃除」という児童の意識を「生活に必要な掃除」という意識へと導いていく。
また、サービスマスターという掃除のプロから、「プロの掃除は、技術に加え、心をこめることがもっとも大切」というプロ意識を伝えていただいた後、掃除について学んだ証として「キッズアカデミー修了証」を授与いただくことで、「学校の中のお掃除リーダーとして学習したことを下級生に伝え、実践しよう」という意欲を高め、クリーン作戦マニュアル(ビデオマニュアル)作成への取り組みにつなげていく。
クリーン作戦マニュアル(ビデオマニュアル)作成のプロセスの中では、児童は自ずと授業全体の振り返りを行うこととなり、また下級生の掃除への意識を高めるための工夫に注力することで、掃除に対して芽生えた意識の変化を再確認させることを目指した。
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授業のねらい
≪授業全体の目標≫
・学校の掃除だけでなく、世の中に必要な仕事としての「掃除」があることに気づかせ、プロの視点から掃除の必要性や掃除方法について、具体的事例を通して学習することにより、「豊かなくらしのための掃除」に気づかせる
・株式会社ダスキンが全国で提供しているサービスを常に高品質・一定基準に保つために行っている様々な工夫について、企業講師から直に話を聞いたり、体験したりすることにより、実社会で生活するために必要な視点に気づいてもらうことができ、産業への積極的な興味を引き出す
・学習した内容を生かし、学校内でのお掃除リーダーとしてのグループ活動を通して学校の掃除を見直し、気づいたこと・考えたことを他の学年に伝えていくことで、情報伝達能力、コミュニケーション能力、自立性などを育成する の3点を大きな目標とし、「人々のくらしを豊かにする」ことをテーマに企業活動を続けている株式会社ダスキンと協力することで、授業実践を行った。

≪各授業の目標≫
第1次授業:「どうしてそうじをしなければいけないのだろう〜Part1〜」
 掃除に対して日ごろの子どもたちの態度や思いを振り返らせ、なぜ掃除をしなければいけないのかを考えるとともに、自分たちが日ごろ、「いかに汚れに気づいていないか」に気づかせ、生活の中での汚れ=掃除の必要性に対する意識をもたせる。
第2次授業:「第2次授業 どうしてそうじをしなければいけないのだろう〜Part2〜」
児童の掃除に対する意識を、家庭や学校などの身近な掃除から、世の中で求められる掃除やプロの掃除に視点を広げ、掃除に対する意識の変化を促すとともに、次の時間からの外部講師による授業に対して期待感を抱かせる。
第3次授業:「プロの視点を学ぼう!」
掃除のプロはどのような方法でプロの技を保っているのか、プロならではの「品質へのこだわり」や「合格基準」の視点を学び、実践につなげる際の「基準づくりの大切さ」を認識する。また、産業界が取り組んでいる環境への努力や工夫を知ることにより、産業界そのものに対する興味関心を高める。
第4次授業:「納得プロの技!」
産業界の講師による実演を見たり、実際にプロの機材を使用してみることで、掃除の基本やコツを学ぶとともに、「技術だけでなく心をこめる」というプロ意識を学ぶ。また、掃除に対する前向きな意欲につなげる。また、掃除について学んだ証として「キッズアカデミー修了証」を各クラスに授与することで、学校内のお掃除リーダーとしての自覚と前向きな意欲の喚起につなげる。
第5次授業:「われらクリーン調査隊!」
第1次〜第4次までの授業を振り返り、学校の「きれい」を維持するために、学んだことをどのように生かせるかを考え実行するとともに、他の学年にも伝えていこうという意欲を持つ。
第6次授業:「クリーン作戦マニュアルを作ろう!」
自分たちの教室だけではなく、学校全体の掃除を考える「お掃除リーダー」として、自分たちが学んだことを他の学年に効果的に伝える方法として、わかりやすいビデオマニュアルを工夫し、完成させる。
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授業内容
実施単位 テーマ
第1次 どうしてそうじをしなければいけないのだろう〜Part1〜

実施場所 吹田市立豊津第一小学校 5年生各教室
吹田市立古江台小学校 5年生各教室
実施時間 45分
講師 吹田市立豊津第一小学校 5年生担任教師
吹田市立古江台小学校 5年生担任教師
使用教材 ・パワーポイントデータ
・使用済み歯ブラシ
・薄めた石けん水
・白いぞうきん(クロス)
・宿題用ワークシート

授業の進行・内容 授業の様子

■進行
 授業の前半部分では、パワーポイント教材を使用し、なぜ掃除をしなければならないのかを考える。後半は、身近な汚れに気づくことを目的に、自分の机をみがく実習活動を行う。

■内容
1. 導入
 「掃除は好きかな?」「学校の掃除は、いつも一生懸命やっているかな?」などの問いかけから、日ごろの掃除に対する態度や思いを振り返るとともに、これからの学習に対する興味関心を高める。

2. どうして掃除をしなければならないかを考える
 パワーポイント教材を使用し、汚れの種類、汚れる原因は何かなどを考えながら、なぜ掃除をしなければならないのかを考えていく。
また、汚れは放っておくとしみになり、取れにくくなることを知り、毎日掃除することの大切さを知る。(掃除をすることで「健康」「快適」「耐久」に非常に意味を持っていることを理解する)

3. 身近なところにある、気づかない汚れにも目を向ける
  毎日使用している机が汚れていると思うかどうかを考える。(結果は「毎日掃除の時間に拭いているからきれい」「汚い」など、分かれる)その後、石けん水・歯ブラシを使用して真剣にみがいてみることで、身近な汚れに気づき、掃除の必要性に対する意識を高める。

4. 宿題
 家の中を「台所」「トイレ」「お風呂場・洗面所」「リビング・居間」「みんなの部屋」「玄関」などに分類し、各場所の汚れを調べる宿題に取り組み、汚れと掃除に対する興味を更に高める。


教室のスクリーンに投影するパワーポイント教材を使用して説明する教師の様子(古江台小学校)
  教室のスクリーンに投影するパワーポイント教材を使用して説明する教師の様子
(古江台小学校)

机の上みがきの様子(豊津第一小学校)
机の上みがきの様子(豊津第一小学校)

机の上だけではなく、机の足や横もみがき始めた児童の様子(古江台小学校)
  机の上だけではなく、机の足や横もみがき始めた児童の様子(古江台小学校)


実施単位 テーマ
第2次 どうしてそうじをしなければいけないのだろう〜Part2〜

実施場所 吹田市立豊津第一小学校 5年生各教室
吹田市立古江台小学校 5年生各教室
実施時間 45分
講師 吹田市立豊津第一小学校 5年生担任教師
吹田市立古江台小学校 5年生担任教師
使用教材 ・教材パワーポイントデータ
・家の間取りの拡大図
・冊子「はじめてのおそうじ」

授業の進行・内容 授業の様子

■進行
 宿題で調べてきたことを発表し、汚れの場所と種類の関係性に気づく。その後、パワーポイント教材を使用し、世の中から求められる掃除について、児童に質問をなげかけながら説明を行う。

■内容
1. 前回の授業の振り返り
  教師の発する質問から、どうして掃除は必要なのかを振り返る。

2. 宿題の発表
  家のどのようなところにどのような汚れがあったかをクラス全体で共有し、教師が黒板に貼った家の間取り図(模造紙サイズ)にまとめていく。
一通り発表が終った後、模造紙にまとめた内容を見ながら、場所によって汚れの種類が違うことに気づく。
その後、パワーポイント教材を使用しながら汚れを「空中に浮遊しているホコリ」「軽くのっているホコリ」「表面についた汚れ」「しみこんだひどい汚れ」に分類し、汚れに合った掃除の方法があることについて考えるきっかけをつかむ。
その後、ダスキンより提供された「はじめてのおそうじ」という、掃除の基本・役割などがまとめられた本をみんなで確認し、汚れの種類と、種類に合った掃除方法を見ながら、おうちの人にも教えてあげようという児童の意欲を引き立てる

3. 世の中で求められる掃除について考える
  「他に掃除はどのようなところに必要だと思う?」などの問いかけから、掃除への意識を家と学校の掃除以外に向けていく。
児童からは主に「公園・道路」など、自分の身近な場所出てくるため、「では、新幹線の掃除にはどんな掃除が必要?」「誰がやっているの?」「どんな機械で、どんな時間でやっているのだろう?」 などパワーポイント教材を使用しながら投げかけ、プロ・専門家でなければできない掃除について認識していく。
また、なぜ掃除には「プロ」がいるのかを考えることで、「掃除=嫌なもの・面倒くさいもの」から、「掃除=世の中ではなくてはならないもの、豊かに過ごすためにはなくてはならないもの」と、意識の変化を促す。


宿題で調べたことを発表する様子(豊津第一小学校)
  宿題で調べたことを発表する様子
(豊津第一小学校)

家の中の汚れを調べまとめた模造紙(古江台小学校)
  家の中の汚れを調べまとめた模造紙
(古江台小学校)

ダスキンより配付提供された掃除の本を読みながら掃除のポイントを確認する様子(豊津第一小学校)
  ダスキンより配付提供された掃除の本を読みながら掃除のポイントを確認する様子(豊津第一小学校)

パワーポイント教材を使用しプロの掃除について児童に考えさせる(古江台小学校)
  パワーポイント教材を使用しプロの掃除について児童に考えさせる(古江台小学校)


実施単位 テーマ
第3次 プロの視点を学ぼう!

実施場所 吹田市立豊津第一小学校 5年生各教室
吹田市立古江台小学校 5年生各教室
実施時間 45分
講師 株式会社ダスキン
品質保証本部マネジメントシステム企画部
吉村俊樹
使用教材 ・パワーポイント教材
・ダスキン品質管理パネル
・色画用紙
・実験用具

授業の進行・内容 授業の様子

■進行
 授業の前半では、パワーポイント教材のクイズ等を使用し、企業というものがどのようなものかを説明する。  その後、企業がいつも「いつもお客様に満足してもらうために」という視点でどのような活動をしているのかを説明・ワークショップを通して学び、「いつも学校をきれいにするために必要な視点」を理解する。また、企業の環境への取り組みや工夫を、実験を通して理解し、自分たちが環境を守るためにできることは何かを考えるきっかけとする。

■内容
1. ダスキンってどんな会社なの?
  ダスキンが総合サービス企業として、どんな多角的な活動をしているのか、どうしてそのような活動をしているのかをパワーポイント教材のクイズから学ぶ。また、企業が持っている「理念」の大切さを知り、産業界に対する興味を高める。

2. きれいの基準について考えよう
  パワーポイント教材を使用し、「きれい」というものには人によって感じ方が違うということ、全国どこでも同じ商品を出すためには合格基準を作り、それを守っていくことが大切なことに気付く。 更に色・形・大きさ・汚れ具体などが違う色画用紙を使用し、「みんなだったらどれであれば合格かな?」「なぜ合格だと思う?」「なぜ不合格なのかな?」「どうしたら合格になるんだろうか?」などを投げかけながら、児童自らが発言し、品質保証に対して考える。 また、合格の品質を全国のダスキンスタッフが守っていくために、研修を行ったり、マニュアルなどを作成したりすることの重要性に気づき、第5次以降にクリーン調査隊として学校のきれいを考える際の参考にする。

3. 環境についても考えよう
  企業の環境問題に対する取り組みや工夫を、パワーポイント教材や実験を通して学ぶ。ダスキンはレンタルモップを回収し、洗い、再度お客様の家に届けているが、汚れたモップを洗う時に出る、汚れた水を、そのまま川に流すのではなく、汚れと水に分離し、きちんと環境を守りながら排出していることを、実際に汚れと水の分離実験を行い理解させる。実験では、汚れが下に沈殿し、きれいな水と一瞬で分離した様子を見て、児童からは驚きの声が聞かれた。 また、自分たちでもできる環境を守る工夫として「汚れた水は川に流さない」ための具体例を紹介して説明したり、汚す前に汚さない工夫として「消しゴムのかすを床に捨てない(床に払うことで、誰かが足で踏み、こびりついてしまったかすは取れにくくなる)」などを紹介したりして、自分たちの毎日の行動や掃除にも反映させようという意欲につなげる。

パワーポイント教材を見ながら講師の出すクイズに回答する様子(古江台小学校)
パワーポイント教材を見ながら講師の出すクイズに回答する様子(古江台小学校)

品質保証についてのワーク(古江台小学校)
品質保証についてのワーク
(古江台小学校)

実験の様子(古江台小学校)
実験の様子(古江台小学校)

実験結果を見守る児童(豊津第一小学校)
実験結果を見守る児童(豊津第一小学校)


実施単位 テーマ
第4次 納得プロの技!

実施単位 吹田市立豊津第一小学校 体育館
吹田市立古江台小学校 体育館
実施時間 90分
講師

株式会社ダスキン
サービスマスター
田中利正 越智明史

使用教材 ・パワーポイント
・プロの掃除道具(プロが使用するブラシ一式)
・洗濯機掃除の道具・プロが使用するカーペットの掃除道具
・カーペットのシミ落とし実習用道具(染み付きカーペット/歯ブラシ/水/定規)

授業の進行・内容 授業の様子

■進行
  授業の前半では、パワーポイント教材のクイズ等を使用し、産業界に対する興味関心を高めるとともに、掃除のプロが掃除をする時には、どのようなことを守っているのかなどを説明する。 体験学習として2グループにわかれ、プロの道具を使いカーペットの汚れ落とし、洗濯機の汚れ落としに挑戦した後、自分たちの身近なものでできる掃除(カーペットのしみ落とし)を行う。 授業の最後にパワーポイント教材を使用し、プロが心がけていることを児童に紹介し、全説明が終了した後、「キッズアカデミー修了証」を授与する。

■内容
1. 導入
  クイズを通して「掃除を最も頼まれるところはどこか」「プロの使用している掃除用具はどのくらいの数があるのか」「プロとして身に付けなければならないものは何か」などを学ことで、産業界に対する興味関心を高める。

2. 学校の掃除を見直してみよう!
  パワーポイント教材を使用して、トイレを例にとり、プロが掃除をする時には、お客様に満足してもらうために「どんなところを、どんな手順・どんな方法」で行っているのかを、プロが使うチェックシートなどを参照しながら学ぶ。クリーン調査隊として、学校がいつもきれいであるためには、掃除をする場所を決め、掃除の回数(例えば、トイレの天井は1年に1回、便座は毎日など)などを決め、抜けがないようにチェックシートを作成しておくことが大切だということを知る。

3. プロの技を見て・体感しよう
  洗濯機の掃除・プロの機材を使ったカーペットの掃除を体験することで、プロの技・コツを実感し産業界に対する興味を高める。 カーペット掃除では、プロが使用する35キロもの掃除機を使用してカーペット掃除に挑戦し、道具を使うことの難しさなどを体感する。

4. 自分でできることをやってみよう
  コーヒーのシミがついたカーペットを、歯ブラシ・定規・ぞうきんで効率よく落とす方法をプロから教えてもらい、実際にやってみる。身近な道具でも工夫次第で汚れを落とす有効な道具になることを知るとともに、手順を守って掃除を行えば、汚れがきちんと落ちることを知り、掃除に対す前向きな意欲を促す。

5. プロの心構えは?
  パワーポイント教材を使用し、プロとして心がけていることで「最も重要なのは技術ではなく、心をこめて一生懸命することである」という、仕事に対するプロの意識を知ることで、産業界への興味を高めるとともに掃除に対する意識の変化も促す。 その後、キッズアカデミー修了書を授与し、これから学校の中で、お掃除リーダーとして取り組んでいくことへの意欲を高める。

クイズに答える児童の様子(豊津第一小学校)
クイズに答える児童の様子
(豊津第一小学校)

カーペットの汚れ落としに挑戦する児童の様子(豊津第一小学校)
カーペットの汚れ落としに挑戦する児童の様子(豊津第一小学校)

洗濯機の掃除に挑戦する児童の様子(古江台小学校)
洗濯機の掃除に挑戦する児童の様子
(古江台小学校)

カーペットの汚れ落としの様子(古江台小学校)
カーペットの汚れ落としの様子
(古江台小学校)

キッズアカデミー修了証授与(古江台小学校)
キッズアカデミー修了証授与
(古江台小学校)



実施単位 テーマ
第5次 われらクリーン調査隊!

実施単位 吹田市立豊津第一小学校 5年生各教室
吹田市立古江台小学校 5年生各教室・会議室
実施時間 90分×2
90分、45分
講師

吹田市立古江台小学校 5年生各教室・会議室
吹田市立古江台小学校 5年生担任教師

使用教材 ・パワーポイント
・ワークシート(デジタルカメラで撮影する際に気づいたことなどを書き留められるもの)
・ワークシート(基準をまとめるもの)

授業の進行・内容 授業の様子

■進行
教師がパワーポイント教材を使用しながら、これまでの学習を振り返りながら、今後のクリーン調査隊としての活動の見通しを持たせる。その後、グループに分かれ、教室の合格基準をデジタルカメラで撮影し、掃除の回数、掃除道具、掃除の手順などについて考えさせる。撮影した画像をワークシートにまとめ、クラスで発表を行う。

■内容
1. 今までの活動を振り返ろう
  第1次〜第4次の内容を、パワーポイント教材を再度使用して振り返り、学習内容の理解を深める(特に、これからの活動に必要な「基準作り」「マニュアル化」「掃除の手順」などを振り返る)。

2. 教室のきれいを考えよう
  クリーン調査隊として、教室がどのような状態であれば「気持ちよく・快適に」過ごせるかを考える。第4次で学習した内容を生かし、教室の中には「どんな場所」があるのかを確認し、その場所がどのような状態だったら「気持ちいい教室」なのかを想定する。
また、誰が見ても気持ちいい教室にするにはどうしたらいいかを、第3次の授業内容を振り返りながら考え「教室の合格基準を作る」ことへの意欲につなげる。

3. グループに分かれ基準を作ろう
  教室の中で掃除が必要な場所をグループで分担し、実際にその場所へ行き、デジタルカメラを使用して合格基準・不合格基準を撮影する。撮影後、合格基準を守るために必要な掃除の方法・掃除道具・掃除の回数などを考えワークシートにまとめる。
(※古江台小学校は、各グループがデジタルカメラで撮影した内容を、授業の終わりにスクリーンへ投影し、調べたことを発表する場を設けた)

4. クラスのみんなに発表しよう
  撮影したデータをカラー出力し、それをワークシートにまとめる。 グループで調べたことを発表し、クラス全体で「合格基準は写真通りでいいのか」「そこは毎日掃除する場所なのか、いつ掃除をしたらいいのか」など意見交換を行う。

第1次〜第4次授業の振り返り(豊津第一小学校)
 第1次〜第4次授業の振り返り(豊津第一小学校)

グループに分かれ、担当場所の合格基準を考える(豊津第一小学校)
 グループに分かれ、担当場所の合格基準を考える(豊津第一小学校)

机の上の合格基準を撮影するため汚れを落としている様子(古江台小学校)
 机の上の合格基準を撮影するため汚れを落としている様子(古江台小学校)

調べてきたことをスクリーンに投影し発表する様子(古江台小学校)
 調べてきたことをスクリーンに投影し発表する様子(古江台小学校)



実施単位 テーマ
第6次 クリーン作戦マニュアルを作ろう!

実施単位 吹田市立豊津第一小学校 各教室・準備室
吹田市立豊古江台小学校 各教室・図書室
実施時間 90分×3
90分×2、45分
講師

吹田市立古江台小学校 5年生担任教師

使用教材 ・ワークシート(シナリオ用)
・ワークシート(自己評価/相互評価用)

授業の進行・内容 授業の様子

■進行
  学校をきれいにするために、作成した合格基準を他の学年に伝えるために、掃除ビデオマニュアルを作成する。ビデオマニュアルとはどのようなものかを学び、グループに分かれ、シナリオ作成、役割分担、リハーサル、本番撮影、自己評価・相互評価、再撮影を行う。 また、他の学年に伝えるために、発表用のクイズ等を作成し、発表会を行う。

■内容
1. 掃除の大切さを他の学年に伝えよう
  掃除リーダーとして学校がきれいになるにはどうしたらいいかを考え、作成した合格基準を他の学年にも伝えていくことに気づく。また、伝える方法として掃除の手順などが、よりわかりやすいビデオマニュアルを作成して伝えることを決定する。

2. ビデオマニュアルって何だろう
  教師が事前に撮影したサンプルビデオを見てイメージをわかせ、ビデオマニュアルに必要な要素(シナリオ・最も伝えたいこと・役割など)をクラス全体で考える。
※情報の授業や過去の実践で実施している場合は省略。

3. シナリオを作成し、リハーサルをしよう!
  合格基準を作成したグループにわかれ、「合格基準を守るために、どんな掃除をしたいいか」や「合格基準・不合格基準を伝える」ビデオを作るために、どのようなシナリオにしなければならないかを話し合い、ワークシートに記入する。
また、ビデオを撮影する際の役割も明確にしておき、シナリオが作成できたグループより、必要な道具を作成し、リハーサルを行う。(画用紙に伝えたい内容を書いたり、○×の記号を作成したりして、シナリオに合わせて独自の小道具を作成する。)
何度かリハーサルを行いながら、必要であればシナリオを修正する。

4. 実際に撮影しよう
  自己評価・相互評価表に、ビデオマニュアルを撮るときに注意しなければならない点をクラスで話し合いワークシートに記入する。
ムービーカメラの使い方を学び、撮影本番を行う。本番撮影のグループのみ教室に行き、それ以外のグループは別途用意した部屋で、シナリオの再考・リハーサルを行う。撮影したビデオはすぐに再生して確認し自己評価・相互評価ワークシートの項目に沿って確認しなおし、必要であれば撮影しなおす。
※使用したムービーカメラは、児童の手に収まるほどの小型サイズで、非常に簡単に取り扱うことができた。また、データがMPEG4形式にて保存されることにより、撮影後すぐUSBケーブルを使用してPCに取り込むことができ、ビデオ編集も簡単に行え(今回の授業ではコーディネーターがビデオ編集を行った)、有効なツールであった。

5. 他の学年に発表しよう
  撮影したビデオを他の学年に発表する。ビデオに出てくる掃除の仕方、掃除道具の使い方、合格基準などを材料に画用紙を使用してクイズを作成し、ビデオ上映をした後にクイズを実施し、他の学年へプレゼンテーションを行う。
(※豊津第一小学校は他の学年への伝達は3学期以降に実施予定なので、今回の授業実施では保護者へビデオ上映を行った)

グループでシナリオ作成中(豊津第一小学校)
グループでシナリオ作成中
(豊津第一小学校)

 ムービーカメラの使い方の説明を聞く児童の様子(古江台小学校)
ムービーカメラの使い方の説明を聞く児童の様子(古江台小学校)

 撮影する様子(古江台小学校)
撮影する様子(古江台小学校)

 撮影する様子(豊津第一小学校)
撮影する様子(豊津第一小学校)


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授業の成果

今回の授業実施における大きな成果は、回を重ねるごとに変化していく児童の授業への積極的な参加意欲の高まりであった。 その理由について、第一次の授業を例にとると、「知識や情報として学んだ汚れ」と「現実の汚れ」を結び付ける仕掛けとして、古歯ブラシによる「自分の机みがき」や「掃除で汚れた雑巾の洗い方」などのちょっとした体験を取り入れ、「学んだことの確認と定着」をひとつの授業の中で意識的に完結させる工夫を行ったが、 そういったきめ細かい授業作りへの工夫により、児童の期待を裏切らない達成感や納得感を毎回提供できたことが大きいと思われる。
また、参加意欲の高まりとともに、クラス全体のまとまりも強くなり、第4次の授業では、サービスマスターの方のアイデアでクラスに対して授与された「キッズアカデミー修了証」が非常に効果的な小道具として機能することとなった。
クリーン作戦マニュアル(ビデオマニュアル)の制作プロセスにおいては、カメラ操作など、むしろ教員よりも早く自分のものとして身につけ、チーム毎のITツールの効果的な活かし方にも工夫が見られ、最終的な作品としてユニークなものができた。

今回の成果の要因は、教員、企業、教育コーディネーターのコラボレーションによるきめ細かい授業作りにつきるといえよう。 それぞれの立場で知恵とアイデアを出しあい、児童に期待する成果を真剣にまた楽しみながら議論し、ひとつひとつの授業作りの方向を明確にした上で準備を行うことができた。 授業作りのためのミーティング時間の負担については、反省点もあるものの、これは、教育コーディネーターとして本プロジェクトにおける3年間の実績を積んできた中で、授業作りの理想的なコラボレーションのあり方が実現できた成果とも自負するものである。
 
尚、今回テーマにおける残された課題は、学校内のお掃除リーダーとしての児童の「掃除への意識」をいかに継続させていくか、という点である。 もともと掃除が嫌い・面倒くさいという児童が、掃除や汚れについて意識するようになった点は教員からも高く評価を受けたが、生活に直結したテーマだけに、家庭も巻き込みながら、日ごろの生活の中で定期的な振り返りを行っていくことが必要な要素であり、その点は学校側に依存することになる。 ただし、既に豊津第一小では、職員会議等で、次年度にも次の5年生に対して、同様のプロジェクトをぜひ実施したいとの要望が出ており、ダスキンとしても継続的な授業実施に応えるべく検討中である。このような産業界との協力授業が、単発で終わらずに継続的に実現することにより、必ずや学校全体の取り組みとしての成果があがるものと大いに期待するものである。

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実施環境
実施場所 ・吹田市立豊津第一小学校 教室/体育館/準備室
・吹田市立古江台小学校 教室/体育館/準備室
使用した機器 ・ノートパソコン、プロジェクター、スクリーン(または模造紙)、ワイヤレスマイク、デジタルカメラ、テレビ、ムービーカメラ(IO・データ/Motion Pix AVMC212-)

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使用教材
教材タイトル どうしてそうじをするのだろう?〜Part1〜
教材ファイル名 1-1-pre.ppt
教材仕様 Microsoft(R) PowerPoint(R) 16画面
教材概要 なぜ掃除が必要なのか、人間の暮らしにどのような影響を与えるか等今まで気づかなかったよごれに気づくきっかけづくりの教材。
●学校教諭授業用教材

教材タイトル どんなところにどんなよごれがあるだろう?(ワークシート)
教材ファイル名 1-2-ws.doc
教材仕様 Microsoft(R) Word(R) A4サイズ1ページ
教材概要 家のよごれを観察し、今まで気づかなかった場所にあるよごれへの発見用ワークシート
●児童用教材(児童数分複写)

教材タイトル どうしてそうじをするのだろう?〜Part2〜
教材ファイル名 2-3-pre.ppt
教材仕様 Microsoft(R) PowerPoint(R) 16画面
教材概要 なぜ掃除がプロの仕事として世の中で認識されているかが分かるような教材
●学校教諭授業用教材

教材タイトル 家の間取り図
教材ファイル名 2-4-img.jpg
教材仕様 JPEG画像 1枚
教材概要 家のどんなところにどんなよごれがあったか、宿題の発表と共有ができる、家の間取り図。
●学校教諭授業用教材

教材タイトル プロの視点を学ぼう!
教材ファイル名 3-5-pre.ppt
教材仕様 Microsoft(R) PowerPoint(R) 26画面
教材概要 企業の品質管理の視点や、環境問題への取り組みについてまとめた教材。
●講師使用教材

教材タイトル プロに教えてもらおう(ワークシート)
教材ファイル名 3-6-ws.doc
教材仕様 Microsoft(R) Word(R) A4サイズ1ページ
教材概要 そうじのプロから学んだ、そうじに大切な視点やコツを書き込めるワークシート(児童数分複写)
●児童用教材

教材タイトル 品質管理を学ぼう
教材仕様 実物(色画用紙)
教材概要 品質管理とはどのようなことか、汚れ・形の違い・色の違いなどの画用紙を使用して理解できる教材
●児童使用教材

教材タイトル 納得プロの技!
教材ファイル名 4-7-pre.ppt
教材仕様 Microsoft(R) PowerPoint(R) 29画面
教材概要 掃除のやりがいやプロの掃除の視点についての説明(クイズ形式を盛り込み作成)
●講師使用教材

教材タイトル プロの技体験用実物教材
教材仕様 実物
教材概要 各体験コーナーで使用する体験用道具
洗濯機:洗濯機の中身、洗濯機洗浄機
カーペット:カーペット、プロの掃除度道具(掃除機)
●講師使用教材

教材タイトル カーペットの汚れ落とし実習用実物教材
教材仕様 実物
教材概要 児童がカーペットのしみおとしを体験できる道具 コーヒーのしみがついているカーペット(A4サイズ)、歯ブラシ、定規、ぞうきん、水
●児童使用教材

教材タイトル プロの視点を振り返ろう!〜われらクリーン調査隊〜
教材ファイル名 5-8-pre.ppt
教材仕様 Microsoft(R) PowerPoint(R) 16画面
教材概要 今回学習した内容をふり返るため教材
●学校教諭使用教材

教材タイトル 学校の掃除場所調べシート
教材ファイル名 5-9-ws.ppt
教材仕様 Microsoft(R) Word(R) A4サイズ1ページ
教材概要 学校できれいにしたい個所を書き出すワークシート
●児童使用教材(児童数分複写)

教材タイトル 合格基準・不合格基準をまとめよう
教材仕様 手書きサンプル教材
教材概要 児童のイメージをわかせる手書きのサンプル教材
●学校教諭使用教材

教材タイトル 掃除企画シート
教材ファイル名 5-10-ws.ppt
教材仕様 Microsoft(R) Word(R) A4サイズ1ページ
教材概要 プロから学んだ視点を活かして、学校のお掃除の方法を企画していくシート
●児童使用教材(児童数分複写)

教材タイトル 企画・絵コンテシート
教材ファイル名 6-12-ws.ppt
教材仕様 Microsoft(R) Word(R) A3サイズ1ページ
教材概要 ビデオマニュアル作成のための企画・絵コンテワークシート
●児童使用教材(児童数分複写)

教材タイトル ビデオマニュアルを作るポイント(自己評価・相互評価シート)
教材ファイル名 6-n-ws.doc
教材仕様 Microsoft(R) Word(R) A3サイズ1ページ
教材概要 相手にもっとわかりやすく伝えるために必要な視点を考えるためのシート
●児童使用教材(児童数分複写)

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授業協力メンバー
所 属 氏 名 授業での説明
吹田市立豊津第一小学校 角田 睦
松原 梨沙
魚谷 知子
5年1組担任
5年2組担任
5年3組担任
吹田市立古江台小学校 発坂 卓治
田中麻子
5年1組担任
5年2組担任
株式会社ダスキン 吉村 俊樹
第3次授業担当講師
株式会社ダスキン 田中 利正 第4次授業担当講師
株式会社ダスキン 越智 明史 第4次授業担当講師
株式会社ダスキン 楢原 佳世子 産業界側担当窓口
株式会社ダスキン 森岡 たかこ 産業界側担当窓口
株式会社アクセプト 垣内 亜佐子 全体コーディネート
株式会社アクセプト 加藤 由美 教材制作デザイナー
株式会社キャリアリンク 奥野 麻弥 教育コーディネーター
吹田市教育委員会 横内 環 今回の事業全般に関する運営・内容についてのアドバイス

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授業の感想
■授業実施者
 (産業界講師)から
  • 実験や具体的提示物など、視覚的に捉えられるものは非常に有効だったように思います。写真などが多用してあるパワーポイントも有効ですが、講義形式の座学が長く続いてしまうと限界があると思いました。
  • 一回の授業では限界があるので、もっと学校と企業とで日常的な交流の場があればいいと思いました。
  • 児童にとって掃除は遠いテーマだと思いますが、もっともっと身近にキレイになると気持ちが良いという気持ちをもってもらうことが大切だと思います。毎日やっている学校の掃除を惰性で実施するのではなく、 キレイにすることが大切だという意識づけができればと思います。そのためには、みんなで掃除道具を考えたり、作ったりして、それを使って掃除をしたり、まずは楽しく掃除をする場をもうけることも必要ではと思います。
■担任から
  • このような取り組みは非常に新鮮であるし、児童も学校外、地域へ目を向ける機会である。世の中には様々な仕事があり、必要とされている事にも気付くことができる。やはりゲストティーチャーを迎えると、児童の目つき、表情が変わってくる。
  • 専門としての知識・技能・ノウハウを積極的に学校は取り入れることは大切であると思う。
  • 学年一斉型授業(100名を超える)にする場合、時間・内容などもう少し吟味していく必要がある。
■生徒から 【 授業後の児童アンケートより 】
  • ホコリをほっといたらシミになるとわかった そうじは絶対必ようだと思った
  • ダスキンの仕事の内容がわかった 基準が大切だとわかった
  • そうじしたぞうきんなどをかいしゅうしてあらってそのあらったあとのよごれた水をきれいにして川にすてていることを知った
  • コーヒー(?)のしみは、ハブラシと水だけで取れるなんてビックリした
  • 新しく分かったことは、そうじ機のカーペットのよごれを消すために、あんな機かいがあるのを初めてしりました
  • カーペットをそうじする道具があんなにおもいなんてしらなかった
■教育関係の立場から
  • 少し内容を詰め込みすぎた感もあり、ゆっくり説明できないところもあった。
  • キッズアカデミー修了証の授与は非常に効果的であった。児童にとって優越感をくすぐり、意欲につなげるツールとして素晴らしいアイデアだった。
  • 第4次の豊津第一小学校は約110人の大人数で実施したため、声が聞き取りにくい等の問題があったと思う。もっと少人数で授業を実施したほうが良かった。
  • 授業の最初の教員の言葉かけ、授業中のフォロー、最後の締めなど、ちょっとした教員の参画によって児童の反応の大きな違いが印象的であった。
  • 体験活動が入ると、児童は非常に生き生きして活動に取り組むが、座学での内容を忘れてしまう(もしくは深く理解できない)のではないかと思った。次の授業につなげていくために、座学を深められる方法(もっと子どもたちの自発的・気づきにつながる)を考えることの大切さに気づいた。
  • 授業後に教師から補足や早い時期に振り返りを行うこと、また他の授業、学校内での掃除活動時にポイントを伝えていただければ、授業がもっと有効に生きてくると思う。

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