産業界との協力授業
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実践事例
私たちの暮らしと鉄との関わり
実施した教育機関・生徒数・実施日
■川崎市立大島小学校
学年 クラス 生徒数 実施日 合計授業時間
小学5年  1、2、3クラス 103名 平成15年
10/28、11/4、11/11、11/21、11/25、12/2、12/12
700分

■川崎市立臨港中学校
学年 クラス 生徒数 実施日 合計授業時間
小学2年  1、2、3クラス 114名 平成15年
10/30、11/7、11/14、11/18、12/5、12/12、12/18
800分

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実施した教科・単元
学年 教科名 単元
小学校第5年年 総合的学習 インターネット・ICTを活用した好奇心に基づく創造的学習
実施した教科・単元
学年 教科名 単元
中学校第2学年 総合的学習 インターネット・ICTを活用した好奇心に基づく創造的学習

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主催した教育機関
川崎市教育委員会
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授業概要
 本授業は暮らしの中にある「鉄」に着目し、鉄がいかに社会生活に密着し、なくてはならないものであるかをいろいろの側面から授業をするものである。
 授業の導入としてビデオ「Iron World」(約13分)を見せ、以降の授業に対する鉄への興味を引き出した。引き続き鉄に関わる知識と理解を新規制作したCD教材および各種実物教材を使い「鉄の使われ方」(授業1)「鉄の使われ方の歴史」(授業2)「鉄の性質、機能、かたち」(授業3)を企業の講師がICTをフルに活用して小学生高学年、中学生のそれぞれのレベルに合わせて理解しやすく行った。
 また「鉄の作り方」(授業4)は製鉄所を実地見学した。
 更に新規制作したCD教材 「調べ学習、発表の手引き」により、児童生徒自らがICTを活用した調査と発表を行うための方法を例を示しながら授業(授業5、6)した。
 最後の発表(授業7)では、小学生は自らが決めた鉄に関する課題をインターネット検索により調べ、模造紙ベースの資料で話役、聞き役の1対1の発表形式で発表した。
 また中学生はグループ単位で議論し決めた鉄に関する一つの課題を各人が分担しインターネット検索で調べ、パワーポイントにより発表した。

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授業のねらい
 小学生高学年、中学生を対象とした総合的学習の時間において、学習指導要領の目標に付加された「インターネット・ICTを活用した好奇心に基づく創造的学習」に沿って、ICTに慣れ親しみ、児童生徒自らが好奇心や探求心をもって調べる能力や問題解決の能力、態度を育て、養うことを目標とする。
また、これらを通じて「鉄」がいかに生活に密着しているかの理解を深め、さらに産業界と教育界の連携、交流の一層の活発化が図れ児童生徒が産業に関心と理解を深めることも目標である。

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授業内容
実施単位 テーマ
小学校/中学校 事前授業 「鉄についての導入」

小学校(10月21日)/中学校(10月22日)
実施場所 川崎市立大島小学校 実施時間 50分
講師 荻原教諭 他 使用教材 VHS
実施場所 川崎市立臨港中学校 実施時間 50分
講師 井之上教諭 他 使用教材 VHS

授業の進行・内容 授業の様子

■進行 (小学校、中学校共同じ)
○「産業協力授業プロジェクト」で「鉄」についてこれから勉強することを説明。
○導入ビデオ「Iron World」を上映。
○「事前ワークシート」に自由に記入させた。

■内容 (小学校、中学校共同じ)
○ 導入ビデオ「Iron World」はロボットとの対話形式で
 ・「社会を支える鉄」
 ・「環境と鉄」
 ・「鉄の歴史」
 ・「鉄の未来」
を簡潔にまとめたものである。
○「事前ワークシート」は暮らしの中にある鉄についてできるだけ多く書き出し、また鉄について知りたいこと、興味あること等を自由に記入させた。
 (次回の授業1でこれら自由記入事項をまとめたものを全員に配布)


 小学生のビデオ鑑賞風景
小学生のビデオ鑑賞風景

中学生のビデオ鑑賞風景
中学生のビデオ鑑賞風景


実施単位 テーマ
小学校
1時限目
鉄の使われ方

実施場所 川崎市立大島小学校 実施時間 50分
講師 上村 治男 使用教材 HTML CD

授業の進行・内容 授業の様子

■進行
○配布資料
 ・「学校」「駅前」の写真。
 ・「事前ワークシート」のまとめ。
 ・授業1用感想質問メモ。
○配布資料の説明。
○CD教材で授業。
○実物教材で実演。
○授業1の感想(質問)をメモに書かせた。
 (後日コメントをつけて返却)

■内容
○配布した「学校」「駅前」の写真の中から鉄の使われている物をクイズ形式で言ってもらい、予め準備した同じ画像からの答えと比較し、鉄がいかに身近に使われているかを考え、理解させた。
○ 「事前のワークシート」から、身の回りで見つけた「鉄の使われてもの」
 ・127種類。
 ・一番多かった指摘は「鍵」
 また質問では
 ・「鉄は何でできているのか」
 ・「鉄の作り方」
 ・「鉄はなぜ磁石につくのか」
 などなど46種類の質問があった。
○ 実物教材として鉄鉱石、鉄板、アルミ板、 ステンレス板、お金、鉄粉が磁石につくかどうかを実演。
○ 授業1の感想メモから主なもの
 ・身の回りに鉄がいっぱいある。
 ・お金は磁石につかない。
 ・鉄のことをもっと知りたい。等


 小学生の授業1の風景(クイズ形式で授業を進めているところ)
小学生の授業1の風景
(クイズ形式で授業を進めているところ)


実施単位 テーマ
中学校
1時限目
鉄の使われ方

実施場所 川崎市立臨港中学校
実施時間 50分
講師 上村 治男 使用教材 HTML CD


授業の進行・内容 授業の様子

■進行
○配布資料
 ・「事前ワークシート」のまとめ。
 ・「鉄の位置づけ」
 ・「学校」「住宅」「工場地帯」「工事現場」「駅前」の各写真を一人に1枚。
 ・「宿題用ワークシート」
 ・授業1用感想質問メモ
○配布資料の説明
○CD教材で授業
○実物教材で実演
○授業の感想(質問)をメモに書かせた。
 (後日コメントをつけて返却)

■内容
○「学校」「住宅」「工場地帯」「工事現場」「駅前」の各画像から目に見えるところにある鉄の使われかたをクイズ形式を交え説明。
○ 「事前ワークシート」から身の回りで見つけた「鉄の使われているもの」
 ・229種類。
 ・一番多かった指摘は「自動車」。
 また質問では
 ・「鉄は食べられるのか」
 ・「鉄の作り方」
 ・「鉄は溶けるのか」
  などなど59種類の質問があった。
○「鉄の位置づけ」のOHPで鉄、非鉄、 鋼、ステンレス等の違いを説明。
○ 実物教材として鉄鉱石、鉄板、アルミ板、ステンレス板、お金、鉄粉が磁石につくかどうかを実演。
○「宿題用ワークシート」は発表時のテーマを決める時の参考のための資料として配布。
○ 授業1の感想メモから主なもの
 ・ステンレスと鉄との違いは。
 ・お金は磁石につかない。
 ・鉄の再利用について。 等

中学生の授業1の風景(CD教材で講師が説明しているところ)
中学生の授業1の風景
(CD教材で講師が説明しているところ)


実施単位 テーマ
小学校 /中学校 2時限目 鉄の使われかたの歴史

小学校(11月4日)/中学校(11月7日)
実施場所 川崎市立大島小学校
実施時間 50分
実施場所 川崎市立臨港中学校
実施時間 50分
講師

上村 治男

使用教材 パワーポイント CD


授業の進行・内容 授業の様子

■進行(小学校、中学校共同じ)
○パワーポイントによる画像を示しながら「鉄の使われかたの歴史」及び「鉄の作り方の歴史」等を説明。
○実物教材を見せ、触れさせた。
○授業の感想(質問)をメモに書かせた。
 (後日コメントをつけて返却)

■内容
○古い時代の鉄とその使われ方および産業革命から今日にいたる産業の発展と鉄の作り方、使われ方についてクイズを交えながら質問し説明した。
○鉄の作り方に関係する石炭、コークス及び石灰の実物を見せ、触れさせた。
○授業2の感想メモから主なもの
 <小学生>
  ・鉄が古くから使われていた事。
  ・クイズが面白かった。等
 <中学生>
  ・鉄が古代から使われている事。
  ・鉄が武器、装飾品の時代から実用的なもの(乗り物、建築物、機械等)に多量に利用されてくる推移。
  ・古い時代は鉄が金より高価 であったこと。

小学生授業2の風景(パワーポイントによる説明をしているところ)
小学生授業2の風景
(パワーポイントによる説明をしているところ)

実物教材に触れているところ
実物教材に触れているところ


実施単位 テーマ
小学校/中学校 3時限目 鉄の種類、性質、用途、機能について

小学校(11月11日)/中学校(11月14日)
実施場所 川崎市立大島小学校 実施時間 50分
実施場所 川崎市立臨港中学校 実施時間 50分
講師 八杉 誠二郎 使用教材 HTML CD

授業の進行・内容 授業の様子

■進行 (小学校、中学校とも同じ)
○HTMLを用いたCDと実物教材を交え形式で授業した。
○授業の感想(質問)をメモに書かせた。
 (後日コメントを書いて返却)

■内容
○ 鉄の「性質」について
 2種の強さの鉄を折り曲げさせて、強さを実感させた。またDI缶で軟らかい鉄を示し説明した。制振鋼板の鈴と普通鋼板の鈴を鳴らし比べて用途開発の例を説明した。
○鉄の「形」について
鉄のいろいろの形についてCD画像および実物模型を示して説明した。
○鉄の加工方法について
鉄のいろいろの加工方法についてCD画像を示し、絞り、打ち抜き等については動画で示した。
○鉄の表面
鉄の弱みである錆びについて説明、また錆びを防止する方法として各種表面処理について説明した。また。カイロは錆びの過程で発熱することを実演した。
○授業3の感想メモから主なもの
 <小学生>
  ・制振鋼板が面白かった。
  ・錆びについてよくわかった。
  ・調べ学習が楽しみである。等
 <中学生>
  ・錆びの原理がわかった。
  ・制振鋼板の開発、用途について。
  ・鉄が安いこと。
  ・UOE,スパイラル鋼管の作り方。等



 小学生の授業3の風景(鉄の強さを実感しているところ)
小学生の授業3の風景
(鉄の強さを実感しているところ)

中学生の授業3の風景(鉄の強さを実感しているところ)
中学生の授業3の風景
(鉄の強さを実感しているところ)


実施単位 テーマ
小学校/中学校 4時限目 鉄の作り方

小学校(11月21日)/中学校(11月18日)
実施場所 JEFスチール東日本製鉄所・京浜 実施時間 150分
講師 八杉誠二郎、上村治男 使用教材

授業の進行・内容 授業の様子

■進行 (小学校、中学校共同じ)
○9:15 JFEスチール東日本製鉄所・京浜アメニティホール到着。
○工場概要の説明を受け、見学用ビデオを見る。
○バスで工場内を見学
○11:45 製鉄所を出発、帰校。
○感想(質問)をメモに書かせた。
(後日コメントをつけて返却)

■内容 (小学校、中学校共同じ)
○ 行きのバスで安全教育実施。
○ JFEスチール東日本製鉄所・京浜の生い立ち、特徴および鉄の作られ方等の説明を聞く。
○ 見学用ビデオを見たのち工場内(原料 ヤード、製銑、製鋼、厚板工場、出荷岸壁)を回り、鉄の作られている状況を見学。
○ 授業4の感想メモから主なもの
<小学生、中学生とも同じ>
 ・工場が広い。緑が多い。
 ・環境対策に力を入れている。
 ・工場に人がいない。(無人化)
 ・厚板工場での音、熱、蒸気の中で厚鋼板が圧延される様子に驚いた。


 工場見学バスに乗り込む小学生
工場見学バスに乗り込む小学生

製鉄所の説明を聞く中学生
製鉄所の説明を聞く中学生


実施単位 テーマ
小学校/中学校 5時限目 調べ学習と発表の手引き

小学校(11月25日)/中学校(12月5日)
実施場所 川崎市立大島小学校 実施時間 50分×3分
実施場所 川崎市立臨港中学校 実施時間 50分×3分
講師 八杉 誠二郎 使用教材 HTML CD

授業の進行・内容 授業の様子

■進行 (小学校、中学校共同じ)
○CD教材により各ステップを説明。
○「発表テーマ整理用ワークシート」に決めたテーマとその考え方を書かせた。
○パソコンによるインターネット検索。
○授業5の感想(質問)をメモに書かせた。
 (後日コメントをつけて返却)

■内容 (小学校、中学校共同じ)
○CD教材「調べ学習、発表の手引き」のステップ
 1) テーマを決めよう
 2) 考えを整理してみよう
 3) 調査方法を決めよう
 4) 調査を始めよう
 5) まとめに取りかかろう
 6) 発表の準備をしよう
 7) 発表しよう
 のうち1)2)の調べたいテーマと何故そのテーマにしたかをワークシートに書かせ、3)の説明後、4)ではインター ネット使った検索エンジン及び予め用意したリンク集からの調べ方を説明し、パソコン(小学校は二人1台、中学校は一人 1台)で検索させた。
○インターネットを使っての調査は殆どの者が初めてで戸惑っていた。
○授業5の感想メモから主なもの
<小学生>
 ・インターネット検索は面白かった。
 ・時間がなくよく調べられなかった。等
<中学生>
 ・インターネット検索で調べたいテーマ の内容が期待した通りに出てこない。
 ・調べる時間がなかった。等


 インターネット検索している小学生
インターネット検索している小学生

インターネット検索している中学生
インターネット検索している中学生


実施単位 テーマ
小学校
6時限目
調べ学習

実施場所 川崎市立大島小学校 実施時間 50分×3分
講師 八杉誠二郎 使用教材 HTML CD

授業の進行・内容 授業の様子

■進行
○CDを写しながら今までの授業と次回発表までの関連を説明し、前回に続いて自由にインターネット検索をさせ、また必要な個所の印刷させた。

■内容
○ 今までの授業とのつながり及び次回の発表に向けての調べ学習時間であることを「調べ学習・発表の手引き」のCDを写しながら説明し、インター ネット検索(検索エンジンによる検索及びリンク集検索)で自分のテーマについて調査させ、必要な個所の印刷させた。

注)授業7の発表授業までの間、学校側で自主的に約4.5時間の発表準備時間を取った。


 小学生の授業6の風景(インターネット検索をしている小学生)
小学生の授業6の風景
(インターネット検索をしている小学生)


実施単位 テーマ
中学校
6時限目
調べ学習

実施場所 川崎市立臨港中学校 実施時間 50分×3分
講師 八杉誠二郎 使用教材 HTML CD

授業の進行・内容 授業の様子

■進行
○CDを写しながらインターネット情報の取り込み方及びパワーポイントへの貼り付け方を説明。
○パソコンによるインターネット検索を前回に続いて行い、必要部分を取り込ませ発表用のパワーポイントの作成に取りかかった。
○グループで一つのテーマに絞り込む時間を取った。

■内容
○発表に向けての調べ学習であることを説明。
○予め決めたグループで一つのテーマを決め、各自が分担した項目をインターネットで調べ、各自のホルダーにとり込むように指導。
○進んでいるグループでは発表に向けてパワーポイントによる資料作成に取りかかったが、殆どのグループでテーマの絞り込みができなかった。

注)授業後、学校側でグループ代表を決めていただき、代表を中心に授業7の発表授業までの間、生徒達自らが放課後自主的に調査し、まとめるための時間が相当時間必要であった。


 中学生の授業6の風景(インターネット検索している中学生)
中学生の授業6の風景
(インターネット検索している中学生)


実施単位 テーマ
小学校
7時限目
発表

実施場所 川崎市立大島小学校 実施時間 50分×1分
講師 八杉誠二郎 使用教材 なし

授業の進行・内容 授業の様子

■進行
○今日が最後の授業の発表であることを前置きとし発表に移った。
○発表は各自が調べたテーマについて原則模造紙1枚に書いた資料をもとに発表者と聞き役の1対1で進行した。
○次に順番を変え、聞き役が発表者に発表者が聞き役になり進行した。
○これを2〜4回繰り返した。
○当日は父兄会でもあり、父兄にも聞き役になってもらった。
○後日児童全員にアンケートを書いてもらった。

■内容
○発表テーマは  「鉄の作り方」「鉄の原料」「ホカロン」「鉄塔」…など種々雑多であったが、それぞれ自分なりに興味のあったテーマを、インターネットから調べ全員が1〜2枚の模造紙にまとめた。
○発表は一つの机で二人が相対し一方が発表者、他方が聞き役をなり、次にこれを逆にして発表、聞き役とし、一つのペアが終わると、次には別の人のところに行って同じことを繰り返した。
○これらは「発表用メモおよび聞いたよカード」で記録した。
○期待した以上に全員がそれぞれの調べた内容を発表し熱心に聞いた。


 小学生の授業7の風景(1対1による発表をしている)
小学生の授業7の風景
(1対1による発表をしている)


 優秀作品 例
優秀作品 例


実施単位 テーマ
中学校
7時限目
発表

実施場所 川崎市立臨港中学校 実施時間 50分×3分
講師 八杉誠二郎 使用教材 パソコン、プロジェクター

授業の進行・内容 授業の様子

■進行
○8:55〜9:45   2年1組
  9:55〜10:45   2年3組
 10:55〜11:45  2年2組
○各クラス毎6組のグループの代表2名が、各グループのテーマについて5〜7分のパワーポイントによる発表を行った。
○各発表の後、質問、感想を聞いた。
○最後に総まとめ、評価を講師が行った。
○後日生徒全員にアンケートを書いてもらった。

■内容
○発表テーマは下記1 8テーマ
  1−1自動車について
  1−2鉄の錆について
  1−3The,鉄砲
  1−4鉄の歴史について
  1−5パイプについて
  1−6ホカロン
  2−1鉄の使われ方
  2−2錆について
  2−3鉄鉱石
  2−4身近な鉄
  2−5鉄ができるまで
  2−6Next-Generation School Facilities
  3−1鉄の歴史−たたらについて−
  3−2アジアの鉄
  3−3鉄のリサイクル
  3−4鉄ができるまで
  3−5缶、ブリキについて
  3−6パイプ
○発表の方法、条件は予め「テーマの導入」「本題」「まとめ」の3枚のパワーポイント画面とし発表内容は口頭で述べると指定していたため、殆どがそれに従い、色彩、デザインとも豊かな画面での発表であったが、中には10枚の画面を使ったもの、動画を取入れたものもあった。
○質問、感想は概ね発表に対する良好な評価であった。


 中学生の発表風景(グループ代表がパワーポイントによりプレゼンテーションをしているところ)
中学生の発表風景
(グループ代表がパワーポイントによりプレゼンテーションをしているところ)


 発表テーマのパワーポイント画面 例
発表テーマのパワーポイント画面 例


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授業の成果

身の回りにある鉄について、CDを使った画像による授業にクイズ、また質問し答える形式等を取入れ、さらに実物教材を随所に取入れて、小学生、中学生とも「鉄」の知識と理解は授業前に比べ格段に飛躍した。
また、製鉄所の工場見学では真っ赤な鉄が圧延される状況は印象深く受け止められ、製造業の認識に大いに役立つものと期待された。
これらにより身の回りの物の見方、物づくりへの意欲、関心も深まったと思われる。
また、鉄を通して、自らの疑問あるいは興味ある対象に自らが調べる能力、態度が培われた。特にICTを活用しインターネットでの検索することに初めて接する児童生徒もそれなりの成果があがり、それぞれの達成感を抱いたことが伺えた。

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実施環境
実施場所 川崎市立大島小学校
川崎市立臨港中学校
JFEスチール東日本製鉄所・京浜
使用した機器 パソコン、プロジェクター、カラープリンター

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使用教材
教材タイトル 私達の暮らしと鉄との関わり
教材仕様 VHSビデオテープ 15分
教材概要 暮らしの中に「鉄」がさまざまな形で使われている様子、および鉄全般についての紹介

教材タイトル パンフレット
教材仕様 鉄の世界「The Iron World」
教材概要 鉄全体についてPRしたパンフレット

教材タイトル 各ワークシート
教材仕様
教材概要 ○事前ワークシート: 「鉄」の導入としての暮らしの中の鉄について自由に記入する用紙。
○各授業メモ: 授業中のメモおよび感想などを自由に記入する用紙。(後日、講師がコメントを書いて返す。)
○宿題用ワークシート: 発表時のテーマを決める時の参考となる用紙。
○発表テーマ整理用: 発表テーマを決めるための考え方の整理用としワークシートて自由に記入する用紙。
○発表者用及び聞いたよカード: 発表者及び発表を聞いた人が自由に記入する用紙。

教材タイトル 鉄の使われ方
教材仕様 HTML CD
教材概要 「学校」「住宅」「工場地帯」「工場現場」「駅前」の各画像から鉄の使われているものを示す。

教材タイトル 鉄の使われ方の歴史
教材仕様 パワーポイント
教材概要 古代から産業革命を経て現代までの鉄の作り方の進歩とそれぞれの時代の鉄の使われ方を示す。

教材タイトル 鉄の種類、性質、用途、機能について
教材仕様 HTML CD
教材概要 鉄の性質、鉄の形、鉄の加工方法、鉄の表面、および強度比較、価格比較を用途との関係で説明する。

教材タイトル 調べ学習、発表の手引き
教材仕様 HTML CD
教材概要 調べ学習用に、テーマの決定から発表までの各ステップの手引きを示す。また調べ学習用HPへのリンク集も掲げた。

教材タイトル 実物教材各種
教材仕様 実物
教材概要 鉄板(比較財としてアルミ板、ステンレス板、木片等)
鉄鉱石、石炭、コークス、石灰石
各種表面処理鋼板 等

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授業協力メンバー
所 属 氏 名 授業での説明
川崎市総合教育センター 長谷部 実
各教材の監修、協力、発表への指導

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授業の感想
■授業実施者
 (産業界講師)から
  • 社会生活の基礎素材である「鉄」についての知識と理解が格段に深まった。またこの授業を通して身の回りのいろいろのことに対して単なる知識付与のみでなく、疑問と興味を抱き、物事の本質的捉え方、考え方ができるようになることも期待した。
  • 児童生徒の自主的な調査、発表をみて、彼らの興味あることへの積極性に感心し、ICTの活用に関しては飛躍的に成果があったと思われる。
  • 授業、指導の技術的側面は全面的に学校側の協力が必要であった。
  • 業側の教育資源を教育界に活用するうまい仕組みづくりがこれからの課題であろう。
■担任の先生
(小学校)
 企業の人との触れ合いで知識の吸収ばかりでなく、人格の形成上にも大きな収穫となった。
 用意された教材はいずれも分かりやすくよく練られたものであった。
 一方ICT活用技術の能力を身につけるには時間が少々不足であったし、発表までの時間配分は見直しすべきと思われる。
 また、産業界の生の実状を聞ける時間がもう少し欲しかった。
(中学校)
 企業の最先端の話を聞き学習ということの様々な広がりを今後の指導に生かしていきたい。
 当初企業側の指導計画を100%遂行すればいいものと考えていたが、教師側の生徒の実態を踏まえた指導方法が必要であった。
 教材は分かりやすく非常によく練られたものであった。生徒は最後の発表まで集中してよくやり遂げた。
 この授業を職業人になるための意識向上位置づければ生きた授業になると思われる。
 今後、見学を含めた授業で企業と学校との連携を密にすることが大切である。
■生徒から

(小学校)
     ○授業ではクイズが面白かった。
     ○鉄のことがいろいろわかってよかった。
       鉄がいろいろのところに使われている。
       鉄のいろいろの性質
       錆びについて錆びの防止、ホカロン。などなど。
     ○製鉄所の見学は面白かった。
     ○パソコンができるようになった。
     ○パソコンで鉄のことを調べるのが楽しかった。
     ○発表はうまくできた。

(中学校)
     ○鉄のことがいろいろわかった。
       鉄の使われ方
       鉄の原料
       鉄の歴史
       鉄の加工方法
       錆びについて錆びの防止、ホカロン。などなど。
     ○工場見学は印象的であった。
     ○インターネットでいろいろの情報が取れることが分かった。
     ○班のみんなと協力することの大切さがわかった。
     ○発表に自信がついた。

■教育関係の立場から
  • 産業界の人材が学校教育に参画し、教材を提供することにより、学習の広がりが持てた。
  • 「鉄」の知識と理解が深まり、これらによる新たな発見をきっかけに再び考え、記述する時間がほしい。
  • 「鉄」を通して、自ら調べる意欲、問題解決の意欲、態度を育て養ったことが生徒の感想からも伺えた。
  • ICTの技術的能力を身につけた。ただしコンピューターの整備、発表技術向上のための教科横断的(国語、美術、技家)カリキュラムの開発があればいい。
  • 授業内容からみて計画時間数では終了困難と思われたが学校の先生方、生徒達の時間外の努力があった。
  • 小中一環教育が叫ばれている中、小、中学校の先生方の交流(授業参観)が設定されればよかったと思う。
  • 本授業の継続によりノウハウが蓄積されていくことを希望する。

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