産業界との協力授業
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実践事例
地図を見て・まちを知る
実施した教育機関・生徒数・実施日
■宮城県仙台市立片平丁小学校
学年 クラス 児童数 実施日 合計授業時間
4学年 2クラス 61名 平成14年11月11日、13日、19日
12月1日、2日
360分

■宮城県黒川郡大和町立吉田小学校
学年 クラス 児童数 実施日 合計授業時間
4学年 1クラス 21名 平成14年11月12日、14日、18日
12月3日、4日
510分

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実施した教科・単元
学年 教科名 単元
4学年 社会科 総合的な学習の時間 「きょうどに伝わるねがい―ふるさとれきしマップ」
「情報処理技術」

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主催した教育機関
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授業概要
  本授業は、株式会社ゼンリンの企業概要のVTRによる紹介に始まり、身の回りに存在するが今まで子供たちが目にしたことがない「地図」を、地図の現物やパワーポイントを駆使して解説し、導入とする。パワーポイントは地図の部分拡大写真を中心に構成し、今まで気がつかなかった「新しい地図の見方」や地図記号を理解させる工夫を行う。VTRは、地図の製作工程や、新しいナビゲーションシステムを取り入れたタクシー会社への取材などを、動画ならではのわかりやすさや親しみやすさを重視した編集とする。また、各時間ごとに、子供たち自身が地図に関する体験学習を行うコーナーを設け、地図に対する興味を起こさせる仕掛けを行う。
  校外学習では、片平丁小学校は、住宅地図に書かれたルートを頼りに、片平地区の老舗や、お年寄りを尋ね、学区内の移り変わりを取材し、情報カードにまとめる。顔見知りではない大人たちとのコミュニケーションは、こどもたちの好奇心と冒険心をくすぐるだろう。また、移動の途中で気がついた危険箇所や「こども110番」のお店を発見することも学習項目に加える。危険な場所や危険を回避する場所を自分の目で確かめる作業は、自分自身で安全を確保する技術の習得に役立つと考えられる。吉田小学校は、仙台市内の老舗や旧跡を訪ね、店の歴史や名前の由来などを聞きとる作業をおこなう。移動の途中では、自分が「歴史を感じるもの」を探す作業をおこなう。近くの都市「仙台」を同級生と始めて歩く経験は、新しい「都市の発見」につながり、子供たちの書いた「情報カード」の文章や写真は、デジタル住宅マップにまとめられ、クラスで発表される。住宅地図を頼りに見知らぬ街を歩き、地図上にまとめる学習は、子供たちが「地図を見て、まちを知る」という今回のテーマに最適の学習であると考えられる。

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授業のねらい
  子供たちは、地図を通して、町の移り変わり、地図の種類、企業やお店・官公庁での地図の使われ方を学習することで、地図の歴史や社会の役に立っている地図を学び、地図への理解を深める。また、インターネットや3DCGを使った新しい地図の知識の習得や体験、パワーポイントを使った地図の製作や発表の中で、情報の整理の道具としてのコンピュータに触れてみる機会を提供したいと考える。また、校外学習では、身近にあるけれども知らなかった「昔の話」や「場所」を訪ねたりすることで、地域の人々の願いについて考えると共に、地域の一員としての自覚を促す内容とする。

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授業内容
実施単位 テーマ
1時間目 地図をつくる職業と地図の種類

実施場所 片平丁小学校・吉田小学校 教室 実施時間 45分
講師 株式会社ゼンリン
株式会社ファースト・クレエ
使用教材 Microsoft(R) PowerPoint(R) ファイルドキュメント、ビデオ、住宅地図ほか各種地図

授業の進行・内容 授業の様子
■進行
  まず、弊社のHP上の授業用コーナーから「マップおねえさん」を呼び出し授業の導入とし、次に講師2名の掛け合いで、VTR・パワーポイント・実物地図を使用し授業を進行した。

■内容
  地図の種類とその役割、使い方を理解させる授業を行った。

  株式会社ゼンリンの会社紹介(地図を作っている会社)と商品を紹介し(VTRにて)、その他にも一般で売られている地図をパワーポイント・実物地図(地形図・海図・航空図・古地図)を使って解説。
  また、海図の記号を使って、質問形式の授業を行った。

  体験学習として、潟[ンリンの住宅地図を使って、自宅を探す(片平丁小)、学校・役場を探す(吉田小)学習を行った。


吉田小学校授業風景
色々な地図がある(吉田小)

片平丁小学校授業風景
地図の種類は(片平丁小)

片平丁小学校授業風景
住宅地図の目的は(片平丁小)

 


実施単位 テーマ
2時間目 地図はどうやって作っているのだろう。

実施場所 片平丁小学校・吉田小学校 教室
実施時間 45分
講師 株式会社ゼンリン
株式会社ファースト・クレエ
使用教材 Microsoft(R) PowerPoint(R)ファイルドキュメント、ビデオ、測量気

授業の進行・内容 授業の様子
■進行
  VTR(地図ができるまで)・パワーポイント・測量機を使って「地図が出来上がるまで」の授業を行った。

■内容

  VTR「地図ができるまで」を上映し製作過程を学習、講師によるゼンリンで実際に使われている調査票や、調査七つ道具を紹介しながら、地図を製作する過程での調査の重要性を体験談を交えながら講義。

  体験学習として、測量機を教室に持ち込み、教室内及び窓から見える範囲の目標物を、班毎に測量し、目視予想距離との差を確認した。

測量風景吉田小学校
慎重に目盛をあわせる(吉田小)

測量風景片平丁小学校1
目標を定めて測量(片平丁小)

測量風景片平丁小学校2
測量機の使い方を聞く(片平丁小)


実施単位 テーマ
3時間目 地図はどんなところで使われているのかな?

実施場所 片平丁小学校・吉田小学校 教室
実施時間 各45分
講師 株式会社ゼンリン
株式会社ファースト・クレエ
使用教材 Microsoft(R) PowerPoint(R)ファイルドキュメント、ビデオ、3D地図ソフト

授業の進行・内容 授業の様子
■進行
  VTR「タクシー会社取材」、パワーポイント、3Dソフトを使って「地図の使われ方」の授業を行った。

■内容
  仙台市のタクシー会社「仙台中央タクシー」を取材したVTRを上映、住宅地図を使った新しいナビゲーションシステムの使われ方を解説した。また、株式会社ゼンリンの講師より不動産・宅配業・警察などにおける住宅地図の使われ方をパワーポイントで紹介。
  また体験学習では、潟[ンリンで開発した3Dソフト3種類をPCに取り込み、児童たち自身が操作を行った。
  最後に、次回行われる校外学習の調査のポイント、調査の際の注意事項を講義。班では、役割分担(地図係・記録係・時計係・写真係・イラスト係)を行った。

パソコンを見ている吉田小学校編
3Dソフトを体験(吉田小)

パソコンを見ている片平丁小学校編
なかなか難しい(片平丁小)

片平丁小学校
使い方を教わる(片平丁小)


実施単位 テーマ
4・5時間目 郊外学習でまちを調査してみよう。

実施場所 片平丁小学校 学区内
吉田小学校 学区内
実施時間 90分(片平丁小学校)
180分(吉田小学校)
講師 株式会社ゼンリン
株式会社ファースト・クレエ
使用教材 Microsoft(R) PowerPoint(R)ファイルドキュメント、ルート地図、使い捨てカメラ、メモ帳

授業の進行・内容 授業の様子
■進行
 片平丁小学校:パワーポイントを使って調査のポイントを復習後、12班にわかれて学区内の12ルートを調査。

 吉田小学校 :仙台市内に移動中のバスの中で調査ポイントを復習。4班に分かれて仙台市内の4ルートを調査。

■内容
片平丁小学校:
  1組、2組合同で授業を行った。合計61名を12班にわけ、片平地区に住む昔をよく知るお年寄りや老舗を訪ね、近所の神社の由来、町や商店の移り変わりの取材、調査を行った。
  また、特別指令として、ルート移動中に気が付いた危険箇所(歩道がない、車の往来が激しいなど)の発見や、子供110番の店舗・住宅の確認などを行った。

吉田小学校:
  バスで仙台市内に移動、21名全員で、七十七銀行の金融資料館を尋ね、銀行の歴史を古い貨幣やビデオ、パソコンなどで学習。その後4班に分かれて、仙台市内の老舗(白松が最中・阿部かまぼこ・萩の月)、旧跡(晩翠草堂:土井晩翠資料館)を訪ね、お店の歴史のお話や、商品の名前の由来、資料の見学などの取材、調査を行った。
  また特別指令は、ルート移動中に歴史を感じるさせるものを探すこととし、芭蕉の辻などの取材・調査を行った。

  なお、両校のルートは、事前に片平地区・市内を調査し、ルートを設定、株式会社ゼンリンの住宅地図に取材ポイントをマークした地図を班ごとに作成し、児童全員に配布した。

  また、各班には1〜2名の引率者を付け、児童の安全を確保した。

片平丁小学校
神社で調査(片平丁小)

片平丁小学校
老舗で歴史を知る(片平丁小)

吉田小学校
念入りに観測(吉田小)

吉田丁小学校
分かったことはメモに(吉田小)


実施単位 テーマ
6時間目 調査カードをまとめてみよう

実施場所 片平丁小学校・吉田小学校 教室
実施時間 45分
講師 株式会社ゼンリン
株式会社ファースト・クレエ
使用教材 Microsoft(R) PowerPoint(R)ファイルドキュメント、調査カード

授業の進行・内容 授業の様子
■進行
  パワーポイントで、講師がまとめる方法をレクチャーし、引率者が各班のまとめ作業をサポートした。

■内容
  各々の児童が、取材先で聞いた話のメモや、移動中に写した写真の中から数点を選び、調査カードにまとめる作業を行った。引率者は、あくまで間違った記述や、写真の選別の際の相談役に徹した。

吉田小学校
メモの整理(吉田小)

片平丁小学校
まとめに熱中(片平丁小)

片平丁小学校
写真を配置(片平丁小)



実施単位 テーマ
7時間目 デジタルマップを完成させよう

実施場所 片平丁小学校・吉田小学校 教室
実施時間 45分
講師 株式会社ゼンリン
株式会社ファースト・クレエ
使用教材 Microsoft(R) PowerPoint(R) ファイルドキュメント

授業の進行・内容 授業の様子
■進行
  最初に、講師がサンプルをパワーポイントでレクチャーし、児童が完成作業を行った。

■内容
  あらかじめ、校外学習用に作成した住宅地図に、6時間目にまとめ学習で作成した調査カードを基に、ドキュメントを入力、写真を合成したパワーポイントを作成。
  児童は、ドキュメント内容の確認、ポイント・写真の確認を行い、矢印の入力などレイアウト作業を行った。
  各班ごとに、1枚のパワーポイントを作成し、班全員の調査カードを反映させた。
  作業終了後、発表順番を決め、発表のリハーサルを行った。

吉田小学校
歴史マップ作り(吉田小)

片平丁小学校
うまくできたかな(片平丁小)

片平丁小学校
みんなで確認(片平丁小)


実施単位 テーマ
8時間目 デジタルマップを発表しよう

実施場所 片平丁小学校・吉田小学校 教室
実施時間 45分
講師 各クラスの担任
使用教材 Microsoft(R) PowerPoint(R) ファイルドキュメント

授業の進行・内容 授業の様子
■進行
  パワーポイントを使って発表

■内容
  両校とも授業参観期間と重なり、保護者を前にしての発表となった。各クラスの担任が校外学習の内容を簡単に説明を行った後に、班ごとに分かれ、各人が調査カードに沿った発表を行った。

吉田小学校
各班で発表(吉田小)

片平丁小学校
役割を決めて発表(片平丁小)

片平丁小学校
分かりやすく説明(片平丁小)


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授業の成果
子供たちにとって、体験学習や校外学習が1番の喜びだったようだ。住宅地図で自分の家を確認したときのうれしそうな顔、誇らしげな顔。測量機を使った授業では、予想距離と実測距離の違いに一喜一憂しながらも、実際の距離感覚を育てる一助になったと思われる。3Dデジタル地図を使ったナビゲーションシステムの体験は、ゲームに慣れた子供たちにも新鮮だったようだ。バーチャルな世界ではあるが、自分で操作し目的地にたどり着く学習は、ITの進化を体験するよいチャンスになったと思われる。校外学習では、地図のルートをたどりながら仲間と歩き、いつもの見慣れた風景の中から新しい発見をすることに新鮮な驚きがあったようだ。教室での授業では、パワーポイントやVTR中心の授業を行った。黒板中心の授業に比べて目新しく、最初は少し緊張していたようだがすぐに慣れ、多くの子供たちは授業に集中していたように思われる。全体的には、地図を理解させるための授業が3時間では内容が少し多すぎたようで、時間を気にしながらのものになってしまった。後半の情報カードの作成やデジタルマップ製作においては、講義の時間を少なくし、子供たちの作業時間を多く取るように時間配分の改善を行った。保護者のアンケートの中で、私どもの授業終了後、子供たちが、仲間と地図作りを遊びの中に取り入れ始めたとの記述があり、地図に対する興味が浸透し始めているようである。どちらの学校も、授業終了後の休み時間に、質問をしに来る子供たちも現れた。今回の授業のテーマである「地図を見て・まちを知る」を通して子供たちの好奇心、冒険心を喚起する目的が概ね達成できたと思われる。

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実施環境
実施場所 片平丁小学校 4年1組・2組教室 および 仙台片平地区
吉田小学校 4年生教室 および 仙台市内
使用した機器 ノートPC、プロジェクター、ビデオデッキ、スクリーン

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使用教材
教材タイトル マップおねえさん @ABE
教材仕様 ホームページ用動画 各1分〜2分
教材概要 1・2・3・6時間目の授業の冒頭で登場する。その時間に行う授業をマップおねえさんが簡単に説明する。弊社のHPに事前にアップし、予習の手引きとした。

教材タイトル ゼンリン会社案内
教材仕様 VHSビデオテープ
教材概要 株式会社ゼンリンの会社の事業規模、事業内容を簡単に紹介。ゼンリン社員から小学生への応援メッセージで締めくくっている。

教材タイトル 住宅地図ができるまで
教材仕様 VHSビデオテープ
教材概要 株式会社ゼンリンの住宅地図製作現場のドキュメント。住宅地図のアナログ製作、デジタル製作過程を、女性ナレーターの解説でわかりやすく紹介。

教材タイトル 地図の使われ方ドキュメント(タクシー会社編)
教材仕様 VHSビデオテープ
教材概要 「仙台中央タクシー」の運行司令室を取材、住宅地図を使ったナビゲーションシステムを運用して、お客さんへのサービスを行っている現場を、専務のインタビューをガイドに紹介。

教材タイトル 授業@地図をつくる職業と地図の種類
教材仕様 Microsoft(R) PowerPoint(R)ファイルドキュメント
教材概要 株式会社ゼンリン仙台営業部の活動。地形図、海図、航空図など陸・海・空の基本的な地図、道路地図などの一般的に使われている地図などいろいろな種類の地図や、古地図と現在の住宅地図との比較。

教材タイトル 授業A地図はどうやって作っているのだろう
教材仕様 Microsoft(R) PowerPoint(R)ファイルドキュメント
教材概要 調査の重要性を理解させるために、調査員のスチール写真や調査済み原図、説明内容のドキュメント、アニメーションを使った測量機の原理。

教材タイトル 授業B地図はどんなところで使われているのかな
教材仕様 Microsoft(R) PowerPoint(R)ファイルドキュメント
教材概要 住宅地図のスチール写真、住宅地図を使っている企業のスチール写真、VTR補足のための地図製作現場のスチール写真、GPSの原理。

教材タイトル 授業CD地図を作ってみよう
教材仕様 Microsoft(R) PowerPoint(R)ファイルドキュメント
教材概要 郊外学習のテーマ、注意事項、特別指令

教材タイトル 授業E情報カードをまとめてみよう
教材仕様 Microsoft(R) PowerPoint(R)ファイルドキュメント
教材概要 情報カードのまとめ方、情報カードのサンプル

教材タイトル 授業Fデジタルマップを完成させよう
教材仕様 Microsoft(R) PowerPoint(R)ファイルドキュメント
教材概要 完成デジタルマップサンプル


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授業協力メンバー
所 属 氏 名 授業での役割
株式会社ゼンリン
東北支社仙台営業部
光岡 秀樹
講師
株式会社
ファースト・クレエ
大塚 正之
講師

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授業の感想
■授業実施者
(産業界講師)
  • 世の中に存在するさまざまな地図を提示することにより、地図全般を概ね理解できたと思う。しかし小学校4年生の授業としては、内容が難しく十分に理解できたかは疑問である。
■担任の先生
  • 専門的な視点で体験的活動を実施することが出来、子供の意欲を高め、驚きを実感できた。一回の調査で足りなかった情報を部分的に調査に行く事が出来る時間が取れれば、内容的な深まりと調査意欲の高まりが見られたと思う。グループ協力をしながらさまざまな対象物に対して興味を示し、調べる姿が見られた。調査活動、まとめ、発表の様子から目標は概ね達成できたと思う。4年生での地図学習の基本を生かし、5年生の社会科産業学習、又は、5・6年の総合的な学習でも扱う。
■児 童
  • 地図づくりの大変さがわかった。
  • 今までは地図を見てもよくわからなかったが、わかるようになった。
  • 校外学習で仙台の町を見てまわって面白かった。
■教育関係の立場から
  • 授業が終わって2,3日してから、うちの子が友達と2,3人で、自分の住む町の地図とをつくることにしたと話をしてくれたので、そういう気持ちの出る授業をやってくれたんだ、ありがたいと思いました。子供たちのやる気もうれしいし、それが持続して、地図が出来ればすごいなと思いました。

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授業情報 実践事例 教材紹介

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