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* 活動概要

 

本田技研工業株式会社

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プログラム名

 

Honda「発見・体験学習」

■活動概要

 

 

2年の研究期間を経て、2002年4月にプログラムを本格的に開始。「人・自然・モビリティの融合、そして人々の共感」をテーマに創設した「ツインリンクもてぎ」を中心とした地域をフィールドとし、そこに生活する様々な人々の協力を得る形で実施しており、体験型の校外学習や短期集中滞在型の学習として多くの学校が利用している。

学校ごとのテーマや学習効果に応じたカスタマイズ展開を行っているので、実施プログラム・体験施設・道具・教材が異なる為、費用も様々である。施設利用や教材費、講師や専門知識を持ったスタッフへの対価は、実費負担レベルを目指している。しかしながら現状は、実費の半分程度でのモニタリング実施であり、持続性や効率化が課題となっている。

学校の置かれている現状や、子どもたちを取巻く環境を考慮に入れ、修学旅行や林間学校の60〜80%程度の費用での実施を目指している。

活動理念

 

チーム学習を基本とするプログラムを通して、こどもたちの無限の可能性を引き出したり、学ぶ楽しさを見つけたり、様々な経験をしたりする機会を提供するということを活動理念としている。

そのため、チームで協力したり、道具を使用したり、議論したり、発表したりという過程を大切にしている。その結果、自分で調べ、発見し、考え、議論し、自分の考えを表明する事が、教えられるより楽しいと「気づく」事が大切だと考えている。このようにして、子どもたちの「夢」と「可能性が」広がることを目指している。

活動実績

 

小学校から高校、専門学校、大学まで含むと、毎年約250校、20,000人が利用している。内容も幅広く、環境問題からより専門的な知識に対応する内容など、利用する学校の様々なニーズに応えることができるプログラムを開発している。

導入としての日帰り体験学習から利用することができるが、現状は、活用例の多くは体験学習である。本プログラムの特色をなす2泊3日の滞在型プログラムには、昨年は6校、約1,000名が参加した。

その内容は、新入生のオリエンテーションから総合的な学習の時間、AO入試や研究論文を想定した「探求スタイル」までと幅広い。ひとつの教科に対応するというよりも、様々な知識を活用しながら、チーム学習を中心として、議論をする力、チームワーク、調査力、プレゼン力を含め、様々な発見をすることが可能なプログラムとなっている。

なお、各チームには、子供たちを支援するラーニングアドバイザーがつくが、この点が本プログラムの特徴のひとつとである。

またパソコンやインターネット、デジカメなども使用するため、情報の教科にも対応している。ただ、あくまでも、「発見」の補助ツールや自ら考えた意見の編集道具としての割り切った活用にとどまり、情報機器の操作スキルの向上は目的に入っていない。

子どもたちが「必要」と感じる場合は補助し、他の「伝達手段」「表現方法」を工夫する場合はその支援をする、といったユニークなスタイルを採っている。

活動の意味・ねらい

 

 

Hondaは「世の中の役に立ちたい」という夢をモビリティの分野で「技術」「モノづくり」というアプローチで取り組んできた会社であり、「ものづくり」に対する考え方や、その活動の成果・結果を、学習分野で役立てることができればと考えている。さらに、現場・現実重視の企業らしく、「多くの失敗や挫折から学ぶ事」、「自ら発見し、克服した時の感動」、「仲間と協働で課題に取り組んだ時の共有化の難しさと達成した時の喜び」、など仕事のプロセスやモチベーションを高める手段が、子どもたちにも活用できるのではないかと考えている。

Hondaの企業文化発信地「ツインリンクもてぎ」には、Hondaの夢の軌跡をバイクやクルマを中心に紹介する施設や、ヒューマノイドロボットASIMOと一緒に「ものづくり」の未来を考える施設、のりものの仕組みを知り、自分自身が危険を安全に体験できる施設がある。

これらの施設をフルに活用し、従来実施してきた「校外学習」に加え、昨年から実験開発を行ってきた新しい学習プログラムを、指導者と協働で開発していきたいと考えている。

実施体制

 

 

以下の3社を中心としたプロジェクト推進体制で、学校やNGO、NPO他企業等との協働作業が基本となる。ただし特定の政治家や、宗教色の濃い団体の広報活動につながる場合は除いている。

     本田技研工業株式会社

     潟cインリンクもてぎ

     株式会社エヌ・ティ・エス(NTS教育研究所)

学校へのアプローチ・連携方法

 

2002年度のアプローチは以下の通りである。

     教育ソリューションフェア出展

     各紙/誌におけるプロモーション

     各種セミナー開催

     ホームページ        など

学校の反応

 

学校からの問い合わせも年々増えており、また2002年に利用した学校の約60%は、2003年も利用する予定である。学校からは「普段学校では見せないようなチームワークを発揮してくれた」、「こんなに立派にプレゼンテーションができるとは思っていなかった」などの声があがっており、非常に好評である。

一例として、学校が生徒に対して調査したアンケート結果(抜粋)を以下に示す。

Ø         参加生徒:

「楽しいと感じたことが多かった」72%

「記憶に残っている学習内容が多い」62%

「役割をやり遂げることができた」55%

Ø         指導教員:

「子どもたちの、学校では出さない顔が見えた」20%

「うちの子どもたちが、こんなに取り組むとは思わなかった」30%

「今までの指導方法が生きるアプローチと思います」55%

「情報や知識の大切さと生かし方を子どもたち自ら気づくプログラム」50%

実施機関の反応

 

〔ステイクホルダー〕

これからの企業は、本業を誠実に行うだけでなく、企業市民としての役割を果たすことが社会から期待されている。寄付活動や文化支援活動も必要だとは思うが、業績に影響が出るのは本末転倒である。既に持ちうる資産を社会の為に有効活用する事が持続可能な役割の果たし方と考える。企業が自ら培ったモノを活用し、子どもたちに夢を持たせる活動は、大変重要な事であり応援したい。

〔推進担当責任者〕

「技術で社会の役に立ちたい」という創業者の「夢」を、時代の変化に対応しながら実現したいと、様々な人に支えられながら、従業員一丸となって進めてきた。負けず嫌いのHonda社員一同の「夢の実現」に挑戦しつづける姿が、子どもたちの「活き活きとした笑顔や自信につながる」役に立ち、これから遭遇するであろう幾多の課題に取り組む「励み」になれば、幸いと考えている。

〔担当スタッフ〕

「総合学習」という言葉に最近よく出会う。Hondaの行うHonda「発見・体験学習」は、現場で我々スタッフも学ばせてもらう「相互学習」である。体験や出会いの瞬間瞬間で変化する子どもたちの「表情」や「反応」から彼らは何に「気づき」彼らのどんな「才能」が目覚めたのか、サポートしている我々の毎日が、学習である。ワークショップの中で自分では到底発想も出来ないアイデアや、アプローチが彼らからドンドンでてくる。感動の連続に、頭と身体全部で汗をかく感じや子どもたちと自分の「心が」共震する感じは、やってみないと解らないと思う。

今後の展開

 

子どもたちが「教えてもらうより、学ぶ・発見する楽しさ」に「自ら気づく」までに到達するには、現状で3日程度かかっている。これを少しでも短縮する仕掛けと、また半日程度の体験学習から滞在型への移行との両方を進めてゆくことを、今後の目標としている。

さらに、子どもたちがもっと熱中し、学校や先生の要望実現に向けたプログラムカスタマイズ体制の更なる強化や、子どもたちの「熱中」と様々な「発見」を効果的、効率的に行うことで費用を圧縮すること、またより多くの参加者に対する受入態勢を構築することも合わせて目指している。

問い合わせ先

e-mail/URL含む)

 

 

 

本田技研工業株式会社

<栃木県・茨城県在住者向け連絡先>

ツインリンクもてぎ もてぎ営業所

TEL:0285-64-0090  / FAX:0285-64-0099

<栃木県・茨城県在住者以外向け連絡先>

ツインリンクもてぎ 東京営業所

TEL:03-3278-0777 / FAX:03-3278-0733

URL:http://www.honda.co.jp/hesp

 

 

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