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*実践事例

 

実施概要

授業内容

教材概要

主な授業の感想

 

 

 

 

 

 

 

 

 

* 実践事例

 

財団法人科学技術融合振興財団

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■実施概要

 

タイトル名

 

「企画とは何か〜アイディアを実現する〜」

教育機関名

 

目黒区立第一中学校

学年

 

第1学年

教科名

 

総合的な学習の時間

クラス数

 

3クラス

児童・生徒数

 

83人

実施日

 

2002年11月11日

合計授業時間

 

2校時(50分×2コマ)

 

 

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■授業内容

 

実施単位

 

5・6時限目

テーマ

 

ゲームを題材に、アイディアを実現する手段としてのコミュニケーションを行う

実施時間

 

13:30〜15:30(休憩10分)

実施場所

 

目黒区立第一中学校

講師

 

湯澤太郎(株式会社コーエー・プロデューサー)

協力者

 

遠藤哲夫(ライター・記録)、網代剛(ゲームデザイナー・補助)

使用教材

 

プレゼンテーションデータ、ゲームデモ映像、ゲーム制作資料、自作ワークシート

使用機器

 

ノートPC、MS-Powerpoint、PCプロジェクタ、VTR、TVモニター

授業進行及び内容

 

(1)自己紹介とゲーム企画の仕事の説明

講師自身の会社や作品のプレゼンテーションデータを利用して、ゲームのデモ映像や制作資料(制作画やシナリオ等)などの「モノ」を使いながら、ゲーム制作の仕事全般を説明した。

その中で特に企画の仕事が、「アイディア(企)」+「プラン(画)」でプロジェクト全体を牽引する位置づけにあることを説明した。

(2)アイディア出し体験

 ワークシートを利用して、質より量、短い時間にとにかくたくさんのアイディアを書き出す体験を、生徒一人一人が個人で行った。テーマとしては、「じゃんけんゲーム」企画とした。

 ほとんどネーミングだけ、かなりの数がどんどん書ける生徒と、こだわってしまって全く書けない生徒に分かれた。

 アイディア段階では自由な発想で、数多く出した方が、後になってよいものができる可能性が高いことを説明した。

 

講師の仕事の紹介

アイデア出し

 

(3)プランニング体験

上記(2)で出したアイディアを画面上に表現するため、画面プラン(レイアウト)に落とし込む体験を、やはり個人単位で行った。

全般的にゲームに慣れていて、図解的な表現能力も高く、ほとんどの生徒がユニークなゲーム画面の構成を作成することができた。

プランニングの作業はアイディア出しとは逆で、何らかの制約や様式(画面の場合は面積など)に、プレイヤーが何を考えるか・どう感じるかを想像しながら、アイディアを割り付けてゆく作業であることを説明した。

 

プランニング体験

 

(4)グループによる企画作業体験

上記(2)と(3)の結果を持ち寄り、6人程度のグループによる共同の企画作業を体験した。基本的には関連のない個人での作業を、それぞれのねらいや面白さを説明しながら、1つの案にまとめる作業である。

時間等の制約も大きかったが、基本的にはコミュニケーションの難しさから、個人単位の作業よりもかなり難航した。最後にそれぞれのグループに企画案を説明してもらったが、それこそ誰が発表するかモメてしまうグループも多かった。

しかしそれぞれのグループの企画案自体は、面白そうな案1つに絞って膨らませたり、いくつかの案を合成したり、それぞれ工夫してまとめているものが多かった。

(5)まとめ

ゲーム企画の仕事の本質は、プレイヤーが何を考えるか、どう感じるかを想像して、ゲーム世界を組み立ててゆく作業である。またプロジェクト内でも、それぞれのクリエイターが何を考え、どう感じているかを想像しながら、指示をしてゆく役割を担っている。企画の仕事の難しさは、ある意味でコミュニケーションの難しさであることを説明した。また、そのような企画の仕事が、今後いろいろな職業で重要になってくることを説明した。

最後に「感想シート」を講師から渡し、感想を書いてもらった。

 

 

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■教材概要

 

教材タイトル

 

ゲーム企画ワークシート

教材仕様

 

A4版1枚のシート3種+感想シート1種

教材概要

 

・アイディア出しシート

ゲームアイディアについて、ひとことずつ、たくさん書き込めるシート

・プランニングシート

 方眼紙のように画面を区切って、表示する要素を配置できるシート

・企画コミュニケーションシート

 画面構成を中心に、動きや特徴などを追加して書き込めるシート。コンセプトや面白さを説明するコメント欄も設けた。

・感想シート

 「印象に残ったこと」「感じたこと」「お礼の言葉」をバランスよく書くと、とても上手な感想文がかける。あらかじめ枠のサイズが決まったシートで、フォーマットの力を体験してもらった。

 

 

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■主な授業の感想又は反応

 

教育機関

 

目黒区立第一中学校では、総合的な学習の時間に社会人講師を招いたり、逆に地域に出て行ったりという活動をたくさん取り入れていて、その意味ではある程度、社会人講師にも慣れている。今回は企画の話ということで、教員としても大変興味深く観た。いろいろな仕事で企画が重要ということで、教育活動に役立つような面もあったと思う。

担当教員

 

いろいろな活動が盛り込まれている授業で、生徒は忙しかったが楽しかったと思う。短時間だが企画を体験したことで、実際に自分たちの活動を企画する際に役立てばよい。グループでの活動をまとめるのはとても難しいので、最後にまとまらなかったのは当然。まとめるようなコミュニケーションが、この学年の課題である。

講師

 

発想や表現の質の高さはすばらしく、自分たちが中学生だったときよりも格段に能力が向上していることを感じた。逆にグループのコミュニケーションについては、自分たちの世代ならそれなりにまとめてしまうところかもしれない。グループ活動のまとめ方をもうちょっと工夫してみたいが、最後に作ってもらった企画案自体はなかなかユニークで、面白いものが多かった。

生徒または児童

 

・ゲームはやるのは簡単だが、作るのは難しいことがわかった

・ひとつのゲームを作るのに、いろいろな役の人が協力する様子がわかった

・グループでまとめるのがとても難しかった

・じゃんけんという単純なものでも、プランにするのが難しくて驚いた

・プロの人でも失敗すると聞いておどろいた。でも、分析するからすごいと思った

協力者

 

それぞれ企画やマーケティングに携わるものが協力してくれたので、アイディア出しやプランニングについて再考するきっかけになった、ということであった。できれば相互にアイディアを出し合って、この種類の体験学習のカリキュラムを考えてゆきたい、ということであった。また、実際に企業教育などで教壇に立っている協力者からは、授業の進め方についてのアイディアをいただいた。

 

 

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