4.開発したシステムの機能および操作説明

4.1 本システムにおける機能概要(3つの主要機能)

本システムにおける主要機能は大きく3つに類別される。

1)GPS搭載型携帯電話を使用した「データ送信」機能

2)送信データを追記/管理する「データベース」機能

3)データベースの内容を地図上に表示すると共に、変更修正または編集できる「WEB- GIS」機能

以下にそれぞれの機能について説明を行う。

4.1.1 校区地図の設定と登録

1)オリジナルの送信プログラム(JAVAアプリ)により、数回の手順だけで簡単にデータ送信できる機能を開発した。基本的な送信データの種別は、撮影写真/撮影位置(緯度経度)/撮影日時/写真番号(授業番号+携帯端末番号+撮影番号をコード化)の4種類である。

2)送信プログラムの操作手順(※以下に機能ベースで解説)

操作1. JAVAアプリの起動(アプリボタンの長押し)
  起動すると自動的にカメラ撮影モードとなる
操作2. 写真撮影(実行ボタンを押す)
  撮影時間の記録を同時に行う
操作3. 写真保存(撮影内容を確認し、「実行」ボタンを押す)
  GPSを起動し、撮影位置の取得を自動的に行う
操作4. データ送信(送信「実行」ボタンを押す)
  サーバ上のデータベースに送信完了データが取り込まれる

3)送信データの追加機能(※プロジェクト設定時に分類登録が必要)

1)で説明した4つの送信内容に加え、6項目×6分類までの入力情報を送信プログラムに追加することが可能。調査を行う前に「WEB- GIS」上の教員用画面において、選択肢/メモ入力枠/数値記入枠などを任意に設定できる機能を付帯した。

4.1.2 データベース機能

データベースでは送信データの記録(追記型)と利用者の管理を行っている。

1)送信した各データを地図上に表示する際のサインアイコンの登録/設定変更、及び計算モードの活用を前提とした各送信データの係数値などをリレーション型データベースとして管理できる機能を有する。

2)ユーザー管理画面では管理者、利用者(児童・生徒)、ゲスト(データ閲覧者)の入管を行うと共に携帯端末の利用者(グループ)管理を行える機能も付帯した。

4.1.3WEB- GIS機能

WEB- GISエンジンは、以下に類別する5つの主要機能を有する。
※以下に示した「○○○」は、オペレーションボタンの総称

1)「マップを見る画面」・・・・・・・データマーキング&マップ表示機能

2)「修正・編集をする画面」・・・・・位置補正&データ編集機能

3)「計算式をつかう画面」・・・・・・任意の係数化による自動演算処理機能

4)「交流授業をする画面」・・・・・・プロジェクト単位で進行できるBBS機能

5)「写真・サインを追加する画面」・・データの追加編集機能

以下に、5つの主要機能を簡単に解説する。

1)「マップを見る画面」は、全ての認証済みユーザーが閲覧可能な画面として表示され、マップ上にプロットされたサインを選択(クリック)することで、写真と写真に付帯する情報(※4.1.1に詳しい)を閲覧できる機能を実装した。
基本インターフェース上には、以下の表示または切り替え機能を付帯した。

■写真一覧または、マップ表示切り替え機能
■表示マップの縮尺表示/切り替え機能(3スケール)
■マップタイプの表示切り替え機能(2タイプ:衛星画像と通常マップ)
■グリッド分割表示/切り替え機能(3タイプ)
■円形スケール表示機能(自動設定3スケール)

2)「修正・編集をする画面」では、利用者(児童・生徒)が自分たちの撮影した写真データの修正や情報の書き込みなどの編集が行える機能を実装した。
WEB-GIS基幹部上には、以下の基本編集機能を付帯した。

■マップ上のプロット位置の修正機能
■写真の回転機能(横使いや縦使いなどの修正)
■写真データの削除/追加機能
■サインの追加/変更/登録機能(サインはシンボル/地図記号/イメージ:各30種)
■データ分類における任意フォーム作成機能(最大:6項目×6分類)

3)「計算式をつかう画面」では、マップを任意のグリッド数(36 or 324 or 2916)で分割し、そのグリッド毎に写真データの数やデータに付帯した係数値などの個別取り出し、または集計や分類軸毎の平均値の算出などが行える機能を実装した。
その結果として地域をグリッド分割単位で色分け表示したり、選択肢の内容を任意に設定する事で、色分けしたグリッドに絞り込んだ上で任意のサインを重ね表示したできる機能を開発した。これにより、データ間における関係性を考察できるインターフェースを実現した。

4)「交流授業を行う画面」では、授業テーマ毎(プロジェクト毎)に意見交換を可能とするBBSと個別の写真毎にBBSを利用できる機能を実装した。これにより、総合視点(マクロ)と個別視点(ミクロ)の両面に対応した上で、目的に応じたコミュニケーションが図れる通信/会議機能を実現した。

5)「写真やサインを追加する画面」では、より地図を見やすくまたは、分りやすくする事を目的に、データ送信完了後、地域の特徴を現すイメージサイン(ランドマークや自然公園など)や地図記号をマップ上の任意の座標点に追加できる機能を実装した。さらには、デジタルカメラ(専用機)などで撮影した写真画像もデスクトップ上からマップ上の任意の座標点に追記しできる機能を付帯した。

以上、これらの3つの主要機能を組み合わせ、データ入力〜修正〜編集・加工〜演算〜情報交流までの一連のシステム構築により、マップを構成するデータ間の総合的関連性や集散傾向などの推理や思考をともなうシミュレーション機能や統計分析機能の具現化を図った。