2.プロジェクトの概要



2.1 プロジェクトの全体像

 本プロジェクトでは、不登校児童生徒の家庭学習を支援し、無理のない教室復帰を目指すe-ラーニングシステムの開発を行う。
 開発されたシステムの実証実験は、松原第七中学校、松原市教育支援センター(チャレンジルーム)、「心の窓にアクセス」事業実施児童生徒をはじめ松原市内全ての不登校児童生徒を対象に実施を予定している。具体的には不登校の生徒を対象に、家庭での学習時にe-ラーニングを採用し、オンデマンドで利用できる授業ビデオをネットワーク配信することで在宅の状態で学校での学習と連携させる。授業ビデオでは学習理解の補助としてデジタルコンテンツを利用し、それらはすべてネットワーク上で閲覧・ダウンロードできる状態にする。授業ビデオ、デジタルコンテンツは教科の担当教員が生徒の学習実態に即した必要内容(つまずきやすい単元や項目)を提案し、デジタルコンテンツ開発の専門家が作成する。e-ラーニングシステムは学習履歴のログ分析を可能なものにする。利用にあたり不登校の生徒にはリサイクルパソコン(Linux OS)を貸し出し、自宅にパソコンのない生徒でもe-ラーニングを利用した家庭学習に取り組めるように配慮する。これは将来的に、安価な情報機器の一般普及を目指すという観点からも実施し、使用に際しては要件調査を行う。
 不登校以外の生徒についても、教科学習の中で利用できるデジタルコンテンツを学習の理解の助けとして使用する。授業外の家庭学習ではe-ラーニングシステムを活用させ、学習履歴結果に応じた教員からの指導、自主学習に利用できるようにする。
 その他、すでに所有しているデジタルコンテンツを無償で提供することで、授業における学習に広がりを持たせる(先進的教育情報環境整備推進協議会作成コンテンツ)。提供方法については、e-ラーニングシステムと連携を取る。
 運営システムの構造や授業ビデオ、デジタルコンテンツの内容については教員へのヒアリング調査を随時行い、修正・追加を加える。実施経過やその効果などは速やかにホームページで公開し、教員や学識経験者、専門家などから幅広い視点での意見を受け付ける。収集した意見を統計学的に分析し、それをもって実証実験の評価とする。

 

2.2 教育的効果

 本プロジェクトにおける実践では、以下のような教育的効果が期待できる。

 

2.3 有効性の検証

 本プロジェクトの有効性は、以下の4点を踏まえて検証する。

 


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