第2章 学習支援システム



1.学習支援システムの概要

 システムは、基本的には、昨年度開発のシステムを踏襲し、これに新しい機能を追加するという形で進めた。昨年度に開発した支援システムの基本機能は以下のとおりである。
 1)自動送受信システム(写真とデータの送受信システム)
 2)入力データの整理・蓄積機能(データベースサーバ)
 3)学習用表示システム(子ども向けInterfaceのWebページ)
 このうち、1)2)の情報収集のメカニズムの部分については、プロトコルの互換性の面からも大きな変更を加えず、学習用表示システムの機能を追加・拡張することによって具現化を図った。学習用表示システムには、すでに報告した「指令の発信」「画面の選択と表示機能」「プレゼン表示の機能」があるが、これに、新しく付け加えた機能は以下のようなものである。

・GPS解釈自動登録
 端末として採用した携帯にはGPS情報取得機能がある。これを送信時に解釈することによって、画像データベースに、写真登録した日時だけでなく、日本のどの場所(経度、緯度)で撮影したものかを自動登録できるようにした。
・高精細画像表示機能
  携帯がよく利用している写真のサイズ(携帯サイズや壁紙サイズ)だけでなく、VGA(640×480)、SXGA(1280×960)などの高精細画像を受け取り、表示できるようにした。
・地図上画像表示ツール
  データベースから、位置情報と写真を検索し、地図上にポイントをつけて提示できるようにした。これにより、ばらばらに収集していた写真情報を同じ地図にならべて比較できるようになった。

 これらの機能を最大限に利用した以下のような実践を実施した。また、さらにその結果をうけて、いくつかの改善を行い、現在に至っている。

 以下、利用者の側に立ってシステムの機能と内容を紹介する。なお、システムの詳細については、別途、「高機能携帯電話を移動情報端末にした学習支援システム」外部仕様書に示されているのでそれを参照されたい。


 本システムの利用メニューは、大きく教師モード生徒モードに分かれている。
教師モードでは、システム導入時にあらかじめ登録された先生IDでログインし、課題の登録や、課題への携帯端末の登録、生徒IDの登録や設定、指令の発信、画像の閲覧や選択・並べ替えの操作ができる。また、本年度は、GPS登録機能の付加を受けてGPS表示用の課題別オリジナル地図の登録メニューなどを追加した。
 さらに、本年度は、教師モードの一部として管理者モードを設け、管理者に設定されている先生IDでログインすると、先生IDの登録・変更、携帯端末の登録、新機能の統括地図の登録メニューが利用できるように改良した。
 生徒モードでは、教師モードで登録した生徒IDで、課題ごとにログインをし、その課題に対してアップした画像の閲覧や、課題の設定によっては、選択・並べ替え、編集の操作がでる。



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