(3−1)防災学習2004
日時 2004年10月18日〜10月30日
実践校 大津市立瀬田小学校(石原 一彦)
対象学年(人数) 6年生3クラス117名
教科 理科「大地のつくり」と「総合的な学習の時間」の合科 - 活動における携帯端末の役割
観察した断層の撮影
危険箇所の撮影と同時に、
GPS機能を利用しての位置の記録
- 期待された学習効果
気づいたことや発見したことを気軽に撮影でき、身近な防災についての意識が高まると考えた。また、GPS情報の利用など、携帯端末の高度な利用を体験させることによって情報技術の進歩を体験させたい。- 実践の流れ
6年の理科で「大地のつくり」という単元で地層や化石などの学習を行うことになっているが、「滋賀地震防災市民ネット」のボランティアの方の協力を得て、「総合的な学習の時間」で震防災学習の取り組みを行うことになった。
携帯端末は、2回のフィールドワークで利用した。最初のフィールドワークは「膳所断層の見学」である。身近にある実際の断層を6年生全体で観察に出かけ、高校の地学の先生から話を聞いて地震発生のメカニズムを理解した。見学の際に携帯電話で断層の様子を撮影し記録した。
2回目のフィールドワークは「防災マップを作ろう」である。子どもたちがグループに分かれて校区の防災上危険な箇所や災害時に役に立つ施設などを取材し携帯で撮影した。見学に行った箇所は、消防署や公民館、中学校などである。取材の際には校区の地図をあらかじめシステム上に用意しておき、撮影した場所のGPS情報を測定し、画像と共に送信することで地図上に撮影場所がマッピングされる。このシステムによって、後に教室で地図を作製する際に大変役立った。
◎実践の流れ概要
1. 起震車で地震体験
2. 地震発生のメカニズムや阪神淡路大震災の被害の様子について学ぶ
3. フィールドワーク(1)膳所断層の見学
4. 自分の部屋の安全チェックと地震に備える
5. フィールドワーク(2)町探検
6. 校区の防災マップ作り
7. 地震防災学習発表会
8. 地震防災学習をふり返って(児童の感想)
9. 新潟中越地震で被災した新潟の友だちとの交流
- 効果および改良点
学習後、児童の防災意識が高まったように感じられる。携帯端末のGPS情報は大変便利で、この実践以外にも様々な活用ができるように思えた。ただ写真を送信するのにメールの返信という手続きでしか送信できなかったり、VGAサイズ以上の画像が送れなかったりするのでこのあたりが課題であると思える。
(3−2)携帯電話のモラル指導
日時 2004年10月15日〜10月25日 - 大津市立瀬田小学校(石原一彦)
対象学年(人数) 6年生3クラス117名
教科 「総合的な学習の時間」 - 活動における携帯端末の役割
携帯電話を児童全員が自宅に持ち帰り、携帯の使い方やコミュニケーションを体験する。3日間、自宅で利用した後に学級で携帯電話の問題点を話し合う。次に、本システムを用いて教師が意図的に作った迷惑メールを児童全員の携帯に送信し、実際に迷惑メールが送られてきた時の対応を考える。また、擬似的な携帯の不正サイトをあらかじめ作成しておき、そのサイトにアクセスさせ、不正サイトの疑似体験を行って、正しい対処法を体験的に理解させる。最後に、学習のまとめとしてそれぞれの児童が「携帯ルール」を自分たちで考え、全員で話し合って携帯の使い方をまとめていく。- 期待された学習効果
すべての児童に携帯電話の正しい使い方やモラル指導を行う場合には、携帯を全員に持たせることが大変有効であった。- 効果および改良点
学習後、児童のモラル意識が高まったように感じられる。また保護者の意見にも、学校でこのような指導をしていただいてありがたいという声が多数あった。
◆実践の流れ
指導計画(全9時間)
- 事前指導 携帯の利用に関するアンケートをしよう
- アンケートの結果をグラフにまとめよう
- 使っている人の数
- 迷惑メールを受け取った人の割合
- イタズラメールを受け取ったりしていやな思いをしたことのある人の割合
- 集計結果から分かることと思うこと
- 携帯の使い方大研究
- 携帯から電話をかけよう
- 携帯からメールを送り合おう
- 携帯に登録しよう(電話帳登録・QRコードによる登録)
- 携帯で写真を撮ろう
- 撮った写真や動画をメールで送ったり、パソコンに取り込んだりしよう
- その他の便利な機能(時計・スケジュール・ナビウォーク等)
- 家で使うときのミニルールを考えよう
- 使う目的
- 使って良い時間
- 伝え合う内容
- 家で使ってみたときの感想をまとめよう
- 携帯の良いところ
- 携帯の悪いところ
- 家の人の感想
- 携帯メールの安全な使い方を知ろう
- 詐欺メール
- アダルトサイトメール
- 出会い系サイトメール
- イタズラ・イジメメールへの対応
1 不幸のメールこのメールは不幸のメールです。今すぐ、あなたがよく知っている人5人に同じ内容でメールを出してください。5人の人に出さないと、あなたは近い将来とんでもない不幸な事件に巻き込まれます。不幸になる前に早く5人の人にメールを出してください。 2 督 促 状(最終支払い通知)あなたが先月ご覧になったホームページの利用代金がまだ支払われていません。ご利用いただいた代金は「3568円」です。この代金を至急、以下の銀行にお振り込みください。USJ銀行 東京支店 普通口座077545 口座名義:サイケンカイシュウキコウなお、今週中に代金が振り込まれない場合は、後日、ご自宅まで直接受け取りに行かせていただきます。この件に関するお問い合わせは0774-11-5555債権回収機構までご連絡ください。 3 ごめんね、メールくれたよね。メル友、ぼしゅう中ってほんと?わたし、あなたのメル友になりたいな・・・私のホームページにアクセスしてみてね。 4 ○○さんへ、私たちのクラスって、最近暗くない?みんなそう言ってる。なぜかというと、それは□□さんのせいだと思うの。□□さんは先生の前ではいつも優等生だけど、先生がいないとみんなに命令したり、手を出してきたりするよね。そこで、これから□□さんを一切無視しようってみんなで決めたんだ。○○さんも賛成してくれるなら、友だちに回してね。
- 不正サイトへの対応を考えよう
- 着メロダウンロード
- アダルトサイト
- 出会い系サイト
- 10のケースから考えよう
- 携帯ルールを作ろう
- 絶対してはいけないこと
- 家で
- 学校で
- 道や路上で移動中に
- 電車やバスなど公共交通機関の中で
- レストランや店の中など人の多く集まるところで
- 病院で
- 変なメールを受け取ったときは
- 困ったときは