第3章 学習支援システムを活用した実践



5.GPS機能の活用

 受け取ったGPS情報は、緯度、経度、同期型調整機能つきの正確な時間情報と共にデータベースに自動記録される。写真は、それらの情報と共に、教師の作成したオリジナルな地図上にマッピングされる。場所と時間の自動記録と地図マッピング機能を有効に利用した実践は本システムの特徴であるが、その事例として「修学旅行の活動報告」「防災マップを作ろう」「秋分、冬至の南中時の共同観測」「社会科:昔と今の暮らし」などがあった。特に「学校の近くのいまとむかし」は、子ども達が撮影してきた現在の写真を、30年前の開拓前の航空地図にマッピングし、地域の変化の様子を考察させるもので、GPS情報をうまく活用した授業実践として特筆できる。

 


 

(5−1)「学校の近くのいまとむかし」
   (取材した画像を、GPSを使い校区の航空写真にマッピング)

◆概要

◆実践の流れ

 4年生における実践。社会科の地域学習「ふるさとれきしマップ」の学習において、昔からあったと思われるもの、最近できたと思われるものを、カメラつき携帯電話で取材、GPS情報とともに送信した。サーバシステムによって、地域の地図や過去の航空写真上に、取材した対象物がマッピングされ表示される。児童はそれを見ながら、取材したものについて発表したり、地図や写真と取材対象物を比べたりすることにより、地域の昔と今の様子を比較してとらえることができた。
 この実践においては、子どもたちが地域に出て自ら得た取材情報を、過去(30年前)の地域の様子が分かる航空写真の上に重ねて位置づけることにより、対象がどこにあるのかを分かりやすくし、過去の写真から分かる地域の様子と、自分たちが取材したものを比較することによって、地域の変化に気づくことができた。撮影した画像をGPS情報とともにメール送信するだけで、地図上にマッピングされるので、子どもたちにとって、分かりやすいデータとなった。
 学習課題として目をつけるところを二つ提示した。「昔からあると思うもの」と「新しくできたと思うもの」である。これらを見つけて、写真に撮り、昔の学校周辺の写真を使って比較する学習を展開した。
 指導計画に沿って児童の様子を挙げる。

 

 

 

 

 


 

(5−2)南中高度の共同観測(秋分の日)

 

 


 

(5−3)冬至の影の長さへの参加

 

 



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