前橋市立第四中学校 Page2/2
(4)人間教育
人間教育では、ガイアプロジェクトに参加してエイズなどによる差別の問題についてアンケート調査や話し合いを行ったり、、障害を持つ人たちのバリアを見つけ写真に撮ってホームページに載せる学習等を他の参加校と共同で行った。こうした共同学習により、1校では実現できない規模の学習が可能となるだけでなく、話し合いの過程でものの見方や考え方が広まり、より深い学習が可能となった。
利用環境の整備とボランティアの協力
上記のように学校の中で生徒がインターネットを学習の道具として日常的かつ気軽に利用するためには、コンピュータ室は勿論、全教室からインターネットを利用できるようにすることが望ましい。しかし、一般の学校で全教室にLANの配線を行うには人・技術・予算など多くの問題がある。そこで、本校では地域のボランティアの方たちの協力を得て、校内LANの工事を行い、全教室から自由にインターネットを利用できる環境を構築した。現在このボランティア団体は「インターネットつなぎ隊(GIVE)」として、月1度の技術講習会の開催を始め、これからインターネットに接続しようとしている学校へのサポートを行っている。今後,他の学校へインターネットが導入された場合,機器の設置や設定,運用をどうするかは重要な問題になると思われるが,こうしたボランティアによるサポートはそうした問題解決の一つの解決策になると思われる。
平成8年度の成果と課題
総合的な学習を扱う場合に、インターネットは非常に有効な手段となるだけでなく、生徒の自主的な活動を引き出すことができることが明らかになった。インターネットを使って学習をする際、常に生徒は相手を意識している。また自分から働きかけることで反応が返ってくる。このことが生徒のやる気や自主性を引き出していると考えられる。 インターネットの利用は上記の様に、既存のカリキュラムに縛られない総合的な学習において極めて有効である。しかし、現在そうした総合科は設定されていないために、選択教科での学習となってしまっている。今後の情報化・国際化の進む社会に対応するためには、それに対応した教育課程の編成が強く望まれる。
プロジェクトに参加して
100校プロジェクトへの応募をした3年前、本校の職員の反応は「インターネット?何それ?」という程度の認識であった。しかし、現在、前橋市でも全学校をインターネットに接続する「学校間ネットワークプロジェクト」が来年度より開始されるなど、状況は大きく変化した。こうした教育へのインターネット導入の起爆剤になったという意味で、100校プロジェクトは非常に大きな成果をもたらしたといえよう。電子メールを用いた連絡やホームページによる情報収集や情報発信など、1度インターネットを利用してしまうと、もとには戻れなくなる程の影響力をインターネットは持っている。しかし、そうした便利な環境を享受できたのは、このプロジェクトに関わった多くの人たちの献身的なサポートや励ましがあったからこそである。ここに改めて関係者のみなさまに感謝申し上げ、これから多くの学校にインターネットが導入できるように、本校としてもより多くの実践を積み上げることで、少しでもご恩返しができたらと思っている。