福岡教育大学附属福岡中学校 Page1/2


100校プロジェクト 平成8年度実施状況   

はじめに
 本年度は、新任の教官が、インターネットに早く慣れることと以前から在職の教官のさ
らなる技能向上をねらい、月1回の研修体制の確認と年間計画を立案した。
 教官の操作技能に応じて2グループを編成して、2学期までに基本的な内容を終了し、
2学期からは教官が、ホームページの作成を目標とした。
 さらに、生徒たちが自由にインターネットを利用できる時間を確保するとともに、生徒
一人一人にIDを発行した。生徒の情報処理技術の向上のために、従来は3年で実施して
いた技術・家庭科の「情報基礎」を1年の1学期に変更した。
 また、生徒一人一人が、パソコンやインターネットを自由に利用できるようにさせるた
めに、本校独自のテキスト作成を計画した。
 教師のインターネットのリテラシー向上のために、職員室までLANを広げた。
○ネットワークの利用状況
 実践例1 インターネットの双方向性を利用した授業実践(その1)
 インターネットの双方向性を利用した授業の可能性を探るために、5月に生徒自身がホ
ームページで調査した結果を発信した。その内容に対する意見などを広く電子メールを利
用して送ってもらった。その内容に対して生徒自身で返答したり、ホームページの内容を
改善したりすることをねらった。
 この取り組みは、本校で行っている「生き方学習(教科・教科外諸領域を含めた総合学
習)」の1つの形態として行われた。
 まず、オリエンテーションでこの「生き方学習」のねらいと授業の進め方について説明
した。ここでは、モデムの電子音などを聞かせ、インータネットが電話回線で結ばれてい
る(情報を音に変換している)ことに気づかせ、「どのようにして情報が音で伝達してい
るのだろうか」「音を遠方へ伝えるためには、どのようにしたらいいのか」「電話回線以
前の情報伝達は、どのように行われていたのか」といった疑問をもたせた。
 次に、生徒の疑問解決のための探究活動を行った。ここでは、教科の壁をなくし、理科・
社会科・技術家庭科のティームで指導にあたった。生徒自身で自己課題を設定し、類似し
た課題ごとにグループを編成して、解決のための見通しをもたせるために計画書を作成さ
せた。その際、生徒たちは、教師が用意した「手引」を利用したり、図書室での文献調査
を行ったり、試しの実験などを行ったりした。
 さらに、生徒は、グループごとにそれぞれの課題解決のための探究活動を行った。ある
グループは、インターネットで情報検索して、電子メールでより詳しい情報を得ようとし
たり、またあるグループは、「手引」を利用し、紙コップを利用して「紙コップ・マイク」
を作成したり、自作コイルを利用して「モールス信号機」を作成したり、2個のトランス
を結線して「送受信機」を作成したりした。さらに、昔の情報伝達方法についてまとめた
り、「腕木信号機」の模型を作成した。
 その後、それぞれのグループで行った活動内容について交流活動をおこなった。そこで
は、グループの代表が、探究活動の結果を発表し合った。
 最後に、それぞれのグループの活動内容をホームページとして発信した。生徒たちにとっ
てはじめてのホームページづくりであったが、本校独自のテキストを手引として利用しな
がら作り上げた。ホームページの最後に、グループの代表生徒のメールアドレスを明記し
た。その後、生徒たちは、2学期のはじめまで、電子メールへの返事を送ったり、意見に
そってホームページの改善を行った。


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