宮崎大学教育学部附属小学校 Page 2/2
100校プロジェクト 平成8年度実施状況 
3 その他の活用

  • 電子メール交流
     教科学習や共同学習によって知り合った小学生と電子メールで不定期に交流をしている。アメリカの小学1年生との交流や新潟の小学生との交流が主に行われた。

  • 研究成果の発表
     学習指導案や研究の成果をWWW上で発表している。これによって共同授業が生まれたり,指導案交換が行われたり,教師同士の交流が図られたりしている。

    ○平成8年度の成果と課題

    1 ネットワークの現状と課題

    ・WWWページの著しい増加により学校で活用できる情報が多くなり,情報検索が容易になった。
    ・ネットワークの過密により情報の収集に時間がかかったり,発信した情報への反応が期待した程得られなかったりした。
    ・インターネットに参加している学校が増加し,交流学習が容易になった。
    ・不適当な情報や発信マナーなど子供の情報モラル機器活用マナーの育成が重要な視点として浮かんできた。

    2 成果

    ・情報活用能力を明らかにし,ネットワーク重点単元を教育課程に位置付けたことにより,学年の発達に応じた実践が可能になってきた
    ・交流学校との多様な共同学習ができ,子供たちの学習が意欲的になった。
    ・ネットワークの即時性,拡大性,双方向性が生かされるようになり栽培学習や調べる学習を高めるのに役立った。
    ・外部とのコミュニケーションを楽しみにするなど視野の広がりが生まれた。
    ・本校の一人の子供をネットワーク上の誰かが育てたり,本校の授業構想に他の学校の子供を育てようとする意識の変化あったりした。

    3 課題

    ・現行の教育課程では収斂できない内容や活動が生まれてくる。教育課程のより柔軟な実施と教科以外の時数確保(各学年10時間以上)が必要である。
    ・実践を進めていく上で,授業協力者を依頼したり,TTを組んだりする必要性が生まれてくる。学校の授業ボランティアの拡充や制度の充実が望まれる。
    ・担当教官のネットワーク関連の管理等に要する時間や教師のリテラシーが不足しており,子供の願う学習を組織することができない。
    ・開かれたネットワークの世界を十分に生かしているとはいえない。

    ○プロジェクトに参加して

      「日本の誰かが,日本の誰かを育てている」この実感が100校プロジェクト対象校としての2年間を振り返って,真先にでてくる言葉である。しかし,まだインターネットの教育利用は学校文化の中に留まっているという指摘もある。(1996大谷)今後の実践によって他の文化や社会に働きかけ,その点における危険性や課題を明らかにする必要がある。その中で教育の社会的な責任,社会の教育に対する責任も明らかにしていきたいと思う。  


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