福井大学教育学部附属養護学校 Page2/2
(続き)本校からの情報発信は、学校紹介やインターネットを利用した活動紹介など に留まったが、子どもたちの個人情報の公開については、今後、ネットワーク上の情 報公開の状況を見て、校内、保護者、本人と話し合いながら、個人情報を保護する方 策を探りながら検討していきたい。 今後は、ボイスメールやインテリキーなどを用い、より利用しやすく表現したすい 環境を実現していきたい。またタッチスクリーンや開発が進んでいるボイスナビゲー ションなどによるアクセスも、より一層の利用を図るには期待が持てると思われる。 本校は、知的発達障害児の養護学校としてはおそらく一番最初に児童・生徒が本格 的に自由にネットワークを利用できる環境を提供して頂いたが、日々発展、改良され ていくインターネット利用環境に対して担当教員の知識も少なく、試行錯誤で実践を 進めていく状況であった。また高等部担当者が2年間で2回交代するなど校内事情な どによるロスが多かった。その意味でまだ実践しきれていないことがまだまだ多くあ ると考えている。○プロジェクトに参加して
<研究会・研修会>
インターネット活用研究会(東海北陸地区)に実行委員として参加。 平成8年7月、福井県特殊教育視聴覚研究協議会を本校で実施。特殊教育諸学校の教 員26名にインターネットを体験して頂く。同年11月福井県特殊教育センターの研修 講座上で講師の先生の質問に応えるかたちで本校の取り組みを簡単に紹介。 平成8年5月に地元 NHKのローカル番組で6分間放映。また、本校のホームページを 見て、地元新聞社が取材、9月に掲載。その記事を見て問い合わせがあった。 また障害児教育の教育雑誌「学習研究社 1996年 月刊実践障害児教育7月号」 に本校の取り組みが掲載されると、他県の大学生から反響が寄せられた。<児童・生徒の変化等>
本校に在籍する児童・生徒は多様である。一例をあげると、小学部に入学したばかり の児童でも自分でパソコンの電源を入れ、アクセサリーのゲームを開いたり、ディスプ レイの壁紙を変えることができ、「インターネット」、「マックのパソコン」とパソコ ンのことがわかり、とても楽しみにしていて強い興味を示す児童がいる。 小学部の児童に対しては、校内でインターネット電話的な使い方をしたり、興味を持 てそうなホームページを見たりと、学校の外部と交信するというより、校内での利用で インターネットは少しずつパソコンに親しんだり、慣れるための道具の一つになった。 最近のパソコンの普及に伴い、保護者から、子どもの可能性を少しでも伸ばすために パソコンの購入や学校でのパソコンの利用の相談、要望等を受けるようになってきてい るが、インターネットもパソコン利用の有効な方法として活用を工夫をしていきたい。 ところで電子メールの交換等を利用している生徒で2年目になる生徒は、今年度から 利用し始めた生徒に操作を教える場面が見られるようになり、またメールを心待ちにし て毎朝、電子メールを確認に来る姿が見られた。 最初の頃は、教師が側につきっきりで指導する必要があったが、パソコンの操作に慣 れてくると、次は何をすれば良いのかが分かり、自分でメールを送れるようになった。 また、一人の相手では物足りず、3人とメール交換を行うようになった。 初めの頃は、ただ文章を打つだけで、文のおかしいところまで気にかけなかったが、 次第に文章を推敲するようになった。文字入力の時間は速くなった。 また自分たちの生活に関係していて役立つたり、興味を持ったホームページはよく見 ていた。 またネットワーク会議ソフトは、リアルタイムに具体的なイメージが持て、友だちと 一緒にできるためか、とても意欲的に楽しめた。また仕事学習で製作した湯飲みなどの 焼き物を相手の遠隔地の学生さんに贈り喜ばれた。
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