○プロジェクトに参加して

　　クライアント数の不足から，２年間，放課後の希望者を集って，このプロ
　ジェクトを行った。一年目は，熱心な生徒があっという間に，ホームページ
　を立ち上げてしまった。そして生徒は学校紹介のホームページよりも生徒個
　人のホームページ作りに夢中になり，ホームページ作りが一段落すると，今
　度は校外の人達（高校生から社会人まで）とメールを交換を始めた，「イン
　ターネット＝ＷＷＷと思っていたけれど，メールが一番面白い。」というあ
　る生徒の感想は印象的だった。
　　生徒自身がホームページをつくり，ＭＬを企画し，あくまで教師は裏方と
　いうのが一年目の活動であった。
　　その熱心な生徒が卒業した２年目，我が校のホームぺーじはずっと更新さ
　れないまま，あちらこちら工事中のまま放り出せれてしまった。
　　このまま裏方でいてはだめということで，２年目はホームページを単に情
　報を発信の場所から情報を交換する場所にということで，CGIを利用して，
　BBS，訪問者登録等のプログラムを開発し，それを使ったホームページを見
　せ，生徒のホームページに組み込むように紹介したが，今年のプロジェクト
　に参加した生徒はメール，WWWの利用はするがホームページ作りにはなかなか
　向かわなかった。生徒の自主的な活動に任せることの限界を感じると共に，
　生徒指導の難しさを感じた。
　　やっと３学期に入って新に生徒会のホームページが立ち上がり，図書委員
　会のページが更新された。この２つのページは日頃，生徒会活動，図書委員
　会で活動している生徒がその成果を公開する場所としてホームページを選ら
　んだものであって，インターネットで何かをやろうということで作ったホー
　ムページではない。
　　また，この一年の間に，私自身メールをやりとりしながら，本作り，ある
　いはシンポジュウムの準備を行うという経験を持った。連絡，意見交換の場
　面でメールの力を再認識した。
　　この二つの例はなにかまず活動がありインターネットがそれに利用された
　だけである。
　　インターネットはあくまで道具であり，メール，ニュース，ＷＷＷをどの
　ような形で使うのが問題であり，生徒にインターネットを利用する場面を想
　定して色々な使い方，可能性を教えることが大事で，あとは，その技術を必
　要とする場面に生徒が出会った時に，教えたことが初めて生きて来るもので
　あろう。
　　よく「インターネットを使うと学力面でどのような変化がありますか」あ
　るいは「英語でメールの交換をしたら，英語の力がつくのが分るが，あなた
　の学校のように，ただ主に日本人相手にメールを交換しているだで何も学力
　がつかないのでは」という質問を受ける。
　　 あまり，目のまえの成果にとらわれることなく，今はインターネットと
　いう強力な道具の使い方を教えているのであり，それらが使われるのをじっ
　と見守っているのが我々の仕事ではないだろうか。