H8_Report(1)

山口大学教育学部附属光中学校　Page1/2

１００校プロジェクト　平成８年度実施状況　　　

○ネットワーク利用状況
１．主体的なホームページづくりによる情報発信とコミュニケーション
　ホームページは、自らの情報を発信し、公に情報を公開することだけでなく、個と個の
ふれあいの機会や、お互いの話題を提供する場、いわばコミュニケーションの潤滑剤とし
ての役目を果たすと考えた。そして、生徒が個人のホームページづくりをしたくなるよう
な課題の設定や入力インターフェイスの工夫を行った。
(1)　サイエンス部による、こだわりのホームページづくり
　部活動のサイエンス部では、部員それぞれが、自分の課題を設定し、ホームページづく
りに励んでいる。課題の種類は様々で自分のこだわりをもち、いろいろな情報を提供して
いる。
(2)　クラスホームページサービス（生徒会情報委員会）
　本校では以前よりテレホンサービスを行ってきていたが、２分間の短時間で学校内の様
々な様子を詳しく伝えることは不可能であり、そのほとんどは、単なる伝達で終わってし
まっていた。そこで、学級の様子に関する情報を生徒の視点から発信させるという生徒会
情報委員会の企画でクラスホームページサービスを開始した。このことにより、学校生活
のささやかなものやほのぼのとしたものを伝えることができるようになった。本校の卒業
生にも好評であり、現在の中学校の様子や生徒会の取り組みを見ていただき、いろいろな
アドバイスをしていただいている。
(3)　ホームページで自己評価を行った実践（学級活動１年２組）
　２学期に生徒は、附中祭という３日間かけて行う学園祭を経験して、生徒会活動のダイ
ナミズムを感動をもって体験し、自分たちが主役となる２年後に向けて意欲に燃える発言
も多く聞かれるようになった。また、５週間という長期にわたる教育実習を体験すること
で、生活面でも少しずつルーズな面が出始め、仲間意識が希薄になり始めた。自分あるい
は、自分が所属する集団の現在における問題点に気づかせるとともに、今後の生活に対す
る課題を明らかにさせる必要がある。このような実態をふまえて、クラスのホームページ
づくりを始めることを決意した。ただ、単に生徒の実体を否定的にとらえて始めたわけで
はなく、次に述べるように、生徒の「よさ、可能性」に立脚した様々な二次的効果も期待
してのことである。
　�I　　自分あるいは、自分が所属する集団の現在における問題点に気づかせるとともに、　
　　　　　今後の生活に対する課題を明らかにさせる。
　�II　これまでの中学生活の歴史をホームページの形に作り上げることにより、創造する
　　　　　喜びを味わわせる。
　�III　授業や指導を再現し、教師集団の願いや期待を理解させる。
　�IV　ふだんからお世話になっている先生方の人柄に触れ、一層の相互理解を深める。
　�V　　ホームページを作成する作業を通してパソコンやネットワークを利用する上でのマ
　　　　　ナーを学習させる。
　�VI　自分たちの生活を「集団」と「個人」の視点から振り返らせることを通して、自分
　　　　　の中に育ちつつある社会性を自覚させる。
　�VII　ページを更新したり、追加したりする課題を与えることで、継続的に自他の生活を
　　　　　振り返る姿勢を身につけさせる。

２．授業実践「理科」（観天望気を科学的に解明するためにネットワークで情報収集）
　身近な自然を観察して、天気を予測することが可能な「観天望気」を調査させ、それら
の的中率をいろいろな視点、自分や友だちの視点を経由して探らせることによって、人間
の生活の知恵や、自然の法則の素晴らしさを感じとらせようとした。このような学習課題
を設定することによって、身近な地域に取材し、身近な自然を媒介として友だちとかかわ
り、互いの自然認識を確認することができると考えたのである。また、「観天望気」の調
査活動や的中率を探究する過程では、個人の活動を中心として取り組ませた。各自に様々
な疑問が生まれ、自分なりのこだわりをもった学習が始まると考えたからである。

ホームページへ　／／　次ページへ

１００校プロジェクト 平成８年度実施状況

○ネットワーク利用状況

１．主体的なホームページづくりによる情報発信とコミュニケーション

２．授業実践「理科」（観天望気を科学的に解明するためにネットワークで情報収集）

１００校プロジェクト　平成８年度実施状況　　　