山口大学教育学部附属光中学校 Page2/2
3.ファーストクラス管理による山口県内の学校間ネットワーク構築を開始
学校間交流プロジェクトを各々の学校がファーストクラスサーバー(マルチメディア通 信ソフト)を使ったコミュニティーをスタートさせた。子ども達は、いろいろな学校の友 達のいろいろな個性に触れるともに、自分自身との関係や、自分が友だちに対してどのよ うに対応していけばよいか、などと互いにメール交換を行ったりしている。現在の所、 7中学校、5小学校、1養護学校が山口マップとして共にメールのやりとりで情報交流を 行っているが、インターネットに接続していない学校にとっては、通信料がネックになり、 なかなか生徒が自由に参加することができないでいる。
○平成8年度の成果と課題
交流が深まるに従って、子ども達が、一番強く感じたことは、自分たちが自分たちの町 をいかに知らなかったかということである。遠く離れた電子メールの友だちに自分たちの 周りの環境を知らせたり、あるいは、自分たちが興味を示していることを、何とか説明し ようとしたときに、自分たちのまわりの事への関心がなかったことに気づく。そのことか ら、こどもたちの身の回りの事実や事象の再確認と再認識、初めて知る場合や、これまで 気づいていなかったことに気づくなど)を行ってきている。驚いたことに、その足りない 部分を埋めるために、自分たちのことについて知りたいという意識が高まってきた。この ように、自己表現の道具としてのインターネットが、逆に自己を振り返る活動の原動力と なってきたことがわかった。 このような生徒の自由な自己発信と情報の閲覧を可能にするために、本校では、どこで も、コンピュータがあればインターネットに接続できる環境を構築した。そして、コンピ ュータ室もいつでも自由に使える環境にし、画像データを入力するためのデジタルカメラ の貸し出しも自由に行っている。 しかし、この自由度に比例して、生徒たちが扱う総データ量が増大してきた。FDに記 録できないデータをため込んで、ハードディスクに異常があったり、デジタルカメラに既 存の画像が残っていて記録ができなかったりなど、生徒に大容量のデータの管理をする術 が用意されていないことからデータの管理に関するトラブルが頻繁に起こるようになった。 現在では、生徒用データを保存するサーバーを用意してそれに対応しているが、これも、 一時的なその場しのぎであることから、将来的には、MOなどの大容量記録メディアを子 ども達が個別に使える環境を作る必要があると感じている。
○100校プロジェクトに参加して
1.研究会、研修会に関して
・ 光市の研究会では、本校を中心としてこの2年間にインターネットの研修を併せて 24回行った。その内容は、理科、数学、英語、社会などの各教科の熱心な先生方に よる活用である。、また、できるだけ、多くの教師がインターネットを体験し、児童 生徒の学びにどのように生かしていくかをテーマとして、光市情報教育研究会が中心 となって研修を年に3回行った。 ・ 今年度、ネットワークの活用、インターネットの活用の実際を熟知するために本校 におよそ20団体、50名の方々が訪問された。(昨年度、10団体、30名) ・ 地域活性のために、光市青年会議所、及び近隣の商工会議所の主催する行事のホー ムページを作成して、地域の祭りとイベントを呼びかけることを行ったり、インター ネットの活用研究を実際に研修した。
2.変容しつつある教師や生徒の様子
(1) ネットワークを「ジャブジャブ」使う になった。 ・話題が学校や家庭の中にあるものを扱っている。 ・自分たちの生活の一部として感じるようになってきた。 ・ネットワークが学びの道具として必要不可欠なものになってきた。 (2)教師も生徒もネットワーク上でデータの共有化を開始した。 (3)教師は、自他の違い→「かかわり合い」研究や教科の壁を越えての研究も考えられる ようになった。 これは、総合学習を含めたカリキュラムの研究への道を歩み始めている。