慶應義塾中等部 Page2/2

100校プロジェクト  平成8年度実施状況


    さらに教員にとってインターネット上に自分の授業を公開するプロジェクトへの参加
    は、インターネットの可能性を違う面からみることができた。また、開かれた授業の
    構築を考える機会が与えられたことは、これまで実践してきた授業形態を顧み、さら
    なる魅力ある授業形態の創造を考え直すよい機会となった。

    最後に、メーリングリストでのネットワーク上でのモラル・エチケットについておよ
    びセキュリティについての対話より、これらの問題への早急な対応の必要性を強く感
    じ、提示された体験をもとに独自のマニュアルを作成し、生徒・教職員へ定着させて
    いきたい。

○プロジェクトに参加して
    ・パネルディスカッションでの生徒の質問のなかから
      「インターネットという情報の宝庫から自分の必要とする情報を自分の考えで選ぶ
      ということですが、自由に情報を発信できるということは、偽りの情報を流すこと
      も可能なわけで、その情報によって混乱を招くことがあるのではないでしょうか。
      その対策は個人にまかされたものなのでしょうか。」
      このように情報の持つ信憑性や意義および価値、さらに情報に対する責任やモラル
      について考えられるようになってきたといえるだろう。
      「ネットワーク社会が進むことはすごく豊かに、便利になっていいと思うけれど、
      将来自宅で授業を受けたり、会議ができるようになるほどに進んでしまうと人と人
      が直接会うことがなくなってしまうのでしょうか。」
      人と人とのつながりの大切さを便利になることで逆に失われはしないか、と考える
      生徒が出てきたこともこのプロジェクト参加によるものであろう。

    ・必要な情報を得たい、発信したいということや国内・海外の人とコミュニケーショ
      ンをとることが主たる目的になってくることにより、これまで幾度となくいわれて
      きたキーボードアレルギーやコンピュータアレルギー、さらには英語アレルギーも
      なくなってゆく可能性があると予想される。

    ・教員にとってはこれまで実践してきた授業形態をさらに発展させる研究、また、各
      教科の枠組にとらわれない教育の創造を要求されたことがあげられる。
      ある教科単独でネットワークを活用することは(できないことはないが)担当する教
      員の負担がかなりのものであり、また、ネットワークのもつ可能性を十分に活用で
      きないことを知らされた。

    ・最後にオンライン・オフラインにおける各方面の方々の様々な支援があったからこ
      そ十分に活用できたとはいいがたいまでもこれまでやってくることができたと思う。
      このプロジェクトを通じて”人と人とのつながりの素晴らしさ”を実際に体験でき
      たことが最大の収穫といえよう。

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