柴島高等学校 Page4/4
100校プロジェクト 1996年度実施状況
○1996年度の成果と課題
4月にインターネット利用を含めたコンピュータ利用についての方針を立て、校内や地
域の教育におけるコンピュータ利用方法を模索してきた。昨年度とは異なりインターネッ
ト上には多くの情報が掲載されるようになり、自分に必要な情報を検索するタイプの授業
はいくつか実施され、それなりの効果を上げるようになった。しかし、インターネットの
利用率があがるとともに授業外での利用に対するニーズが高まった。現在での機器状況や
ネットワーク状況を考えると、生徒に自由に使わせる環境を提供できない。図書館などで
ネットワークを放課後等に自由に利用できる環境が是非とも望まれる。現在、本校ではコ
ンピュータの使用法の1つとして教育機器としての使用法を位置づけ、コンピュータ授業
を実施している。本校では生徒のニーズの多様化に対応した総合学科に移行した。総合学
科ではツールとしてのコンピュータの利用方法が特に必要となるであろうと考えられる。
例えば、学習内容に合わせ、インターネットに接続し、必要な情報を得るためのツールと
して利用する場合や、自分の学習内容を評価する手段の一つとしてのインターネットを利
用する場合、自分の学習内容を高めるためのコミュニケーション手段としてインターネッ
トを利用する場合などが考えられる。いずれの場合にしても授業時間内だけでのインター
ネット利用では不十分であると考えられる。今後、家庭を含めて、放課後などの授業時間
外にインターネットを利用できる環境を整えていく必要があると考えられる。
○プロジェクトに参加して
参加した時点ではインターネット上で交換されている情報には英語が多く、授業での利
用には言葉の壁があり、内容を選ぶのに時間がかかった。しかし、画像など有用なものが
多く、「ルネッサンス」(世界史)の授業のように画像中心に検索させることにより、生
徒の興味を引き出すことができ、言葉の壁をある程度克服するに至った。また、この手法
は英語などの外国語の学習において非常に有効であると考えられる。実際に電子メールを
利用した英語の授業では英語嫌いな生徒に対し、コミュニケーションの手段として英語を
利用させることにより、英語アレルギーを取り除くことができた。言葉でのコミュニケー
ションにはなかなか至らないが、文字を使ったコミュニケーションはある程度行えるよう
になった。
インターネットを利用して自分を表現した場合、その発信先が決まっている場合、ある
いは決まっていない場合でも、自分が発信した内容に対し、どんな返事またはどんな評価
が返されてくるかが生徒にとっての興味の中心になることが多く見られた。加えて、現在、
電話がコミュニケーションの有効な手段となっているが、今後コミュニケーション手段の
一つとしてのインターネット利用がすすむのではないかという考え方がある。インターネ
ットで適切なコミュニケーションを展開するためにも、今後、教育現場ではインターネッ
ト上の様々なモラルなどを議論してゆく必要があると考えられる。また、そのためにはイ
ンターネットで情報を発信する場合に自分の発信する内容について責任を持つ必要がある
のではないかと考えられる。教育現場では子どもたちの権利を守ることを第一にしながら
様々な取り組みを展開する必要がある。いずれにしても教育現場でのインターネットの利
用法に関する模索は今始まったばかりである。これから様々な成果とともに問題点が生じ
てくるのであろう。
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