○ネットワーク利用状況(続) ・共同利用企画『高等学校における生徒の自律的意見交換』への参加 インターネットが将来の学習支援環境として活用されるとき、その根底において必要と されるのは人間同志の信頼関係である。そういった人間関係をどう築き上げてい くかが、 情報化社会の教育に必要とされるであろう。 この観点に立って本企画では、それぞれの高等学校でのインターネット活用の実践を基 盤とし、それらが全国的に交流していくことでどの様なコミュニケーションが展開される かに焦点を当てた。 =参加校= 北海道旭川凌雲高等学校/川崎市立川崎総合科学高等学校/川崎市立商業高等学校/愛知 県私立滝高等学校/京都府立工業高等学校/愛媛県私立松山東雲高等学校/大分県立津久 見高等学校/熊本県立小川工業高等学校 ○平成8年度の成果と課題 平成7年度に比較し、平成8年度はインターネットは目新しいものではなくなった。 生徒はワープロ感覚でホームページを製作し公開するようになった。 E−mailを当たり前の様に利用し、母国へ帰っていった留学生と情報交換や挨拶を交 わしている。情報リテラシーという面においては、環境を整えさえすれば、いとも簡単に 利用方法を高校生たちは身につけることが明確になった。ポケベル然りである。 一方、当初心配していた有害情報への生徒たちのアクセスは意外に(極端に)少かった。 個人情報保護条例との関係においても、生徒自ら自分の個人情報は自らが守ることが必 要であると自覚している者が多かったが、一方で公開の基準を早く作る必要があると強く 感じた。現在の多くの基準や規範はコンピュータネットワークについて考慮されていない。 しかし、現実はコンピュータネットワークが教育の分野においても避けて通れなくなって きている。現実と学校の制度上の較差がさらに広がることにいかに対処するかがこれから の課題である。 ○100校プロジェクトに参加して 研究会への参加 平成7年度100校プロジェクト近畿地区活用研究会での事例発表 平成8年度インターネットによる教育革命’96での論文発表 研究会設立 京都府立高等学校工業教育研究会情報通信専門委員会の設立活動(平成7年度〜8年度) 京都中丹波インターネット教育利用研究会の設立(平成8年度) 研修会 平成7年度京都府工業教育連絡協議会研修「インターネット体験」 平成8年度京都府立高等学校開放講座「あなたのホームページをつくりませんか?」 イベント 平成7年度京都府立高等学校祭「インターネットって何?」 平成7年度ドリームテクノピア「世界のホームページ」 平成8年度ドリームテクノピア「世界をかけめぐるWWW」 生徒の変化 本校は専門高校のため卒業後は就職を前提としたカリキュラムであり、就職を前提とし た生徒たちが入学してくる。しかし、100校プロジェクトに参加しWWWで世界の情報 を目の当たりにし、大学のページを眺め、かなりの生徒たちが大学進学の道を希望するこ とになった。 また、英語がWWW世界の事実上の標準であり、多くの情報が英語であることを知り、 初めて英語の実用的な必要性を感じた。 さらに、郷土の情報を発信しようとした生徒たちに、郷土のことを良く知る祖父母や高 齢者に対しての尊敬の念が芽生えたことである。 今まで学校で習った歴史ではなくて、学校で習わなかった身近な郷土の歴史がWWWの世 界では価値を持つことを知った、貴重な体験であった。