広島市立鈴張小学校 Page2/2
・国際理解学習(5学年) ハワイの小学校(Lihikai Elementary School)と異文化理解をテーマにした交流を 行っている。電子メールや作品の交換を通して,お互いの文化の「似ている点・異な る点」について,体験的に理解することを目指している。(この交流は,嘉屋日米交 流基金[代表 嘉屋文子氏])の支援を受けている。) ○平成8年度の成果と課題 本校が所在する広島市には,134校の小学校があるが,授業用コンピュータが配備された 小学校は8校しかない。本校は,授業用コンピュータがまだ整備されていないので,「ネ ットワーク利用環境提供授業(100校プロジェクト)」で整備された機材だけで活用実践を 進めている。活用事例はすべて1台の端末だけで行われたものである。 機材(特に端末)と技術情報の不足に悩まされた。校内での電子メールの利用者率 (21.7パーセント (23名中5名))が徐々ではあるがあがってきている。しかし,複数で交 代に使う端末でのソフト設定などが難しく,パーソナルコンピュータは本来パーソナルな 機器であることを痛感した。また,サーバに関する情報の絶対量が不足しており,今後の サーバ管理に不安が残る。 しかしながら,インターネットを学習活動に取り入れることで得た成果はマイナス面を 相殺だけにとどまらない。既存の設備では実現不可能な学習活動を実現することができた ことは特筆すべきことである。 学習成果をWWWに発信することで,世界各地から感想や意見を得ることができた。さら に,学習内容を実社会と結び付けて,具体性の感じられるものにし,児童の意欲関心を高 めることができたことは大きな成果である。 ハワイの小学校との交流では,クラスの大部分が複数の民族をルーツにもつ児童である ことが分かり,「人種の坩堝(るつぼ)」という言葉の意味を実感することができ,児童 はもちろん,指導者自身の視野も広がり,国際理解教育の推進に大きく寄与することがで きた。 ○100校プロジェクトに参加して マスコミの報道や,本校のホームページがきっかけとなり,卒業生から激励の電子メー ルが届いたり,地域の方より暖かい声をかけていただいたりしている。副次的な効果では あるが,学校に対する地域の信頼を得ることに貢献したように感じる。インターネットを 通じて,国内だけとどまらず海外にも知人を増やした職員もいる。また,新規採用の職員 が出身大学と連絡を簡単にとることができ,さまざまなケアーを得ることができた。イン ターネットは単にコンピュータとコンピュータとを接続しているだけでなく,人と人とを つなぐ世界的なネットワークであることを実感した2年間であった。 1台のインターネット端末で実現可能な活用ノウハウが蓄積されつつある。今後は,こ の蓄積を地域に還元しつつ,さらに実践を進めていきたい。