山梨県立谷村工業高等学校 Page 2/2100校プロジェクト 平成8年度実施状況
○平成8年度の成果と課題 「道具」は、使ってもらわなければ意味がないので、先ず教員および生徒への啓蒙が必 要である。そのためには、「いつでもどこでも使える環境(校内LANの整備)」と「身 近で必要な情報が取り出せる環境(校内イントラネットの構築)」の提供が必要である。 生徒に対しては、インターネットそのもの(道具)の使い方の学習として、 ・ホームページの作成 ・インターネットの各種機能の学習 ・自立型LANの構築(ハードウェアのセットアップ) ・各種サーバの構築(ソフトウェアのセットアップ) また、インターネットを(道具として)使用した学習として ・課題研究の共通テーマを他校と共同研究 ・教科のなかでの共同学習(バーチャルクラスルーム) ・調べもの学習および情報発信 等を展開してきた。 しかしながら、まだ教員の使用が少ない。原因として、コンピュータそのものへの抵抗 や何に使ってよいかわからないという消極的な理由、使いたいのだが分掌の仕事が多く て活用する時間が少ないという積極的な理由等がある。 今後の課題は、システムの運用管理等において現場の教員の負担とならないようなシス テム運営を考える必要があるということである。教員はインターネットを「道具」とし て活用できる場面を考えその活用に力を注ぐべきでる。 ○プロジェクトへ参加して 平成6年の夏休み、実習室に設置されたばかりのEWSを山梨大学のコンピュータへ UUCP接続できるよう大学へお願いに行ったことが、「100校プロジェクト」参加の きっかけだった。当時、学校現場へインターネットが接続されることじたい夢のような ことであり、それが現実になったとき、これで教育が変わるかもしれないという異常な 興奮に似た感動をしたのを覚えている。 しかしながら、現実は急激に変化するものでなく、教職員の啓蒙にかなりの時間と手 間を要している。「焦りは禁物」と、インターネットは「道具」とみたてその活用とシ ステム構築を行ってきた。 最近、学校を取り巻く環境も変化し、インターネット接続する学校が増えてきた。そ れに伴い、県外の学校からも視察を受けるようになり、地元の中学校の先生方や教育委 員会および視聴覚研究会等へもインターネットの講習会等を随時開催し啓蒙に役立てて もらっている。 ネットワークは足元からということで、地元のインターネットユーザと交流する機会 を増やすため、その組織づくりを行っている。官・民・学がベースになり協議会をつく る予定である。そこでは、埋もれがちな地元の情報や企画を大切に育て上げ、地域の活 性化に一役担おうという試みである。 また、県内の工業高校を集め、「工業教育へのネットワーク利用研究会(通称:UNTE)」 を100校プロジェクト公募と同時に発足させ県内の教育情報ネットワーク普及に積極 的に貢献してきた。 ここにきて、県内でもインターネット接続する学校が増えてきたため、それらの学校 を含めたインターネット教育に関する情報交換を目的とする「山梨スクールネット研究 会(仮称)」の発足に向け準備を進めている。既にメーリングリストを立ち上げ、月1 回の会合を開き各学校での実践報告などを行っている。 まだ一部の教員・生徒かも知れないが、インターネットが教育活動のなかで無くては ならない一部分を占めつつあることは事実である。このことが、ポテンシャルなエネル ギーとなり、教育のビッグバンを呈するかもしれない。 最後に、教育の激動期にあることを、「100校プロジェクト」をとおして、その危 機感の知と先導的な立場を与えて下さった関係諸氏に謝意を表わすものである。
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