酸性雨/窒素酸化物 調査プロジェクト実践報告書
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(1) 必修の理科の学習では扱わない機器を活用した実験を通し、本校周辺の酸性雨や大気 汚染近隣の川の水質の実態を調べる方法を知る。
(2) 機器から得られた結果を整理し、調査した内容とその数値の意味を理解する。
(3) インターネットを利用して、本校と同じような調査をしている環境の異なる遠隔地の 学校と結果を比較し、鉢山周辺の環境の実態について理解する。
(4) 発表会を持つことで、表現力や発表力を養う。
選択教科の「理科」では、生徒の特性等に応じ多様な学習活動が展開できるよう、必修教科の理科における学習内容について、課題研究や野外観察などの学習活動を適切に 工夫して取り扱うものである。
そこで、本年度本校では化学反応とイオンの単元で参考資料として扱われている「酸 性雨」の問題を取り上げ、野外観察と課題研究を実施することにした。この学習活動の中で、酸性雨の回収装置やpHメータといった機器を活用し、8ヶ月にわたる調査から、私たちの身の回りで実際に「酸性雨」が降っているかどうかを生徒たちの手で確かめさせた。
この調査の中で「酸性雨とはどのような雨か」と「雨が酸性となる原因は何か」という課題を設定し、課題を考える中で、大気や下水といった私たちがふだん生活活動で汚しているものの調査も実施することに発展させた。
また、本校で得た調査の結果は、インターネットを活用して他の地域の結果と比較し、 鉢山中学校周辺の酸性雨や大気中のNOxの実状を知ることができた。
生徒たちはこれらの学習活動から、必修の授業では使えない機器を使い本格的な調査 活動を通し、科学への興味関心を高めるともに、課題を見いだしその課題を解決するための調査の方法や結果をまとめ発表する方法を学習した。生徒の理解を超える内容も多々あったり、行事等で授業が空くなどして科学的思考を十分深められずに教師主導となる場面もあったが、生徒たちは8ヶ月間放課後の短い時間を利用し、責任ある自主的活動をした。
ここで得た経験を通し、科学的調査や分析の手法と、科学的思考が養えるようにする とともに、身近な環境の問題へ目を向けるよう促していきたい。
前期は、理科に興味・関心が高い生徒が5名集まった。後期は、機器や野外観察に興 味を持つ生徒が3名であった。専門的な機器もあり、扱うのに指導を要したが、生徒たちは度重なる失敗にもめげず、行事ややむを得ない事情を除き、自主的に日々観測を続けた。
調査項目についても、浮遊粉塵,ph,COD,NOx,ppmといった授業では扱わ ない言葉や単位についても、その都度学習を進め理解を深めていった。
本活動を通し、大気汚染・水質汚濁の問題の実態を確かめることができた。
調査の際、生徒が主体的いろいろな機器を活用でき実験が進められる。
機器で得た結果を整理分析し、数値の意味を考察しながら環境の事態を理解する。
自分たちの研究活動で得た結果を、他の人たちに分かり易く説明できる
(1)実施月日と場所 平成13年1月26日(金) 第二理科室
(2)実施学級 3年選択理科2名・2年A組27名
(3)2年生での実施単元「天気」
(4)本時の目的
選択の3年生が調査し得た結果をもとに、自分の身のまわりで起きている環境の実態を
分かり易く、研究を引き継いでくれるかもしれない下級生に説明し理解してもらう。
1) 渋谷周辺の酸性雨やNOxを生徒とともに調査し、実態を知る手がかりがえられた。
2) 他の学校の結果と比較する事により、渋谷の実態を客観的に知ることができた。
3) NOx・酸性雨の問題からCO2・大気汚染・水質汚染といった地球環境問題に目を向 けさせることができた。
4) 下級生に発表する会とプレゼンテーションの準備の中で、コンピュータの活用方法を修 得できた。
1) NOxの測定では、構内の測定は容易であったが校外の測定容器が壊されたり、回収を 忘れたりし、思うようにデータが集まらなかった。
2) 行事で、放課後が使えず苦労したのと、3年生であったため、後半制約が多かった。
1) メールの使い方を考えた方がよい。学校に送られても意味のないものも多い。
利用したホームページ 気象庁・YAHOO