横浜市立本町小学校 Page1/2
(2)県内ネットワークへのふくらみ
インターネットやフェニックスTV会議を活用した交流を続けていると,オフラインで実際に会うという活動の大切さを痛感してきた。どこかで1回会うことができれば,もっと活発な活動になり,情報の共有化も進んでいくことになるのである。こうした考えから,「神奈川県」というレベルでの交流を検討し,4年生の社会科学習とも関連させ,相模湖町立千木良小学校・川崎市立桜本小学校とのフェニックスTV会議交流を中心とした継続交流を行った。
特に,相模湖町立千木良小学校とは5月から「全国発芽マップ98−ケナフ−」に参加し,全国網としてだけではなく,県内2校の情報交換と交流としてTV会議システムを用いて継続させた。この結果,ケナフ以外での交流が学年末の3月まで成立し,次年度への継続交流への見通しも持てた。たとえば2学期「横浜の開発」の学習では,千木良小学校が遠足で横浜市に来たときに本町小学校に招待して実際に会い,交流を深めた。また,「私たちの住む神奈川県」の学習では,千木良小側の自主企画「みんなで神奈川県の未来を考えよう」に協力し,共同調べ学習を行った。更に,3月16日には,本町小学校4年生全員で千木良小学校を訪問し交流を深めた。
(3)交流校のふくらみ
マルチメディアプロジェクト学習の一つの側面として,学校間交流による発信対象を明確にした作品作りという活動が行われるようになってきた。この活動は全学年に及び,1年生から6年生までフェニックスTV会議とインターネットメール・ホームページを併用した学校間交流を行うようになった。特に高学年は学習内容との関係を重視しての交流を続けている。
しかし,学校間交流のあり方について考えると,特に低学年では単に学習のためだけの交流関係では,子どもたちのヒューマンネットワークを形成することはできない。そこで,学習面での共同学習関係を確保するとともに,子どもたちの友達関係というヒューマンネットワークの形成を考えている。和歌山県熊野川小学校とは全学年通しての交流関係を継続させるようにし,3年目を迎えて1〜5年生の交流が成立している。将来的には,交歓修学旅行にまで発展できればと考えている。また,今年度交流がスタートした上記の神奈川県千木良小学校とも,4〜6年での交流が続くことを想定している。
和歌山県熊野川小学校との交流計画 |
|||||
1年生 | 2年生 | 3年生 | 4年生 | 5年生 | 6年生 |
出会い | 稲栽培交流 | 町調べ交流 | 環境比較交流 | 生物比較交流 | 交歓修学旅行 |
○平成10年度の成果と課題
インターネットを活用した交流学習が,マルチメディアプロジェクト学習(本校でとらえる21世紀の総合的学習)の一つの形として成立し,子どもたちの学習意欲の高まりや,ヒューマンネットワークの形成に効果があることは言えるであろう。そして,それはほぼそのまま2002年施行の「総合的な学習の時間」カリキュラムにインターネット活用の一つの形として載ることになるであろう。そうした研究を来年度の横浜市立本町小学校では行いたいと考えている。
○新100校プロジェクトに参加して
100校プロジェクト時代の平成8年度から本校が一貫してめざしてきた「ヒューマンネットワークの拠点」が,少しずつではあるが実現されてきていることを感じつつ,新100校プロジェクトは終わりを迎える。その間,多くの方々の支援を受け,現在のネットワーク環境を構築することができた。ヒューマンネットワークの新たな展開を求め,横浜市立本町小学校はマルチメディアプロジェクト学習というテーマへの挑戦を続けていく。